愛鳥週間とは?由来や目標、日本の野鳥についても紹介!

愛鳥週間とは?由来や目標、日本の野鳥についても紹介!

日本には数多くの行事や記念日があり、中には自然環境保護や動物愛護にまつわるものも少なくありません。そのうちの1つである「愛鳥週間」について、鳥に関連する行事とは知っているものの、どのような活動が行われるかがわからない方も多いでしょう。

この記事では、愛鳥週間について時期や意味・由来などの基本情報から、日本に生息する鳥の種類、子どもと一緒に愛鳥週間を楽しむアイデアまでを詳しく解説します。愛鳥週間についての知識とともに、身近な動物である鳥への理解を深めたい方はぜひご一読ください。

1. 愛鳥週間とは?愛鳥週間の意味・由来を解説!

愛鳥週間とは、日本鳥類保護連盟によって野鳥を含む自然環境に関する知識の普及・啓発のために設けられた期間です。毎年5月10日から同月16日までの1週間と定められており、別名「バードウィーク」とも呼ばれます。

(引用:公益財団法人 日本鳥類保護連盟「愛鳥週間「全国野鳥保護のつどい」」/https://www.jspb.org/tsudoi2022

愛鳥週間は、バードウォッチングや自然観察会などさまざまなイベントが開催されることで有名です。また、愛鳥週間用ポスターコンクールなどを開催し、全国の小中高校から作品を募集し、入賞作品を翌年のポスターに使用するなどの取り組みも行われています。

1. 愛鳥週間の由来

愛鳥週間が定められるまでには、次のような経緯がありました。

1894年アメリカで4月10日をバードデーに制定したことに始まり、日本でもアメリカにちなんで1947年に4月10日をバードデー(愛鳥の日)に定めました。しかし、4月10日は北の地方ではまだ積雪があるため、野鳥がより活発で、人々も活動しやすい時期にしようと5月にずらす運びとなりました。さらに、運動拡充のために1950年に5月10日から同月16日までの1週間を「愛鳥週間(バードウィーク)」と定めました。

愛鳥週間が目指すものは以下の通りです。

愛鳥週間では、野鳥とそれを取り巻く自然環境について、現状を正しく理解し、野鳥保護と自然環境及び生物多様性の保全の重要性を普及啓発するとともに、保護・保全に向けた行動を起こすことにより、野鳥を含む自然環境と私たち人類が共生できる社会の実現を目指しています。
(引用:公益財団法人 日本鳥類保護連盟「愛鳥週間「全国野鳥保護のつどい」」/https://www.jspb.org/tsudoi2022/2022/09/21)

2. 子どもに伝えたい!日本の鳥について

日本にはハト・スズメ・カラスなど人間と近い場所で暮らす鳥のほか、自然の中に生息する鳥も多く存在します。

「どのような鳥が○種類いる」といった情報を伝えると、自然に関する知識だけでなく、数の概念への理解を深められるというメリットがあります。愛鳥週間には、子どもに日本の鳥について伝えてみてはいかがでしょうか。

1. 日本に生息する鳥は約600種

地球上には約10,000種類の鳥が生息しており、そのうち日本で確認されている鳥は約600種と言われています。この中には、日本で一年中暮らす鳥「留鳥」だけでなく、渡り鳥も多く含まれます。細長い形状の日本には渡り鳥が多く、越冬のために渡来する鳥や、繁殖のために渡来する鳥、一時的に立ち寄る鳥などさまざまです。

2. 日本固有種の鳥は15種

日本に生息する鳥の中には「日本固有種」も存在します。日本固有種とは、日本のみに生息する「留鳥」で、かつ独立した種を指す言葉です。

日本固有種の鳥は次の通りです。

アオゲラ・ルリカケス・アカコッコ・アカヒゲ・アマミヤマシギ・ノグチゲラ・メグロ・ヤマドリ・ヤンバルクイナ・カヤクグリ

さらに2021年には次の5種が追加されました。

キジ・オガサワラカワラヒワ・オリイヤマガラ・リュウキュウサンショウクイ・ホントウアカヒゲ

上記には、日本の国鳥でもあるキジも含まれています。これまでは、大陸にいるコウライキジの仲間とされてきたものの、近年の研究で遺伝子情報の違いが発見され、固有種としての認定に至りました。

3. 絶滅の恐れがある鳥たち

日本に暮らす鳥の中には、絶滅の危機に瀕しているものもいます。現在98種類の鳥類が絶滅危惧種に指定されており、生息環境の保護や個体数把握、人の手による保護などの対策が打たれています。

