自然派育児とは?メリット・デメリットと後悔しない子育て方法
各家庭がさまざまな育児方法を取り入れる中で、「自然派育児」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。大切な子どものために、自然派育児を取り入れる家庭は増えています。
当記事では、自然派育児の特徴やメリット・デメリットなどを紹介します。一般的な育児観と異なるポイントの多い自然派育児に疑問や不安を感じる保護者も少なくありません。当記事を読んで、自然派育児への理解が深まり、家庭での育児方針とマッチするか見極める判断材料となれば幸いです。
自然派育児とは?自然派ママの特徴5選
自然派育児とは、子どもを自然な環境の中で育てるため、昔ながらの子育てを取り入れる方法です。一般的な育児とは異なる部分も多いため、興味はあっても何をすればいいのか分からないという人も多いでしょう。
ここでは、自然派ママの主な特徴を5つ紹介します。
無添加・無農薬の食品・製品を使う
自然派育児を取り入れる家庭では、無添加・無農薬の食品や製品へのこだわりが多い傾向です。育ち盛りの子どもにとって、食べ物は身体を作るための貴重な栄養資源です。保存料や着色料などの食品添加物が子どもの身体へ悪影響を及ぼすことを心配し、無添加・無農薬の食品にこだわりを持つ保護者は少なくありません。
市販の弁当やお菓子はもちろん、粉ミルクや白砂糖、化学調味料を避けるなど徹底した自然派育児を行う保護者もいます。また、食品だけでなくシャンプーやハンドクリームなど、身体に触れるものすべてに対して、無添加にこだわる家庭もあります。
オーガニック素材の衣類を着せる
オーガニック素材の衣類を子どもに着せることにこだわる自然派ママも少なくありません。最近では、豊富なデザインの子ども服が販売されていますが、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維を使用したものも多い傾向です。
自然派ママは子どもの肌に触れることを考え、子ども服はもちろん、タオルなどもオーガニック素材にこだわりを持っています。自然派ママでなくとも、肌が弱い子どもの場合は、リネンやコットンなどの素材で作られた子ども服を選ぶなどのこだわりを持っている場合があります。
おむつなし育児を取り入れる
自然派を推奨する家庭の中には、おむつなし育児を取り入れる家庭もあります。「おむつなし」と言っても、生まれたときからおむつを履かずに過ごすわけではありません。普段はおむつを履かせ、子どもの排泄のタイミングでおむつを取り、なるべくおむつの外で気持ちよく排泄させる方法です。
また、自然派育児を取り入れる家庭では、紙おむつの代わりに布おむつを使用する家庭も多い傾向です。衣類やタオルなどと同じく、化学繊維を使用して人工的に作られた紙おむつを避けるためという理由が挙げられます。
テレビやスマホなどの電子機器を避ける
自然派ママの中には、テレビやスマホなど電子機器の使用を避ける人も少なくありません。テレビやスマホなどの電子機器は、簡単に情報収集ができたり、楽しい動画が見られたりと便利なツールですが、子どもには必要のないものと判断する保護者がいます。特に、子ども時代を友達と公園などで楽しく過ごした保護者にとっては、子どもが電子機器を利用する必要性を感じられないでしょう。
また、電子機器から出る電磁波が、子どもの成長に悪影響となる可能性を心配し、電子レンジなどの電子機器を子どもから遠ざける保護者もいます。
子どもが病気の際は自然治癒に任せる
子どもが病気の際でも病院へ行かず、自然治癒に任せる方針の自然派ママもいます。病院に行かない理由として、人工的に作られた医薬品を子どもに使用したくないことが挙げられます。
自然派育児として、病院での治療だけでなく、子どもの予防接種を受けさせない人もいるでしょう。子どもは生後2か月くらいから、さまざまな感染症や病気を防ぐワクチンの接種が推奨されています。子どもが接種するワクチンは、有効性や安全性が証明されているものばかりですが、大人になってからの影響や副作用などを気にかける人も少なくありません。
自然派育児にこだわるメリット・デメリット
自然派育児を取り入れるメリットとして、保護者が子どものことを一番に考え、大切に育てていると胸を張れる点が挙げられます。食品添加物による健康への影響や、スマホ・テレビの見すぎは、メディアで取り上げられるほどの社会問題となっています。
自然派育児を行う上で有害だと考えるものを、子どもから退ける努力は簡単なことではありません。子どもの健やかな成長を願い、一生懸命育児に取り組むことで、親自身が後悔の少ない子育て経験を積めるでしょう。
ただし、自然派育児は夢中になりすぎてしまう場合があります。子どもへの制限が過度になったり、他の家庭へ干渉しすぎたりする恐れがあるため注意が必要です。周囲との調和を意識しつつ、適度に自然派育児を取り入れるとよいでしょう。
自然派育児で後悔しないための方法
自然派育児にはよい面もたくさんありますが、度がすぎると周囲や子どもに悪影響となる危険性があります。自然派育児にこだわりすぎて、結果的に後悔の残る子育てとならないようにしなければなりません。
ここでは自然派育児で後悔しないための方法を3つ紹介します。
自然派育児の考えを他人に押し付けない
自然派育児を取り入れている保護者の中には、「自然派育児の良さをもっと広めたい」と思う人も少なくありません。自然派育児のメリットや実際の取り組みを周りのママ友に話すことはよいのですが、他人の家庭に自然派育児の考えを押し付けている場合もあるため注意しましょう。
自然派育児をしていると、他の家庭の食事や使用しているシャンプー・衣類などが自然派育児の考えに反していることに、違和感を受ける可能性があります。他人の家庭の育児には他人の決めたルールや方針があるため、自分の思う自然派育児の考えと合わない場合は「そういった意見の人もいる」と軽く受け止めるようにするとよいでしょう。
臭いを指摘されたらシャンプーやリンスで洗う
自然派育児を取り入れる家庭では、人工的な添加物を排除するためシャンプーやリンスを使わずに、お湯だけで髪や体を洗う家庭が少なくありません。しかし、体質や生活習慣によっては、シャンプーなどを使用しないと頭の皮脂や汚れが取れず体臭につながる恐れがあります。
臭いが気になる場合は、無添加のシャンプー・リンスを使用するのがおすすめです。商品の成分表示を確認して、合成添加物量の少ないものを選びましょう。シャンプー・リンスに配合される成分として、界面活性剤の「ラウリル硫酸Na」、「ラウレス硫酸Na」などがあります。また、防腐剤の「パラオキシ安息香酸エステル」、「ブチルパラベン」、「プロピルパラベン」なども避けるとよいでしょう。
子どもが重篤な場合は病院に連れて行く
自然派育児を実践する家庭では、自然治癒を基本とし病院を頼らない家庭もありますが、子どもが重篤な場合は病院に連れて行くことも大切です。軽い風邪や虫さされ、湿疹などは時間とともに治ることもありますが、人間の自然治癒力には限界があります。子どもの症状が重い場合は、万一のことが起きないよう病院を受診するようにしましょう。
また、幼少期に接種するさまざまなワクチンについても、自然派育児の方針から打たない選択をする家庭が少なくありません。子どもが重大な病気にかかる前に、ワクチン接種や病院の受診について検討したり、自然派に理解がある病院を探したりするとよいでしょう。
まとめ
今回は、自然派育児の特徴やメリット・デメリットなどを紹介しました。自然派育児は子どもの成長にとってよいところがたくさんありますが、デメリットや気を付けるべきポイントもあります。すべてを自然派にするのではなく、程よく取り入れて育児を楽しみましょう。
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