世界をリードする著名人たちが受けていた教育法——その秘密を解き明かしたドキュメンタリー映画『モンテッソーリ 子どもの家』がついに公開!

世界をリードする著名人たちが受けていた教育法——その秘密を解き明かしたドキュメンタリー映画『モンテッソーリ 子どもの家』がついに公開!

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幼児教育に携わる人だけでなく、今や一般的にも広く認知されるようになった「モンテッソーリ教育」。Amazonの創業者であるジェフ・ベゾスやGoogleの創業者ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツといった世界に名だたる企業の創業者たちをはじめ、日本では藤井聡太棋士が幼少期に受けていたことでも知られています。とはいえ、モンテッソーリ教育の具体的なメソッドや、子どもたちにどのような影響を及ぼすかなどについて、本当の意味で理解できている人は、まだそれほど多くありません。それもそのはず。日本では欧米に比べて、本格的にモンテッソーリ教育を取り入れている幼稚園や学校が少ないため、具体的な実践例が見えてこないのです。そんなモンテッソーリのメソッドを、ドキュメンタリーという手法を通じてわかりやすく教えてくれるのが、本作『モンテッソーリ 子どもの家』です。

<作品情報>
『モンテッソーリ 子どもの家』

監督・撮影・録音:アレクサンドル・ムロ
日本語吹替:本上まなみ/向井 理
2017年/フランス映画/105分/カラー/ビスタ/5.1ch/原題:Le maître est l’enfant/
英題:LET THE CHILD BE THE GUIDE/日本語字幕:星加久実/日本語字幕監修:田中昌子 大原青子
提供:スターサンズ、イオンエンターテイメント
配給:スターサンズ、イオンエンターテイメント
コピーライト: © DANS LE SENS DE LA VIE 2017
公式サイト:montessori-movie.jp
Twitter:@montessori_film
レイティング:G

<映画『モンテッソーリ 子どもの家』本編スペシャル映像>

子どもの視点からモンテッソーリの教育法を伝える画期的な作品

子どもは大人のように助け合うことはしません。それは「自分でやりたい」という相手の欲求を直感的に理解しているから。相手の気持ちを尊重しているのです。

本作の舞台はフランス最古のモンテッソーリ学校。そこに通う子どもたちの“2年3ヵ月”におよぶ学びの様子を記録(あるいは観察)した、ドキュメンタリー作品です。

この映画では、大きな事件やハラハラするようなトラブルなどは出てきません。ただ淡々と、一人ひとりがいかに「お仕事」に取り組んでいるか、どうやって問題を解決しているか、お友だちとどのように関わっているか、ということに焦点を当て、子どもが本来もつ「伸びる力」を引き出すための教育法を紹介していきます。

作品を手がけたアレクサンドル・ムロ監督は、自身の子どもの誕生をきっかけに、子育て法や教育に関心をもち、モンテッソーリの教育法にたどり着いたのだとか。そして、「モンテッソーリ教育をもっとよく知りたい」と思うあまり、国際モンテッソーリ協会の教師養成研修まで受けたというから驚きです。

そんなムロ監督は、時間をかけて子どもたちの教室での生活に溶け込み、忍耐強く子どもたちと向き合い、また子どもたちにとって撮影が刺激にならないように十分注意しながら撮影を敢行。その結果、子どもたちの飾り気のない自然な言動を映像に残すことに成功しました。

モンテッソーリの珠玉の言葉が、観る者の心に響いてくる

学校に通う子どもたちの「キラキラと輝く瞳」がとても印象的。子どもの能力が自然に伸びるように手助けするのが大人の役目だということを教えてくれる作品です。

モンテッソーリ教育は、1907年、ローマの貧しい地区に「子どもの家」という施設を開設したことからはじまります。イタリア初の女性医学博士であるマリア・モンテッソーリによって生み出された独自の教育メソッドは、そこから瞬く間に広がり、現在では世界でおよそ30,000もの学校で実践されているといいます。