以下は、絶滅が危ぶまれる鳥の一例です。

タンチョウ・シマアオジ・オオジシギ・マナヅル・オオワシ・シマフクロウ・トキ

上記のうち、トキは野生では全滅しており、現在は新潟県や石川県で繁殖活動が行われています。

3. 【保育士・保護者向け】子どもと一緒に愛鳥週間を楽しむアイデア

鳥は身近な動物であり、生活圏でも観察できるほか、ペットとして飼われていたり、キャラクターとして愛されたりと、子どもたちにとっても親しみ深いと言えるでしょう。愛鳥週間には、子どもたちと一緒に改めて「鳥」について考えてみてはいかがでしょうか。

以下では、保育所や家庭で取り入れやすい愛鳥週間を楽しむアイデアを紹介します。

1. どんな鳥を知っているか考えてみる

手軽にできるアイデアとして、鳥について考え話し合うことが挙げられます。子ども一人ひとりに知っている鳥について聞き「どんな鳥?」「どんな色?」「どんな鳴き声?」など知っていることを話してもらうとよいでしょう。

しかし、子どもに親しまれている鳥にも限りがあります。その場合は、子どもの興味を引くような珍しい見た目の鳥や珍しい鳴き声の鳥などを紹介することがおすすめです。「どんな鳴き声だと思う?」「この鳥に名前をつけるとしたらどんな名前にする?」などと質問すると、想像力を働かせながら鳥や自然に興味を持ってもらうきっかけとなります。

また、年長児には「鳥さんの住む山がなくなるとどうなる?」など、鳥が生息する自然環境などについての踏み込んだ質問をするとよいでしょう。

3-2. バードウォッチングを楽しむ

お散歩中や室内でバードウォッチングを楽しむのも1つの手です。園庭の木に集まる鳥を観察したり、あらかじめ巣箱や餌などを用意して鳥を呼び寄せたりするとよいでしょう。

以下は、巣箱や餌を使った室内からのバードウォッチングの方法です。

巣箱や餌を用意する
巣箱や餌を、室内からある程度離れた場所に設置する。鳥によって好む餌や巣箱の種類が異なるため、
あらかじめ近隣に生息する鳥について先生や保護者が調べておく。巣箱づくりに取り組んでもよい。
室内で待機する
日々の活動や、鳥にまつわる活動を行いながら鳥が来るのを待つ。
子どもが外に出ると、鳥が逃げてしまう恐れがあるため、室内で過ごすことがおすすめ。
鳥が訪れたら観察する
鳥が訪れたら、観察を始める。先生が先に見つけても、子どもに見つけさせるよう促すことで場を盛り上げられる。
子ども用の双眼鏡などを使用するのもおすすめ。
スケッチする・図鑑で調べる
鳥を観察した後、または観察しながら、鳥の絵を書いたり、図鑑で鳥の種類を調べたりすると、
子どもがより鳥や自然観察に興味を持つきっかけとなる。

自宅・施設を問わず、餌や樹木などに鳥を呼び寄せる時は、近隣の迷惑とならないよう、設置場所などを配慮しましょう。

3. 鳥にちなんだ制作をする

鳥にちなんだ制作・工作を行うことで、手先を使いながら、鳥に関する知識を深めたり、創造性を育んだりすることができます。

以下では鳥にちなんだ制作の例を紹介します。

カラフル鳥のリサイクル工作の材料

  • トイレットペーパーの芯1本
  • 画用紙
  • 折り紙
  • ハサミ
  • のり
  • クレヨンまたはペン

作り方

(1)

トイレットペーパーに好きな色の折り紙を貼り付け、はみ出た部分を切り取る

(2)

筒の片側に切り込みを入れ、鳥の尾を作る

(3)

色とりどりの折り紙をちぎって羽を作る

(4)

画用紙を三角形に切り取り、くちばしを作る

(5)

尾の反対側にくちばしを貼り付ける

(6)

筒部分に羽を貼り付ける

(7)

最後に目を書き入れる

上記では、子どもがそれぞれ好きな色で自由に鳥を作ることができます。糸で吊るしたり、壁に貼ったりして飾ることもおすすめです。

まとめ

愛鳥週間は、日本鳥類保護連盟によって5月10日〜同月16日の期間と定められています。野鳥と野鳥を取り巻く自然環境についての啓発を目的としており、全国各地でさまざまなイベントが開催されています。

愛鳥週間には、子どもたちとともに日本に暮らす鳥や、絶滅の恐れがある鳥などについて一緒に学ぶことがおすすめです。保育所などでは、鳥について話す機会を設けるほか、バードウォッチングや鳥にまつわる制作などを行えば、子どもにより興味を持ってもらえるでしょう。

「ほいくらし」では施設や家庭での保育に関する、さまざまな情報を紹介しています。「愛鳥週間」以外にもさまざまな行事や記念日について掲載しているため、ぜひ参考にしてください。

※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています

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