【技一覧】パラバルーンとは? 取り入れるねらいや指導方法を解説

大きくカラフルなパラバルーンは、運動会や発表会などの出し物にピッタリ。動かし方によって、たった1枚の布がさまざまな形に変身します。子どもたちが協力しながら技を成功させる姿は、とても見栄えがよく感動するものです。そこでこの記事では、パラバルーンの指導方法や技の種類をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
パラバルーンとは?
パラバルーンとは、円盤のような大きな布のことです。赤色や青色、緑色、黄色などカラフルな見た目が特徴的で、風船やパラシュートのような見た目から「パラバルーン」と呼ばれています。布の端を持ち、大きく持ち上げたり下げたりすることで、形の変化を楽しみます。
パラバルーンの大きさはさまざまで、家庭で遊べるような小さなサイズから、クラスみんなで楽しめるような大きなサイズまで販売されています。持ちやすいよう、パラバルーンの端にハンドルがついているものもあるため、購入の際はそのようなポイントも意識してみましょう。
対象年齢はとくに決まっていませんが、大きなパラバルーンであればある程度の力も必要となるため幼児クラスにおすすめです。1~3歳児は、広げたパラバルーンの下にもぐったり、上に乗って遊んだりするのがおすすめです。
パラバルーンを取り入れるねらい
保育園でパラバルーンを取り入れる際は、子どもの成長を促すためにねらいを意識しましょう。指導案に記載するねらいの一例は、以下のとおりです。
- お友だちと協力して演技する楽しさを味わう
- 曲に合わせて身体を動かしリズム感を養う
- さまざまな技を完成させることで達成感を得る
- 大人数で動きを合わせることで協調性を育む
- パラバルーンを動かすなかで運動能力を向上させる
- 身体全体を使って表現する楽しさを味わう
子どもたちに合ったねらいを決め、練習から本番までそのねらいを意識して取り組みたいですね。
パラバルーンの導入方法
パラバルーンに初めてチャレンジするときは、その大きさにビックリするかもしれません。まずは慣れるところから、以下のように導入してみましょう。
パラバルーンに慣れる
まずは、用意したパラバルーンの色を確認してみましょう。広げたパラバルーンの上に座って、保育者が示す色の上に移動するゲームを取り入れるのもおすすめです。また、下にもぐって反対側へとおり抜ける遊びも盛り上がります。
小さなパラバルーンで遊ぶ
パラバルーンに慣れたら、実際に動かして遊んでみましょう。とはいえ、慣れないうちは、大きなパラバルーンを扱うのはとても大変です。できれば、1グループ4~5人程度で小さなパラバルーンを持って遊びます。そのような場合は、開いて繋ぎ合わせたカラーポリ袋でも代用可能です。お友だちと同じように動かし、空気が入ると膨らむことを実感します。
大人がパラバルーンの技を見せる
小さなパラバルーンに慣れてきたら、大きなパラバルーンにチャレンジしてみます。まずは、大人が見本となる動きを見せるのがポイントです。大人に集まってもらい、ピンと張ったかっこいいパラバルーンや、ふわっと膨らむかわいいパラバルーンを見せてあげましょう。「やってみたい! 」「できるかな? 」など、子どもたちの興味・関心を引き出せたら、持ち方や動き方の指導に入ります。
パラバルーンの技一覧
パラバルーンを持つときは、親指が下でほかの指は上からかけるようにするのが基本です。それぞれ子どもたちが持つ場所を覚えられるよう、目印をつけてあげましょう。持ち方や立ち位置に慣れたら、いよいよ技を覚えていきます。ここからは、パラバルーンを使った簡単な技から、応用編の難しい技まで順に紹介していきます。
おせんべい
①パラバルーンを囲うように配置につく
②パラバルーンを両手で持って自分の体の方へ引っ張る
③全体を「ピンッ」と張らせておせんべいのような状態にする
小波
①パラバルーンを囲うように配置につく
②パラバルーンを両手で持ってその場でしゃがむ
③上下に小刻みに揺らして小さな波を立てる
大波
①パラバルーンを囲うように配置につく
②パラバルーンを両手で持つ
③上下に大きく揺らして大きな波を立てる
横波
①パラバルーンを囲うように配置につく
②パラバルーンを両手で持ってその場でしゃがむ
③左右に大きく揺らして横揺れの波を立てる
行進
①パラバルーンを囲うように配置につく
②パラバルーンを左手で持って前を向く
③パラバルーンを張ったまま同じ速度で行進する
テント
①おせんべいの形を作る
②保育者がパラバルーンの中に入って中心部を高く上げる
③子どもたちはしゃがんでパラバルーンを抑えてテントの形にする
飛行機
①行進の形を作る
②右手を大きく開いて指先をピンッと伸ばす
③パラバルーンを張ったまま同じ速度で行進する
メリーゴーランド
①飛行機の形を作る
②保育者がパラバルーンの中心に入り両手を上げる
③保育者を軸にメリーゴーランドのようにクルクル回る
ポップコーン
①大波の形を作る
②保育者がパラバルーンの上にカラーボールを投げ入れる
③大波でカラーボールをポップコーンのようにはじく
