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井上さく子先生の 子どもに学ぶ 21世紀型保育
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第40回
保育園の外部講師
井上 さく子

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最近の保育現場で、増えてきていること。

それは、体育遊び、運動遊びのために、外部講師を招いて取り組んでいる園に遭遇することです。自園でできる保育士がいない技能が必要なものはわかりますが、保育士の時間を節約するため・何かやっているという特別感をアピールするだけと思われるケースもあります。

一瞬、『それはなぜ?』と立ち止まってしまう自分がいます。

それだけではありません。

課題保育と称して、外部講師と一緒に、算数や文字を勉強する活動が延々と続く保育所も。

これは必要ですか? また、プロにイベント授業をしてもらうとしても、それを学んで自分たちでできるようにするのが本当ではありませんか?

保育士のプロ意識は?

担任の役割は?

大人と子どもたちの信頼関係は

どのように育まれていくのでしょう?

その度に、『なぜかしら?』と振り返ってしまう自分がいます。

教育に力を入れるようにと言われて、小学校の準備期間の如く、次から次へと課題に取り組まざるを得ない子どもたちの心持ちはいかに?と思ってしまいます。

NO!と言える権利があるのに、言えない心持ちをプロとして、保育士として、人として

どこまで真剣に受け止めているのでしょう?

教育とは?

教えられて学ぶことではなく、全ての子どもたちが日常の暮らしの中に散りばめられている様々な環境の中で、自ら取り込んで学ぶ体験こそ本物の教育だと思いませんか?

保育園はただの小学校の準備期間ではないことを、発信し続けていても、現場の先生方はそれらの課題を洗い出す機会も時間もない中に置かれています。

仮に、そのことに気づき、提案したとしても園の方針と言われて諦めてしまう風景までも......。

それは、誰の願いを叶えるためなのでしょう?

心持ちが痛みます。

そんな中で、私立園の活動のエピソードをのぞいてみましょう!

ソーラン節の曲に合わせて、元気な掛け声が耳に飛び込んできました。

ホールからです。

さっそく、子どもたち全員の顔が見える場所から、その様子を見学させてもらいました。

袢纏を身につけて、潔よく舞う子どもたち。

「ソーラン!ソーラン!」の声が、ホール中にこだまします。

こんなに夢中に、声を合わせて、舞う子どもたちの姿に思わず感動の涙が......

あっという間に、最後のフレーズになってしまいました。最後に決めるポーズで、拍手を送ると、なんと

「もう一回最初からやりたい!」という子どもたちの言葉が耳に。

その結果、もう一度最初から観せてくれたのです。その前は、乗り気ではなかった男の子も自分からその気になって舞う姿にも感動!

言葉では表現し切れないパワーが漲ってきます。

その後の綱取り合戦が、またまた見事な物語でした。

2つのグループに分かれて、作戦会議!

ゲームが始まる前に、主任が仕掛けたのです。

なにを?

綱を並べて置いてある間に、体育用の赤いマットと青いマットを置いていきました。

子どもたちにとっては、想定外のことです。

いよいよ、合図を受けてゲームが開始。

結果、一つのグループは綱を5本

もう一つのグループは、綱2本とマットを2枚

ゴールに運びました。

その結果を出すために、担任は子どもたちに相談します。

綱以外にマットが入ったことで、「勝敗を決めるのにどうしたらいい?」と。

綱を5本運べた子どもたちは、自分たちに勝利あり!と思い込んでいたところでした。

そこへ相談かけられると、どちらのグループも真剣です。

綱は軽いこと

数だけでいくと5点

マットは大きくて重い

それなのに1点と数えるのはおかしい!

などなど、

子どもたちの意見が飛び交います。

それを受けて、グループ同士でバレないように作戦会議をしてほしいと提案をすると、2つのグループは離れた場所でまあるくなって、時には大きな声で話す子どもも。

作戦会議だから、バレないようにと小声になって相談をしていました。

その結果、マットは大きくて重いので、2点に

綱は1点のカウントに決定!

それを受けて、その後の勝負で同点の引き分けになると言うドラマが。

年長の力を信じて、相談の機会をつくり、自分たちで考えて、ルールを決められる仲間集団に著しい成長を遂げていると実感できる光景でした。

内面に秘めている力をいかに引き出し、受け止めていくのか?

寄り添う大人たちの力が問われた時間でもありました。

年長最後の運動会に向けて、子どもたちは一つひとつの取り組みに、真剣に望んでいました。

やらせ感は全くなく、自分たちの、仲間たちと一緒に取り組んでいるこのプロセスにこそ、大きな意味があると思っています。

このエピソードにこそ

本物の教育が散りばめられていると思いませんか?

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