【保存版】伝承遊び一覧|保育園で楽しむ遊びやわらべうたを年齢別に紹介

日本で古くから親しまれ続けている「伝承遊び」。子どもたちが何気なく楽しんでいる鬼ごっこや折り紙なども、伝承遊びのひとつです。しかし、いざ「伝承遊びを取り入れよう」と思っても、どのようなものがあるか悩んでしまう人も多いでしょう。そこでこの記事では、保育園で楽しむ伝承遊びを徹底解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
伝承遊びとは?保育園で取り入れるねらい
伝承遊びとは、古くから受け継がれている昔ながらの遊びです。大人から子どもへ、子どもから子どもへ伝えられ、長く親しまれ続けている遊びのことを指します。
保育園では、保護者といっしょに楽しめるよう「参観日」や、高齢者から直接遊び方を教えてもらえるよう「敬老の日の集い」などで多く取り入れられます。保育園で伝承遊びを取り入れるねらいは、以下のとおりです。
- 古きよき日本の文化や伝統を学ぶ
- コミュニケーション能力を培う
- 遊びをアレンジしながら創造力を育てる
伝承遊びは、おもに「手先を動かすもの」「体を動かすもの」「わらべうたを楽しむもの」に分類されます。子どもに与える効果も多いため、保育園でも積極的に取り入れたいですね。
手先を動かして楽しむ伝承遊び一覧
手先を動かして楽しむ伝承遊びには、以下のような種類があります。
- おはじき
- こま回し
- けん玉
- 福笑い
- 折り紙
- かるた
- 紙飛行機
- 竹とんぼ
- お手玉
- めんこ
- あやとり
それぞれ、遊び方やポイントを簡単にご紹介します。
おはじき
遊び方
- 並べたり触ったりして色や手触りを楽しむ
- 指ではじいて当たったおはじきを集める
- 数の概念を覚えるときに活用する
・小さいため誤飲に注意する
・ガラスのため割れないよう管理・点検を徹底する
こま回し
遊び方
- 紙皿やペットボトルのフタでこまを手作りする
- こまをどれだけ長く回せるか競争する
- こまを手に乗せて回すなどの技に挑戦する
・本格的なこまで遊ぶ場合はこま板やひもなどを用意する
・手作りこまは製作時間&遊ぶ時間を十分に確保する
けん玉
遊び方
- 紙コップなどでけん玉を手作りする
- 大皿や小皿に玉を乗せる
- 「もしかめ」のリズムで玉を連続で移動する
・本格的なけん玉は持ち方から覚える
・ひもや玉でケガをしないよう注意する
福笑い
遊び方
- 画用紙などでおたふくやひょっとこの輪郭・パーツを手作りする
- 目をつむって顔のパーツをそろえていく
- 周囲のお友だちが「ちがうよ!」などヒントを出す
・くり返し使えるよう厚紙で丈夫に作る
・最初は少ないパーツから慣らしていく
折り紙
遊び方
- さまざまな種類の折り紙から作りたいものに合った色を選ぶ
- 折り紙を折って作品を作る
・乳幼児は2~3回折りで完成するものにチャレンジする
・端と端をしっかり合わせられるよう伝える
かるた
遊び方
- かるたの札をバラバラに並べる
- 読み手が札を読みあげる
- ほかの人が読まれた札を探して取り、その枚数を競う
・ひらがなで書かれたわかりやすいものを選ぶ
・読み手はゆっくり聞き取りやすい声で読み上げる
紙飛行機
遊び方
- 好きな色の折り紙を選ぶ
- 紙飛行機を折る
- 広い場所で飛ばして遊ぶ
・折り方の種類がたくさんあるため簡単なものからチャレンジする
・危険がないよう同じ方向から飛ばす
竹とんぼ
遊び方
- ストローなどで竹とんぼを作る
- 両手で持ち、回転させながら飛ばす
- どこまで飛ばせるか競争を楽しむ
・危険がないよう広い場所でおこなう
・尖った先が目に刺さらないよう取り扱いに注意する
お手玉
遊び方
- はぎれや小豆でお手玉を手作りする
- お手玉を上に上げてキャッチする
- 両手での入れ替えにチャレンジする
・誤飲につながらないよう管理・点検を徹底する
・危険がないよう広い場所でおこなう
めんこ
遊び方
- 厚紙を加工してめんこを手作りする
- 地面に置いためんこに自分のめんこをたたきつける
- 相手のめんこを裏返せたら勝ち
・めんこを少し反らせるとひっくり返しやすくなる
・危険がないよう広い場所でおこなう
あやとり
遊び方
- 毛糸や手芸用のひもであやとりを用意する
- 指に通してさまざまな形を作る
・指先をうまく使える幼児期からがおすすめ