花火
①丸めたカラーアルミにキラキラテープを巻いて花火の元を作っておく
②おせんべいの形を作る
③保育者がパラバルーンに花火の元を投げ入れる
④合図に合わせてパラバルーンを一気に持ち上げて花火を散らす
シーソー
①事前に半円ごとにグループ(①②)を作っておく
②おせんべいの形を作る
③保育者の合図に合わせてグループ①がパラバルーンを下げるようにしゃがむ
④同時に、グループ②は手を勢いよく上に上げる
⑤次の合図で動きを交代してパラバルーンを左右に上げ下げする
帽子
①おせんべいの形を作る
②合図に合わせて空気を含むように中心に集まる
③次の合図でパラバルーンに背を向けて端を踏むように座る
④パラバルーン内に空気を閉じ込めて帽子のような形にする
きのこ
①おせんべいの形を作る
②合図に合わせて空気を含むように中心に集まる
③次の合図でパラバルーンの中に入り端を踏むように座る
④パラバルーン内に空気を閉じ込めてきのこのような形にする
花
①パラバルーンを囲うように配置につく
②保育者が広げたパラバルーンの上に座る
③子どもたちは合図に合わせてパラバルーンを持ち上げて花びらのように開く
ドーナツ
①花の形を作る
②パラバルーンを持ち上げて空気を含みながらすぐに下げる
③保育者を中心にドーナツのように膨らます
ロケット
①おせんべいの形を作る
②合図に合わせてパラバルーンを高く上げてそのまま中心に向かって走る
③縦長に膨らんだパラバルーンをロケットに見立てる
かくれんぼ
①広げたパラバルーンの上に乗り、中心に背を向けて立つ
②内側からパラバルーンの端を持って顔が隠れるまで持ち上げる
③合図に合わせて顔を出したり隠したりする
パラバルーンの指導方法
ただ子どもたちが楽しむ活動として取り入れる場合は問題ありませんが、パラバルーンを運動会や発表会で披露するとなると、準備&指導することが多数…! 本番までスムーズに練習できるよう、指導の際は以下のような流れを意識してみましょう。
演技で使う曲を決める
子どもたちがパラバルーンを楽しめるようになったら、どんな曲を合わせたいか選んでいきます。曲を選ぶときは「演技を披露する季節は? 」「出番の長さは? 」「ほかのクラスはどんな曲を使う? 」など、さまざまな背景を考慮しましょう。曲の速さは、行進で歩くくらいがベスト。速すぎても遅すぎても、合わせにくくなるため注意しましょう。
技や全体の流れを考える
使用する曲を選んだら、取り入れる技や流れを考えます。技を成功させるまでのカウントを書き出し、歌詞と合わせていきます。まずは簡単な技から入り、序盤で一気に大技へ移行することで見ている人を魅了できます。そのあとは、再度簡単な技に戻ってから徐々に難易度を上げていき、最後に決め技を入れると見応えのある流れになるでしょう。
子どもの並び順を決める
練習の早い段階で、子どもたちの並び順を決めておくことも大切です。途中で場所が変わると、混乱してしまうため注意しましょう。背の順に並べてしまうと、クラスで一番小さな子と大きな子が隣同士になってしまいます。高低差があるとパラバルーンが手から離れてしまうため、バランスよく振り分けていきましょう。
基本の動作を繰り返す
パラバルーンの持ち方や動き方に慣れるよう、まずは基本の動作を繰り返します。そこで、親指が上になっている子どもがいたら、声をかけて直していきます。何度も繰り返すことで、バルーンの張り方や動くテンポを体で覚えていきましょう。
カウントに合った動きを確認する
基本の動作に慣れたら、保育者のカウントに動きを合わせられるよう練習します。8拍子をくり返し、次第に子どもたちが自分でカウントを取れるように誘導してみましょう。みんなで声を出すことで、より一体感が増します。
曲に合わせた動きを意識する
カウントに合った動きができるようになれば、曲に合わせて演技してみましょう。まずは一節ずつ、区切りをつけて練習していきます。慣れるまでは曲といっしょにカウントを取ります。うまくできない箇所があれば、個別に練習したり、早い段階で流れを見直したりしてもよいでしょう。
パラバルーンの動きを見せ合う
ある程度パラバルーンの演技が形になってきたら、2つのグループにわかれて動きを見せ合ってみます。客観的に見ると、どのような動きがかっこいいか目で見て感じられます。ビデオで撮影してみてもいいですね。
まとめ
この記事では、パラバルーンの指導方法や、さまざまな技の種類をご紹介しました。カラフルで鮮やかなパラバルーンは、見栄えもよく人気の出し物です。簡単な技であれば、数回の練習で形になるでしょう。もちろん、遊びの一環として取り入れるのもおすすめです。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
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保育士経験を活かし、季節の行事に家族で手作りの飾りつけを楽しむのが趣味。
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