第56回
お休みは思うがままに
井上 さく子
新しい環境にやっと慣れた頃に、5月の大型連休に入り、子どもたちはどんな世界で過ごしているのでしょうか?
本来でしたら、家族みんなで旅行にでかけたい!
又は思いっきり外で羽を伸ばして満喫したい!
そんな願いがいっぱいの子どもたちを想像しています。
ワクワクする環境で、思いっきりリフレッシュできるチャンスにと。
子どもたちはどんな願いを
抱いているのでしょうか?
もしかして
もしかしたら
やったあ!
お休みがいっぱい。
何をして遊ぼうかな?
誰とあそぼうかな?
誰とどこに出かけようかな?
子どもによっては、
お昼寝なしで遊べる。
当番活動もお休み!
時計を見なくてもだいじょうぶ。
時計の針とかけっこしなくてもだいじょうぶ。
クタクタになるまで遊ぼう!
だって、ぼく、私の時間だもん。
自分で考えたこと
やろうと思ったことが、自由に叶えられる。
好きなことができるってしあわせ!
思ったことを言えるってすてき!
もちろん、
嫌だなあと感じることも
苦手だなあと思うことも
しんどいなあ
悔しいなあ
さみしいなあ
つまらないなあ
悲しいよ!
退屈だなあ と感じることも
その全部ぜんぶを
我慢しないで表現できる!
心持ちを
全開にできたら
なんだか
ぼく、私って
いい感じこの感じ?!
心も身体も解放されていく。
なんだか心持ちが
急に楽になって、軽くなって
空を見上げたら鳥たちが
自由に青空を舞っている
いいなあ!
ぼくも私も鳥になりたいなあ
鳥になれたらいいなあ
大人だって、ふとそう思うことがありませんか?
どうして鳥は飛べるの?
どうして人間は飛べないの?
こんなふうに
どうして?
なぜ?
だから教えて!と言われたら
皆さんはどんなふうに、受け止めるのでしょうか?
どんな言葉を添えるのでしょうか?
鳥と人間の違いに気がつけたことを
素敵なことと思えるのでしょうか?
そんなこと知らないよ。
鳥に聞いたらいいんじゃない?
そんなの自分で考えてごらん?
そんなことどうでもいいから、早く!
......受け止め方一つで、子どもの世界は大きく変わっていくと思いませんか?
ぼくも私もこれでいいんだあ!
私もぼくもこの感じ、
見失っていたかも知れない。
時には、この感覚をグッとおさえて
心の奥底に
隠していたかも知れない。
我慢していたかも知れない。
頑張り過ぎていたかも知れない。
背伸びしていたかも知れない。
ちょっとだけ
立ち止まったら
ふと気がついたんだ。
きっと
そうなんだよ!
そうだったんだよ!
本当の自分の心持ちに
あるがままに
弾けよう!
飛び出そう!
子どもたちの日常は、毎日が新しい!
それは大人たちにとっても同じはずなのに、大人の都合と言う名のもとに、子どもたちの新しい体験が束縛されていませんか?
子どもたちの願いは常に柔軟です。
憧れの友だちや物や生き物たちに、『なれたらいいなあ!』と思ったら、
何にでもなれると思い込めるのも子どもたちの世界を生きているからです。
新芽が空に向かって、ぐんぐんと伸びていくように、幼子たちにとっても心も身体も限りなく成長し続けられる環境をデザインしていきませんか?
目の前の子どもたちと心通わす対話を意識していくと
今何をしたらよいのか?
今子どもたちは何を求めているのか?
何をどのようにしたがっているのか? が、
見えてきます。
大人の願い先にありきではなく
子どもの願いを見極める目を確かなものにしていきませんか?
子どもから学ぶ視点をぶれずに据えていく先々に
信頼関係が構築されていきます。
『21世紀型保育とは?~
公立保育園の園長を長年経験され、
全国の保育現場の環境改善に奔走する井上さく子先生が、
実践的な事例を元にWEBを通して参加者の『
に答えます。
■開催日時 2021年5月24日(月)18時45分~21時00分
■会場 WEB配信となります。
■詳細・お申込み https://hoiku.
コメント(2)
連休、こどもたちは、保育者は、保護者はどんな心持ちで過ごしているのかな?と考える機会となりました。慌ただしい4月、ようやくたどり着いた感の連休では無いでしょうか。ホッと出来るご褒美の時間。あれもこれもやり残していることをやりこなし、スタートラインに立てる!!私には大変有り難い連休です。
でも、園生活は子どもも大人も拘束されています。特に、長時間園で過ごすこどもたち。あれはダメ、コレもダメ、コレにして!!等保育者の都合に合わせた保育の多さに愕然。もう少し自由で選択肢のある生活を送らせてあげたい!!助けて下さい!!さく子先生!そんな心境になりました。
もうすぐ3歳になる孫ときゅうりの種を植えました。植え終わると「きゅうりどこ?」と聞かれて驚きました。種を植えたら、すぐにきゅうりができて食べられると思っていたのでしょう。経験から分かっている大人と経験のない3歳の思いのずれにハッとしてしまいました。その後、芽が出てすくすく伸びていくきゅうりの様子を毎日嬉しそうに教えてくれる姿に、経験すること、自分で気づくこと、感じることって大事だなぁと思っています。きゅうりができて食べられる日、孫はどんなことを感じ、どんな言葉を発するのか楽しみです。