園と家庭で見せる顔が全然違う子どもが発信するサインとは?

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園での様子を保護者に伝えたとき、「えっ! 家での姿とは全然違う!」「本当ですか? 家では考えられない!」といった反応をされることはありませんか? その一方で、保護者から「家ではこうなんですよ」と言われた姿と、園で見せる姿にギャップを感じることもあったりして……。今回は、「園で見せる顔」と「家庭で見せる顔」が全然違う子どもについて考えていきましょう。

「家の顔」と「園の顔」は違って当たり前

「園ではいい子にしていているのに、家では手がつけられないほどわがまま」
「家では好き嫌いばかりしているのに、園の給食は何でも食べる」
「家では親の言いつけを守っていい子にしているのに、園では先生の言うことを全然聞かない」

このように、「園と家では全然違うタイプになる子ども」は決して珍しくありません。どの子どもも、大なり小なり「家族に見せる顔」と「他人に見せる顔」は違っているものです。
とは言うものの、保護者や保育者が頭を悩ませてしまうほどのギャップがあるようでは困ってしまいますよね。また、家と園での様子があまりにも違う場合、子ども自身が何らかの問題を抱えているケースもあるため、周囲の大人は注意深く見守る必要があります。

心配なのは「家ではよい子・園ではモンスター」タイプ!?

では、具体的な例をあげながら、「園で見せる顔」と「家庭で見せる顔」が違う場合の対応策をみていくことにしましょう。

◎園ではよい子・家ではモンスター

「○○くん、いつもお友だちにやさしく接していますよ」と保護者に伝えると、「信じられない! 家では弟に意地悪してばかりなのに……」と驚かれた経験がある人も多いのでは? しかし、この場合はさほど心配する必要はありません。

園でおりこうにしているということは、子どもなりにがまんしたり、少し無理してがんばったりしている証。だからこそ、家では大好きなお母さんやお父さんに目一杯甘えて、受け入れてもらえる安心感を肌で感じたいのです。もし、保護者が心配しているようなら、「家が安心できる場所だからこそ、園で一生懸命がんばれるんですよ」と伝えつつ、心配無用であることを教えてあげましょう。

◎家ではよい子・園ではモンスター

一方で、園ではお友だちに意地悪をしたり、保育者に反抗的な態度ばかりとったりしているのに、家庭では保護者の言うことに従い、決して悪さなどしないというケースもあります。

子育てコンサルタントの泉河潤一さんは、著書『うちの子、どうして言うこと聞かないの! と思ったら読む本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の中で、こうしたケースについて「家庭でためたストレスを、保育園・幼稚園や学校で友だちにぶつけるなどトラブルメーカーになりがちな子どもは、家庭が安らぎの場になっていない」と指摘しています。

つまり、家では親に気をつかい、本音を言えていないということ。「あれをしてはだめ」「これをしてはだめ」という規制が多く、常にまわりの顔色を見ながら行動しているのかもしれません。もちろん、保護者に対してストレートに「お母さん、厳しすぎませんか?」と伝えることはできますが、「そんなことはありません。家ではとてもよい子です」と言い返される可能性大。まずは、注意深く見守っていく必要があるでしょう。

心配しすぎる保護者を安心させるには

ここまで、子どもたちの「園で見せる顔」と「家庭で見せる顔」について考えてきましたが、そもそも「保育者にとっての“気になる行動”は、保護者から見た子どもへの評価と必ずしも一致しない」ということについても、きちんと把握しておくべきです(逆に、「一般的な子どもらしい行動」だと保育者が評価していても、保護者が過度に反応して深刻な問題としてとらえてしまうこともあります)。

その点について、まずはこんな論文をご紹介しましょう。

保護者の子どもに対する献身的な愛情は、子どもの痛みを自分のことのように受け止めるという子どもへの一体感につながっていると考えられる。すなわち、我が子の、「さみしそうにしている」などの情緒的な問題に対しては、自分のことのように痛みを感じ、集団から孤立してしまう、というような子どもの困り事は、自分の痛みとして帰ってきてしまうのではないだろうか。そして、自分がわが子への愛情を与える役割を持っている母親にとっては、自分の愛情が足りなかったのではないか等、罪悪感すら感じてしまう。

引用:桜美林大学心理学研究(2014), 幼児期における子どもの気になる行動についてー保育者と保護者の認識の差異ー

つまり、愛する大事なわが子だからこそ、できない部分や集団になじめていない様子を過度に心配している、というわけです。ですから、まったく問題がないのに「うちの子は、ちゃんとできていないのでは?」と不安を感じている保護者に対しては、愛情深い親子関係がしっかりと築かれていることを肯定してあげるといいでしょう。

お友だちとトラブルを起こしがちな子、バランスよくみんなと関わっていける子——。どんな子どもにも得意不得意はあります。大事なのは、どの子も安心して楽しく過ごせる場所をつくってあげること。そして、保護者の不安を受け止めて理解してあげること。この二つを心に留めながら、子どもたちが見せるギャップに上手に対応していってくださいね。

文/保育ライター 野口 燈

[参考]

泉河潤一(2015),『うちの子、どうして言うこと聞かないの!と思ったら読む本』,ディスカヴァー・トゥエンティワン.
桜美林大学心理学研究(2014), 幼児期における子どもの気になる行動についてー保育者と保護者の認識の差異ー

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