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井上さく子先生の 子どもに学ぶ 21世紀型保育
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第69回
何があったの? 何にであったの?
井上 さく子

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ちょうど去年の今頃、
孫たちといっしょに出かけた夕方のできごとです。

雨上がりの夕方に、足元が薄暗いなか、先立って坂道を小走りに降りていく孫が、突然「ギャアー!」と、けたたましい声をあげて大泣き。
そのまま母親の元に飛び込んできました。

みんなも
「何があったの!?」
「何がおきたの!?」
「一瞬、どうした!?」
「どうしたの!?」と、孫の驚愕振りに言葉を失う程でした。

そして、奇遇にも、とき同じくして今年のできごとです。
同じ場所で、同じ孫が同じように心持ち弾ませて、一番に坂道を降りて行った先で、手にしていた傘を放り投げて「ギャアー!?」と泣き叫んで母親の胸に!

なんとそこに、大きなガマガエルが待ち構えていたのです。

そうとは知らずに、足取りも軽くルンルン気分で歩いていた先に、突然ガマガエルもびっくりしてピョンと跳んだ!?

きっと私でも腰を抜かしていたかも知れないと、孫の大泣きする様子を見て思いました。
母親は「びっくりしたよね! だいじょうぶ、だいじょうぶ」と、言葉こそ添えていましたが、本人にとっては何も「だいじょうぶ!」ではない。しばらく動揺がおさまりませんでした。

やっと気を取り戻して、私と手つなぎしながら坂道を降りていくと、
「そう言えばずっと前にもここであったね?」
「覚えているよ、ずっと前もここにいたね!」
「でも、どうしてここに出てきたんだろう?」
「どうしてここに住んでいるんだろう?」
「カエルって、みどり色のカエルとか、いろんな色のカエルがいるんだよね」

心持ちも穏やかに何事もなかったように、あれこれつぶやき始めてやれやれ...でした。

みなさまはこんなふうに聞かれたら、どんなふうに寄り添いますか?

ガマガエルのみならず、梅雨の時期を選んで生きて動き出す動植物たちが共存しています。

暮らしの中で共生、共存している生き物たちと遭遇すると、子どもたちは新たな出会いと発見をする機会になっていきます。

実は双子の孫たちは、蚊が飛んでいるだけで、「ムシムシむしがー!?」と怖がって逃げていきます。
こうして蚊に反応する訳ですから、ガマガエルがピョンと跳んだ瞬間は激震走る思いであったことが想定内にできます。

周りの大人たちは「だいじょうぶ!」と言いながら思わず笑ってしまうこともありますが、それさえも許せなくなってしまう子どもたちの心持ちいかに?

集団生活で私たち大人が気づけない、気づかない世界で大小問わず、こんなふうに生き物たちと出会い、興味や関心をもちながら、好きになったり、嫌いになったりとさまざまなプロセスを経て成長を遂げていることに気づかされた物語でした。

今は年長児の孫たちが、いつの時代から虫嫌いになったのかしら? と、ずっと気にかけていました。今でも気にかけています。

虫が嫌いな大人たちの空気を吸って感じたら、子どもたちも同じようになってしまうと思いませんか? 実は、そう言っている私も孫と同じ心境です。

我が家の裏庭を見にいったときに、全く孫の体験がコピーされたかのようなことがありました。

よかれと思って、植木をいじっていた私の目の前にガマガエルがちょこんと座ってこちらを見ていたのです。ここが『住処です』とばかりに動こうとしません。

以前は私も大騒ぎしていましたが、2回目は(みんな生きているんだよね!)という心持ちに...。

静かに騒ぎ? そうっとして置きました。
気がついたら、両腕に鳥肌が!?

孫たちが図らずも遭遇したガマガエルが、もしかしたら我が家の裏庭から、坂道を登っていく途中だったかも知れないと振り返えり、そのことは誰にも語らずにいます。(そんなことはない!? と、言われそうだから)

びっくり仰天する生き物たちとの出会いから、

生きていること
生きようとしていること
散歩したいこと
散歩していること
喉が渇くこと
水分が欲しくなること
雨上がりの後に水を探して散歩すること
数えきれない生きるための術を
自然とともに共生できているからこそ
体験できること

孫たちと共に過ごせたおかげで、生きること、生きていること、生きようとしていることの本物をこうした体験を潜らせながら生きる力にしていっほしいと願わずにはいられませんでした。

保育現場に擦り合わせたら、いかがでしょう?

命あるものの尊さをことばや図鑑で学ぶことより、
具体的な体験を通して『生きる力にしてほしい』と心から願います。


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