・まずは簡単な「ほうき」や「ひもぬき」からチャレンジ
体を動かして楽しむ伝承遊び一覧
体を動かして楽しむ伝承遊びには、以下のような種類があります。
- 凧あげ
- かくれんぼ
- けんけんぱ
- 鬼ごっこ
- だるまさんが転んだ
- ハンカチ落とし
- 竹馬
- 缶蹴り
- 竹ぽっくり
- 縄跳び
それぞれ、遊び方やポイントを簡単にご紹介します。
凧あげ
遊び方
- ビニール袋やストローで凧を作る
- 広い屋外で凧を飛ばす
- 誰が高く飛ばせるか競争する
・たこ糸が体や電線に絡まらないよう注意する
・危険がないよう風の様子に留意する
かくれんぼ
遊び方
- ジャンケンで鬼をひとり決める
- 鬼が目をつむっている間にほかの子どもが隠れる
- 鬼が隠れたお友だちを探す
・「もういいかい」「もういいよ」と大きな声で伝える
・隠れ鬼などのアレンジを楽しむ
けんけんぱ
遊び方
- 地面に丸をたくさん書く
- 1つの丸は片足で、2つ並んだ丸は「ぱ!」と両足で飛ぶ
- ゴールにたどりついたら次の人と交代する
・フラフープを使うとわかりやすい
・なるべく線を踏まないよう声をかける
鬼ごっこ
遊び方
- ジャンケンで鬼を決める
- 鬼が数を数えている間にほかの子どもが逃げる
- 鬼にタッチされたらその子どもが鬼になる
・危険がないよう広い場所でおこなう
・氷鬼、高鬼などのアレンジを楽しむ
だるまさんが転んだ
遊び方
- ジャンケンで鬼を決め、壁や木のそばに立つ
- ほかの子どもは離れたスタートラインに立つ
- 「だるまさんがころんだ」の合図の間にそっと鬼に近づく
- 動いているところを鬼に見られたら鬼と手をつないで待機
- 鬼が見ていない間に捕まった子どもの手を切って逃げる
- 鬼の「ストップ」のかけ声で止まる
- 鬼は決められた歩数で移動してタッチされた子どもと鬼を交代する
・地面が平らで安全な空間でおこなう
・逃げるときはお友だちを押さないよう注意する
ハンカチ落とし
遊び方
- ジャンケンで鬼を決めて円になって座る
- 鬼がハンカチを持って円の外を回り、お友だちの後ろにハンカチを落とす
- 落とされたことに気づいたら鬼を追いかける
- 鬼は追いつかれないようにお友だちがいた場所に座る
- 鬼が1周するまでにタッチできなければ鬼を交代する
・思いっきり走れるよう室内の環境に十分配慮する
・ルールを守れるよう声かけをおこなう
竹馬
遊び方
- 2本の竹馬に両足を乗せる
- バランスをとりながら前に進む
・慣れるまでは倒れないよう補助をおこなう
・倒れた竹馬でケガをしないよう間を開けて楽しむ
缶蹴り
遊び方
- ジャンケンで鬼を決めて空き缶を蹴り飛ばす
- 鬼が空き缶を拾って元の位置に戻るまでにほかの子どもは物陰に隠れる
- 鬼はお友だちを見つけて「〇〇ちゃん見つけた」のかけ声で空き缶を踏む
・空き缶を人に向かって蹴らないよう注意する
・ボールでも代用できる
竹ぽっくり
遊び方
- ヒモを引っ張りながら土台に両足を乗せる
- ヒモを引き上げながら足を上げて歩く
・「缶ぽっくり」「パカポコ」とも呼ばれる
・自由に歩き回ることでバランス感覚を養える
縄跳び
遊び方
- 1本の縄を両手で持ち縄をくるっと回す
- 回ってきた縄を両足で飛び越える
・ひとりでも、大人数でも遊べる
・電車ごっこや大縄跳びなどのアレンジを楽しむ
わらべうたを楽しむ伝承遊び一覧
わらべうたを楽しむ伝承遊びには、以下のような種類があります。
- はないちもんめ
- あんたがたどこさ
- かごめかごめ
- なべなべそこぬけ
- あぶくたった
- おしくらまんじゅう
- ちゃつぼ
- おせんべやけたかな
- いっぽんばしこちょこちょ
- いとまき
- おちゃらか
- げんこつやまのたぬきさん
- むすんでひらいて
それぞれ、遊び方やポイントを簡単にご紹介します。なお、伝承され続けるうちに、地域ごとに歌詞に違いがうまれています。ここでは、一例をご紹介します。
はないちもんめ
歌詞
かってうれしいはないちもんめ
まけてくやしいはないちもんめ
となりのおばさん ちょっときておくれ
おにがこわくていかれない
たんすながもちどのこがほしい
どのこじゃわからん
そうだんしましょ そうしましょ
遊び方
- 2グループに分かれて手をつないで向かい合う
- 歌に合わせて前に進んだり後ずさりしたりする
- 「〇〇ちゃんがほしい」と指名された子ども同士がジャンケンする
- 負けたら勝ったグループに移動する
