書籍紹介『乳児の発達と保育 遊びと育児』現場の経験をもとにまとめられた、子どもの発育と保育の教科書

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【ほいくらし本棚|オススメの1冊】『乳児の発達と保育 遊びと育児』(園と家庭を結ぶ「げんき」編集部)

はじめての育児や、保育士になりたてで小さな子どもたちに接するとき、「こんなときはどうしたら良いのだろう」と、とまどう場面も少なくありませんよね。発育には個人差があるものですが、「人が生まれて、育っていく過程」や、適切なサポートの基本を理解しておくことは、子育てや保育においてとても大事なこと。身につけておいて、決して損のない知識です。

そこで今回は、現場の保育者の経験をもとに、0〜3歳11ヶ月までの子どもの発育について、わかりやすくまとめられた1冊をご紹介しましょう。

子どもの成長をわかりやすく学べる2部構成

世の中には、育児に関する本が数多く存在し、たくさんの教育法であふれています。そうしたなかで、本書をピックアップした理由は、特別な育児法を指南するものだから……ではありません。本書のよさは、むしろその逆。対応に迷ったときに、「育児の基本」を確認し、頭のなかをニュートラルな状態に戻してくれる“育児・保育の辞書”ともいうべき存在なのです。

本書は第1部と第2部から構成されており、第1部では、「発育と保育の全体を見通して学ぼう」をテーマに、0歳から3歳11ヶ月までの遊び(具体的な行動や遊びの質、コミュニケーションレベルなどの成長過程)と育児(食事、排泄、睡眠、着脱の自立などの成長過程)の流れあるいは関係性を紹介。月齢を横軸、「遊び」「育児」の視点を縦軸にした“発達表”を効果的に使っているほか、事例写真も豊富に配置されているため、保育初心者の方でも、ひと目で発育の流れや保育全容のイメージが把握できるでしょう。

第2部は、第1部で示された遊びと育児の個々の要素(行動)についての解説となりますが、ここで取り上げられている月齢ごとの行動の数は、実に179パターン! 「あやされてよろこぶ」「抱っこされて安心する」「動くものを目で追う」から、「積み木遊びがひろがる」「認識力が高まる」「仲間関係の発達」まで、子どもの成長がとても細かく捉えられており、それぞれについての育児・援助について、一つずつていねいに解説されています。また、それぞれの行動には1〜179までの番号がふってあるため、知りたい項目が見つけやすいのも高ポイント。自分の現場の状況や興味・関心にあわせて、好きなところから読んでみるのもおすすめです。

一人ひとり違うからこそ、知っておくべき発育の基本がある

本書の冒頭では、こんな文章を使って「保育の本質」についても言及しています。


乳児保育においては「一人ひとりの『育ち』を大切にする」視点が大きな価値を持ちます。現場のクラスには、さまざまな月齢の子どもがいます。わずかな月齢の差でも、遊びの質、コミュニケーションのレベル、生活面の自立には大きな差があります。また、日々著しいスピードで成長して、昨日できなかったことが今日にはできるようになることもあります。そうした子どもたちが同じ空間で生活する中で、一人ひとりの子どもの発育を保障するのが、乳児保育実践の本質なのです。
引用:『乳児の発達と保育 遊びと育児』1ページより(園と家庭を結ぶ「げんき」編集部 編/エイデル研究所)

ここで伝えようとしているのは、「一人ひとりの違いに対応できるようになるためには、まず基本を知っておく必要がある」ということ。そして本書では、この点についてのアドバイス(=子どもたちの月齢による差を認識しながら、それぞれの意欲と自主性をできるだけ生かしてあげるためのアドバイス)が、いたるところにちりばめられています。

たとえば、「77 鼻水を拭いてもらう」(1歳6ヶ月頃)の項目では、拭き方のコツに加えて、子どもと保育者が信頼を深めていく過程において「いかに言葉が大事か」ということも解説。「鼻水が出ているよ、気持ちよくしようね」という声がけの例文に加えて、「顔に直接触れたり、子どもの動きを止める育児行為の場合は、必ず行為の前に言葉がけを行なって、子どもが納得してから行います」と紹介されています。

こうしたアドバイスに目を通していくと、「小さな行為にも必ず意味があるのだな」ということが再確認できるほか、さまざまな気づきに出会うことができるのではないでしょうか。

日々の慌ただしさやルーティーンに流されて、「日常的に起こるできごと」について深く考える時間が持てなくなっているかも——。そんなふうに感じたときこそ本書の出番! 何度も読み返して、保育の本質や子どもの発達についての理解を深めていってください。

ほいくらし本棚|オススメ一冊

『乳児の発達と保育 遊びと育児』

編集:園と家庭を結ぶ「げんき」編集部
出版社名:株式会社 エイデル研究所
2011年5月1日発売

文/保育ライター長野 真弓

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