モンテッソーリ教育では、普段の活動を「お仕事」と呼んでおり、子どもたちがお仕事を集中して行うための時間、環境をとても大事にしています。映画の中では、大きさの異なるピンク色のキューブを積み上げる「ピンクタワー」や、ボタンの留め方や紐の結び方を学べる「着衣枠」など、数や大きさの概念を身につけるものから、指先を上手に使えるように訓練できるものまで、さまざまな工夫がほどこされた教具がたくさん登場しますが、これらを使って行う作業はすべてお仕事。そして、そうした活動は、日常生活の練習であると同時に、読み書き、計算の能力にもつながるといわれており、“将来に役立つ力”を培うために行われています。

といっても、お仕事において大事なのは、教具を上手に使えるかどうかではありません。モンテッソーリ教育が大事にしているのは、お仕事に熱中し集中すること。子どもは細かい作業を求められると、時間を忘れて夢中になって取り組み、考えたり、選んだりしながら、行動するのもですが、そうした「集中現象」こそがモンテッソーリの教育の原点なのです。

また、映画では、モンテッソーリの著作をベースにしたナレーションが随所に使われていますが、そうした言葉の数々は、映像の中の子どもたちの真剣な眼差しや生き生きとした表情をさらに引き立てます。

——自由にやらせてみましょう。自立した行動ができるかどうかで、人生は変わります。
——大人は自分の理想を子どもたちに押し付けてしまいがちですが、ここでは環境を整えることで、自発的な成長を促すのです。
——教育に関する問題を解決するには、子どもではなく教育者が一歩踏み出す必要があります。何事も押しつけず、自主性を促します。子どもに対して上から物を言わず、謙虚であることが大切です。

教育者に対して、厳しくも優しさに満ちあふれたモンテッソーリの言葉は、現代を生きる私たちの心にもしっかりと響き、「教育とは何か」ということをしっかりと教えてくれます。

保育の現場に取り入れたいメソッドも盛りだくさん!

教師がまずすべきなのは、気移りしやすい子どもを集中させること。言葉でいうほどたやすくはありませんが、根気強く向き合えば、子どもは必ずこたえてくれます。

実際の保育の場面では、子どもたちは大人のいうことを素直に聞いてはくれません。ですから、この映画を観て「この子たちはもともと優秀で聞きわけが良くて、大人の指示が通りやすい特別な子どもたちなのでは?」と感じてしまう人も、少なからずいることでしょう。しかし、映画に登場する子どもたちをよく観察してみると? 集中できずにフラフラと歩き回ったり、お友だちが一生懸命取り組んでいることをじゃましたり、ちょっと意地悪をしてしまったりと、実に子どもらしい面を持ちあわせていることがわかります。

それなのに、モンテッソーリメソッドにのっとった環境で過ごすうちに、集中を持続させられるようになったり、年少の子に優しく教えてあげるようになったりと、子どもたちの能力や感性が自然と磨かれていって——。作品をとおして、そうした変化を目の当たりにしてしまうと、「保育や育児の現場にぜひとも生かしたい」と思わずにはいられません。

本作では子どもたちの成長がみられるだけでなく、モンテッソーリ教育のプロである先生の指導法を学ぶこともできます。たとえば、ちょっと教室内が騒がしくなってきたとき、先生は声を荒げたり、手を叩いて大きな音を出したりして子どもたちの注意をひくことはしません。そういうときの行動は「みんな聞いて」と呼びかけるだけ。それだけで、子どもたちがすっと静かになるのです。「なぜ、そんなことができるのか?」の説明は本作に譲るとして(ここでも「集中力」がポイントになっています)、教育者として、そして親としての学びがあちこちに散りばめられているので、そちらにもぜひ注目してください。

子どもを信じて見守ることは、簡単なようで難しいもの。保育者として自信を失いそうになったり、子どもたちとの向き合い方に悩んだりしたとき、この映画をみれば、前向きになれるヒントがきっともらえるはずですよ!

文/保育ライター 野口 燈

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