あんたがたどこさ
歌詞
あんたがたどこさ ひごさ ひごどこさ
くまもとさ くまもとどこさ せんばさ
せんばやまには たぬきがおってさ
それをりょうしが てっぽうでうってさ
にてさ やいてさ くってさ
それをこのはで ちょいとかぶせ
遊び方
- 歌を歌いながらボールをつき「さ」のところで足をくぐらせる
- 地面に描いた円のなかを飛び「さ」のところで異なる円に移動する
- お手玉を手に持って輪になり「さ」のタイミングで隣の人に渡す
かごめかごめ
歌詞
かごめ かごめ
かごのなかのとりは
いついつであう
よあけのばんに
つるとかめがすべった
うしろのしょうめんだあれ
遊び方
- ジャンケンで鬼を決める
- 鬼は目を閉じて座り、鬼を囲うように円になって手をつなぐ
- 歌を歌いながら鬼の周りを回り「うしろのしょうめんだあれ」で鬼が名前を当てる
なべなべそこぬけ
歌詞
なべなべそこぬけ
そこがぬけたら かえりましょ
遊び方
- 2人組で手をつないで向かい合う
- 歌をうたいながら両腕をゆらゆらさせる
- 「かえりましょ」で手をつないだまま背中合わせになる
- くり返して今度は元に戻る
あぶくたった
歌詞
あぶくたった にえたった
にえたか どうだか たべてみよ
むしゃむしゃむしゃ まだにえない
あぶくたった にえたった
にえたか どうだか たべてみよ
むしゃむしゃむしゃ もうにえた
ごはんをたべて むしゃむしゃむしゃ
おふろにはいって ごしごしごし
おふとんしいて ねましょ
トントントン なんのおと?(おばけのおと!)
遊び方
- ジャンケンで鬼を決める
- 鬼は目を閉じて座り、鬼を囲うように円になって手をつなぐ
- 歌を歌いながら鬼の周りを回り「おばけのおと」で逃げて鬼ごっこをする
おしくらまんじゅう
歌詞
おしくらまんじゅう おされてなくな
あんまりおすと あんこがでるぞ
あんこがでたら つまんでなめろ
遊び方
- 背中合わせで円になり、隣同士で腕をくむ
- 歌いながら中心に寄るようにぶつかる
ちゃつぼ
歌詞
ちゃちゃつぼ ちゃつぼ
ちゃつぼにゃ ふたがない
そこをとって ふたにしろ
遊び方
- 左手を茶つぼに見立ててにぎり、右手でふたをする
- 歌に合わせて右手を底にしたり、右手を茶つぼに変えたりする
おせんべやけたかな
歌詞
おせんべやけたかな
もうやけた むしゃむしゃむしゃ
遊び方
- 輪になっておせんべいに見立てた手を前に出す
- 歌に合わせてみんなの手を指差す
- 最後の「な」が当たった手をひっくり返す
- 2回当たったら焼き上がりで後ろにひっこめる
- 最後まで焼きあがらず手が残った人が負け
いっぽんばしこちょこちょ
歌詞
いっぽんばし こちょこちょ
たたいて つねって
かいだんのぼって こちょこちょこちょ
遊び方
- 子どもの腕を橋に見立てて人差し指と中指で歩く
- たたいたりつねったりして、最後は体をくすぐる
いとまき
歌詞
いとまきまき いとまきまき
ひいてひいて トントントン
いとまきまき いとまきまき
ひいてひいて トントントン
できた できた
こびとさんの おくつ
遊び方
- 両手をグーにして胸の前でグルグル糸を巻くマネをする
- 「ひいて」で腕を左右に引いて、拳を合わせて「トントン」する
- 「できた」で拍手をして、両手でできあがった靴を差し出す
おちゃらか
歌詞
おちゃらか おちゃらか おちゃらかホイ
おちゃらか かったよ/まけたよ/あいこで
おちゃらかホイ
遊び方
- 2人で向かい合って手のひらを合わせる
- 歌に合わせてお互いの手のひらを交互に叩く
- 「ホイ」でジャンケンする
- 勝ち・負け・あいこに合わせてポーズを繰り返す
げんこつやまのたぬきさん
歌詞
げんこつやまの たぬきさん
おっぱいのんで ねんねして
だっこして おんぶして またあした
遊び方
- 歌に合わせて動作を楽しむ
- 「またあした」でジャンケンする
いとまき
歌詞
むすんで ひらいて てをうって むすんで
またひらいて てをうって そのてをうえに/したに
遊び方
- むすんで(手をにぎる)ひらいて(手をひろげる)うって(手をたたく
まとめ
古くから遊び継がれてきた伝承遊び。単純で親しみを感じるものが多く、子どもたちに人気のあるものばかりです。なかには「言葉の意味がわからないけどおもしろい!」というものも。伝承遊びは、古きよき日本の文化や伝統を学ぶよい機会です。ぜひ取り入れてみてくださいね。