お盆の意味とは?時期や風習、子どもと楽しむ制作を紹介!

お盆の意味とは?時期や風習、子どもと楽しむ制作を紹介!

お盆と聞くと、「数日間のまとまった休日・休暇」としてお盆休みを思い浮かべる方も多いでしょう。実際にお盆期間は、学生にとっては夏休み中の長期休暇、社会人にとっては数日間~1週間程度のまとまった休暇となるケースがほとんどであり、旅行や遊びを楽しめる行事としても知られています。

しかし、小さな子どもに「お盆って何?」と聞かれても、具体的に、かつ分かりやすく答えられる方は少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、お盆の意味やお盆にまつわる風習・慣習を挙げながら、お盆の基礎知識を詳しく説明します。最後に、保育士の方や保護者の方に向けて、子どもとともにお盆を楽しむためのアイデアもいくつか紹介しているため、ぜひご一読ください。

1. お盆とは?お盆の意味と時期を解説!

お盆とは、あの世から一時的に戻ってきたご先祖様の霊を家族とともに迎え入れ、感謝の気持ちを伝えて供養するという、祖霊信仰が結びついてできた行事です。

また、「お盆」という名称は新聞やニュースでも伝えられていますが、実は正式名称ではありません。お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」であり、あくまでお盆は盂蘭盆会の略称となります。

盂蘭盆会の由来は明確に判明されていないものの、サンスクリット語の「ullambana(ウランバナ)」が語源であるという説が最有力です。ullambanaを日本語に翻訳すると「倒懸」で、苦悩の境涯に落ちた人間の苦しみが、逆さ吊りにされるほどの苦痛であることを意味します。転じて、お盆は苦しい世界に渡ったご先祖様を救うための法要とされました。

1. お盆はいつ?

お盆の時期は、地域によって異なることが特徴です。日本では、一般的に毎年8月13日~8月16日の4日間とされていますが、かつてのお盆は旧暦の7月13日~16日でした。新暦では、8月中旬~9月初旬あたりを指します。

全国的には8月15日を中日とした4日間がお盆期間となりますが、現在でも一部で7月13日~16日をお盆とする地域もあります。例として、東京都では一部地域を除いて7月15日を中心にお盆が行われます。

また、親族一同が揃う日程やお寺の都合によって前後するケースがあることも覚えておきましょう。

2. 新盆(初盆)とは?

お盆とよく似た言葉として、「新盆(初盆)」が挙げられます。読み方は「しんぼん・にいぼん(新盆)」・「ういぼん(初盆)」です。地域によって読み方が異なるだけで、意味に違いはありません。
新盆(初盆)は、一般的なお盆と同様、亡くなったご先祖様を迎え入れる行事ですが、「四九日の忌明けを過ぎてから初めて迎えるお盆」となります。故人の魂が初めて自宅に戻る日となるため、普段のお盆よりも丁寧にお迎えの準備をすることが一般的です。なお、四九日内にお盆を迎える場合は、翌年が新盆(初盆)となる点も覚えておきましょう。

2. 子どもに伝えたい!お盆にまつわる風習・慣習

お盆には、ご先祖様を迎えるためにもさまざまなマナーや風習・慣習があります。子どもたちに正しい日本の伝統を伝え、受け継いでもらうためにも、「具体的に何をすればよいのか」を大人たちが把握しておきましょう。

お盆に関係する代表的な風習・慣習は、下記の通りです。

・お墓参り
・迎え火と送り火
・お仏壇の周辺にお盆飾りとお供え

なお、これらの風習・慣習は宗派や地域ごとに異なることも覚えておきましょう。例として、浄土真宗は「故人がこの世に戻ることはない」と考えているため、追善供養は行いません。

ここからは、上記に紹介した一般的なお盆の風習・慣習について詳しく説明します。

1. お墓参り

お盆の最も代表的な風習・慣習が、お墓参りです。ご先祖様があの世からこの世へと戻ってくる日となるため、お迎えの意味も込めてお墓参りをしましょう。

また、来客時は予め自宅の掃除をしておくように、お墓もしっかりと掃除することが望ましいと言えます。お墓の掃除は、12日(お盆が始まる日の前日)に済ませておくことが基本です。遅くても、13日の午前中にはお墓の掃除とお墓参りを済ませておきましょう。
新盆(初盆)の場合は、親族以外の方がお参りをする可能性もあるため、月初めにお墓の掃除とお墓参りを済ませることがおすすめです。なお、服装は普段着でも問題ありません。

2. 迎え火と送り火

ご先祖様をきちんと自宅に迎え入れるための迎え火と、あの世へお見送りをするための送り火を焚くことも、お盆の1つの風習・慣習です。迎え火はお盆初日の8月13日、送り火はお盆最終日の8月16日に行うことが一般的となっています。

