好き嫌いの解決ポイントは、「豊かな食体験」と「食材を身近に感じられる習慣」にあり!

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好き嫌いせずに、何でも食べてくれるのが理想だけれど、現実は「あれ嫌い」「これ苦手」と残してばかり……。とくに自我が芽生えたての子どもたちは、大人の言うことを簡単に聞き入れてくれなくなるので、食事のたびに悪戦苦闘している人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、「子どもの好き嫌い」について、解決策も含めて考えていきましょう。

「食体験」の乏しさが子どもを野菜嫌いにする!?

保護者にとっても、保育者にとっても、子どもの好き嫌いにまつわる悩みは尽きません。あの手この手で嫌いなものを食べてもらうように努力しても、決して口にしようとせず、機嫌が悪くなったり、泣き出したり。それが毎日のこととなれば、疲れてしまうのも無理はありません。

さて、子どもが苦手とする食べ物の代表格といえば「野菜」ですが……。そもそも子どもたちの多くがなぜ野菜が苦手になるのか、ご存じですか? 日本食育協会の本多京子先生は、この点について次のように説明しています。

子どもは、自分がなにかに困ったり疑問をもったりしたときにはじめて、自分の力で考えようとするものです。目の前にあるうまくいかないことを解決しようとか、いくつかの選択肢からなにを選べばいいかとか、そういう場面が目の前にあらわれたときにはじめて、自分で考えようとするスイッチが入るのです。

引用:カゴメ株式会社「子どもの野菜に対する意識調査」

大人に比べて食体験が乏しい幼児は、初めて目にするものや馴染みのないものに対して警戒心を抱きます。だからこそ、普段から野菜を身近に感じてもらえるような工夫をすることが大事。給食以外の時間にも「食育」を意識して、“野菜に接する時間”を作ってあげれば、「この野菜、見たことあるな。ちょっと食べてみようかな」と一歩踏み出すきっかけになるかもしれませんよ。

保育園は大事な「食育」の場

ここで、食育を意識することの大切さについても少し触れておきましょう。2018年に改定された保育所保育指針において、これまでは福祉施設と位置付けられていた保育所が、重要な幼児教育の場でもあると明確に示されました。それにともない、食育の推進などに関する記載も、次のように見直されています。

各保育所は、保育の内容の一環として食育を位置付け、施設長の責任の下、保育士、調理員、栄養士、看護師等の職員が協力し、健康な生活の基本として食を営む力の育成に向けて、その基礎を培うために、各保育所において創意工夫を行いながら食育を推進していくことが求められる。

引用:厚生労働省 保育所保育指針解説

園によって食育への取り組み方には違いがありますが、子どもたちの食に対する意識を高めて健やかな成長を促すことは、保育者の重要な仕事のひとつ。保護者と連携しながら、園児一人ひとりに合わせた食の楽しさや、学びを提供することを目標にしましょう。

「何からはじめていいのかわからない」という場合は、内閣府の食育ガイドを参考にするのも手。「乳幼児期に大切にしたいのは『食べる意欲の基礎をつくり、食の体験を広げる』こと」と明記されているように、まずは「食べることって楽しい!」と思えるような雰囲気づくりからはじめてみるのもいいかもしれません。ただし、幼児期には心身の発育や歯の生え方によって、食べる機能に個人差が出やすいもの。決して無理強いせず、「好き嫌いや食べむらに関して大らかに受け止める」ということも忘れないでください。

好き嫌いを減らすために保育園でできること

続いては、子どもたちの好き嫌いを少しでも減らせるように、保育活動の中でできる工夫や声かけのコツを紹介します。

先に、「野菜を身近に感じてもらえるような工夫を」と書きましたが、そのための手段として、絵本や歌、手遊びに「食」を取り入れるのはいかがでしょう。子どもの好き嫌いをテーマにした絵本や、ごはんをパクパク食べる手遊び、野菜の歌など、楽しく食材を取り入れられる遊びはたくさんあるはず。普段からそうしたものに触れていれば、嫌いな食材だって“身近なもの”に感じられると思いませんか?

食育に熱心な園の中には、園庭の菜園で野菜を育てたり、畑の収穫活動を手伝ったりさせているところもありますが、そうした取り組みを行うのもいい方法です。野菜を育てたり、収穫したりする体験をとおして、食材や調理する人への感謝の気持ちや、食材を無駄にしてはいけないという気持ちが芽生えることでしょう。

また、「好き嫌いをなくす」という観点においては、食事をするときの環境も大きな影響を及ぼすといわれています。

幼児期の「食育」に関して、先行研究において保育施設で楽しく食事をしたという経験が大人になっての食事の楽しさに関係がみられることや、食事場面における保育者の存在や働きかけが子どもの食事量や嗜好性を増加させることが指摘されている。

引用:J-stage「保育所の給食場面における保育士の働きかけの特質」

たとえば、花を飾ってレストランごっこをしながら食べるなど、いつもとは違う雰囲気の中で食事をすることで、苦手なものも口にしやすくなるかもしれません。加えて、先生や友だちと一緒に過ごした楽しい食事の思い出が、子どもたちの食意識を高めるきっかけにもなるでしょう。

好き嫌いに悩む保護者へのアドバイス

子どもの偏食に悩む保護者はとても多いため、「先生、どうしたら好き嫌いなく何でも食べてくれるようになりますか?」と相談されることもよくあると思います。そんなとき、みなさんはどんなアドバイスをしていますか?

もし、苦手な食材を身近に感じる機会がなく、未知のものに対する拒否反応が好き嫌いの原因になっているようなら、一緒に買い物に行ったり、料理をしたりすることをすすめてみるといいでしょう。

「今日の夜ごはんに使うトマト、一番おいしそうなのを選んでくれる?」と子ども自身に選ばせれば、食材が身近に感じられますし、「自分で作った」という達成感があると、自然に「食べよう」という気持ちがわいてくるもの。積極的にお手伝いをさせてあげることが、好き嫌いをなくす「第一歩」になるかもしれませんよ!

文/保育ライター 野口 燈

[参考]

カゴメ株式会社「子どもの野菜に対する意識調査」
厚生労働省「保育所保育指針解説」
農林水産省「食育ガイド」
J-stage「保育所の給食場面における保育士の働きかけの特質」
LINK UP TOYO|子どもの好き嫌いはどうしたら克服できる?幼児期から始める食育のコツを専門家に聞いてみた

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