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井上さく子先生の 子どもに学ぶ 21世紀型保育
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第25回
中堅保育士って?
井上さく子

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24回中堅.jpg22回、23回と新人保育士・園長先生のやりがいについてお話してきました。

それでは、中堅保育士の「悩み」と「やりがい」とはなんでしょうか?

新人に近く、しかし園全体を見る園長の考えもわかり、悩んだり、泣きそうになったりしたときに、誰もが身近に感じることができるのが中堅層かも知れません。

新人と経験豊かな職員の真ん中に存在し、両方からぎゅっと押されてサンドウィッチ状態に置かれているのが中堅職員。

または先輩と後輩のパイプ役。

新人に対しては、先輩として後輩育成の役割を担い、時には

「なぜ?」

「どうして?」

「自分で考えてみて!」 などなど、直球を投げて聞いていくことも。

心持ちがなかなか相手に通じないときのもがきや葛藤などをいだきながら、指導する立場になったばかりで空回りということもよく遭遇する光景です。

現場の職員間はいかがでしょう?

新人時代は初めてのことだらけでした。保育士になってなんとか3年の節目、中堅保育士になると、何かが見えてきたり、何かを見通せたり、何かを振り返ったり、そんな感じを掴めるようになってきました。

何よりも一つ先を見通せるようになると、次の課題がはっきりしてくること、それに向けて具体策を考えて実践に繋ぐことができるようになります。

すると、それまでは何かにつけて自信が持てずにいた自分でも、考えて決めたことは自信をもって一歩踏み出したくなることに繋がります。

例えば、週のリーダーとして週案の作成をし、日々の実践のリーダーシップをとることになります。そのときに、新人でも中堅でも同じように役割が回ってきます。

夏の遊びの内容を自分なりに、考えて子どもたちに提供したときのことです。

0歳児の水遊びのとき、タライに水を張りその中に道具を入れて浮かしてみせると、すぐに両手でバシャバシャやる子、少しでも水しぶきを浴びようものなら、びっくりして泣いて嫌がる子どもがいました。

そんなときに、泣いて嫌がる子どもを受け止めつつ、「嫌だったね!嫌なんだよね」と言葉を添えているときに、先輩に「週のリーダーは個別対応しないで、全体を観ることが大事なのよ!」と言われました。

役割こそありますが、その場で指導(?)されたときには、思わずムッとしてしまいました。

でも、表情には出さずにその場を乗り切りましたが、後ほどその心持ちを先輩に話す勇気を持てずにもんもんとしていました。

今でこそ、勇気発言できますが、不思議と指導目線で言われると素直に受け止められない自分がいました。当時は子どもを真ん中に据えて相談する視点を持ち合わせていなかったため、何日も抱え込むことがありました。

言葉に出せない辛さを他職種のナースに気づかれてしまい、どれだけ助けられたでしょう。

そのときは、受け止めてもらって解決できたかのように思いがちでしたが、指導してくれた先輩に正直な心持ちを伝えてない訳ですから、元に戻ってしまいます。

この板挟みの状況を如何に乗り越えればいいのでしょう? なんとも憂鬱な心持ちでした。

素直に相談すればいいものを中堅というプライドが邪魔をして、もがき葛藤したものです。

そんなときに、違うクラスの先輩が閉ざしている心の窓をノックしてくれました。

「困ってない? 悩んでいない?」

まるで、私の心持ち見透かしているかのように聞いてきました。

「実は......」

「そんなことで悩んでいたの?!」

「じゃあ、クラス会議で相談するといいよ」と背中を押してくれました。

同じ先輩でも受け止め方が違う、指導目線ではないことに気づかせてもらったときに、もっと早く相談すればよかったと安堵の心持ちを抱くほどでした。

また、てきぱきとした園長先生の元で中堅職員だったときのこと。

職員はそんな園長先生のことを別名瞬間湯沸かし器と言っていました。

なぜ?

報告内容や相談したいことがあって尋ねていくと、そのときの気分次第で反応が違うことがありました。大きな声で、相談内容を否定することがあると職員は萎縮して言えなくなってしまい、その不満を陰でぼやくことになります。

それはなんの解決策にも繋がりません。

むしろ、負の連鎖が広がっていくことになります。

どうやって乗り越えたらいいのでしょう?

保育の要である主任がパイプ役になっていきました。園長先生に直接相談する前に、主任を窓口にしていくことで、直接感情的な声を浴びずに済むようになりました。

次に連絡帳についてです。

後輩の連絡帳の書き方に違和感を覚えてきました。例えば、絵文字やハートマークを使った書き方に、疑問を覚え、直接言えずにいた悩みを園長先生に相談しました。

すると、「今の子たちは絵文字やハートマークでしか書けないということだから、求め過ぎてもいけないのかも?」と言う答えが返ってきたのです。

その答えに『何か違う?』と思っても、勇気発言ができない自分がいました。

今なら理由が言えます。連絡帳は保護者がずっと保管する公の文書であり私物化してはいけないものだということです。

子どもたちにとっては、大切な成長記録でもあるということを後輩たちにも分かってほしいと願わずにはいられません。

新人でもベテランでもない、真ん中にいる中堅職員。だからこそ上下関係に挟まれたり、揺らいだりしがちですが、こんなときにこそ、さく子語録から一言、

「どこに向かって生きていますか?」

「生きていきますか?」

過去の中堅職員だったさく子に、現在のさく子だったらエールを送ってあげられます。

誰のために?というよりも、中堅職員の私に求められていることは、

子どもの願いを叶えるために傍に寄り添い続けること

困ったときには、心の窓を全開にして子どもに聴くこと

実にシンプルな答えが見えてきます。

新人の役割も中堅の役割も経験豊かな役割も

全て、子どもたちが教えて、受け止めてくれると思えたら、どんなにか幸せなオーラを醸し出せるでしょう!

試してみませんか?

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