迎え火と送り火は、自宅の玄関先に「ホーロク」というお盆用のお皿を置き、そのお皿に麻の茎の皮を剥いて内部を乾燥させた「おがら」を乗せて火をつける、という方法が一般的です。
また、賃貸物件や集合住宅に住んでおり自宅で火が焚けないという場合は、お墓で行うケースもあります。お墓で迎え火・送り火を行う場合は、お墓参り後にお迎え用のお盆提灯(お迎え提灯)に明かりを灯しながら帰宅するという方法が一般的です。

3. お仏壇の周辺にお盆飾りとお供え

お盆では、久しぶりに自宅に戻るご先祖様を盛大に迎えるため、お仏壇の周辺に華やかなお盆飾りとお供えを施します。

祭壇などを使用して華やかにお盆飾りをした棚は、「盆棚(ぼんだな)」「精霊棚(しょうりょうだな)」と言います。ご先祖様は盆棚に滞在するため、歓迎の意を込めてお供え物や提灯を並べることが基本です。

また、ご先祖様が気持ちよく自宅に戻れるためにも、お墓と同様、お仏壇もしっかり掃除をしましょう。お仏壇の掃除は12日までに行うことが望ましいとされています。加えて、お供えは13日が適切です。

ご先祖様へのお供え物は、「五供(ごく)」に基づいたものが一般的です。具体的には、下記のようなお供え物が挙げられます。

線香・お香など
生花・造花など
灯明ろうそくなど
浄水水・お茶など
飲食ご飯・お菓子・果物など

お供え物は宗派・宗旨によって細かに異なることにも注意しておきましょう。また、浄水や飲食など消費できるお供え物は、家族全員で食べたり飲んだりして消費することも基本です。

3. 【保育士・保護者向け】子どもと一緒にお盆を楽しむアイデア

お盆期間中、学校は夏休み真っ只中で、多くの企業は休暇となります。しかし、保育園は休園せず、カレンダー通り子どもを預かることが基本です。期間中の利用可否は保育園・各家庭によって異なると言えます。

また、お盆期間中も通常通り子どもたちを預かる保育士の場合、お盆期間に何をすればよいか困ることも多々あるでしょう。日本の伝統であるお盆行事を子どもたちにしっかりと伝えるためには、お盆にちなんだ保育・遊びがおすすめです。

保育園でお盆期間中に園児と楽しめる保育・遊びには、「精霊馬」「精霊牛」が挙げられます。精霊馬はきゅうり1本と1~2膳の割り箸、精霊牛はなす1個と1~2膳の割り箸があれば簡単に制作できます。

きゅうりでつくった精霊馬には「早くこの世に戻れますように」、なすでつくった精霊牛には「無事にあの世へ戻れますように」という願いがそれぞれ込められており、お盆期間中にぴったりの制作遊びと言えるでしょう。精霊馬・精霊牛の主な作り方は、下記の通りです。

精霊馬・精霊牛の作り方

(1)きゅうり(精霊馬)・なす(精霊牛)の大きさに合わせて、割り箸を切る
割り箸は合計で4本となるよう、1膳の割り箸をまず2本にして、それぞれ均等な長さで切りましょう。
精霊馬の場合はやや長めに、精霊牛の場合はやや短めにカットすることがポイントです。

(2)切った割り箸を、四つ足になるようきゅうりに刺す
割り箸を足にして立たせたときに、支えがなくてもしっかり立てる位置に刺すことがポイントです。

また、割り箸を切る作業や野菜に刺す作業は力が必要で、けがをする可能性もあります。安全にかつ楽しく制作遊びに取り組んでもらうためにも、あらかじめ割り箸に切れ込みを入れて切りやすく・割りやすくしたり、野菜に小さな穴を開けたりするなど、工夫を凝らしましょう。また、子どもたちが制作遊びに取り組んでいる最中は、目を離さずしっかり見守っておくことも重要です。

まとめ

お盆は、あの世から戻ってきたご先祖様の霊を家族とともに迎え入れ、感謝の気持ちを伝えて供養するという行事です。お盆には、ご先祖様を歓迎するためにお墓参りや迎え火・送り火、さらにお盆飾りやお供えなど、さまざまな風習や慣習があります。

また、保育園はお盆期間中も通常通り運営するケースがほとんどです。子どもたちに日本の伝統を正しく受け継いでもらうためにも、お盆期間中はお盆にちなんだ保育・遊びを取り入れてみてはいかがでしょうか。

保育士の方や保護者の方にぴったりの保育お役立ち情報サイト「ほいくらし」では、子どもたちとのよりよい関わり方がわかる情報や、保育士のスキルアップにつながる有益な情報を日々更新しております。ぜひ、他記事もご覧ください。

※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています

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