幼保英語検定とは?試験内容や勉強方法、資格の生かし方を解説

幼保英語検定とは?試験内容や勉強方法、資格の生かし方を解説

「英語が話せる保育士になりたい」、あるいは「英語力を生かしてキャリアアップしたい」と考えている保育士が知っておきたい資格の1つに、「幼保英語検定」があります。

本記事では、保育現場で生かせる英語力が身に付く「幼保英語検定」を取り上げ、その概要や試験の流れ、勉強方法、資格の生かし方などを解説します。

この記事の執筆者
アリサ(保育士ライター)
保育園で0歳児から5歳児までの担任や障害児加配、縦割り保育を約10年間経験しました。家庭の事情で退職後、今までの知識を活かした活動がしたいとの思いからライターに。現在は3歳と6歳の子どもの育児に奮闘しながら、保育士さんや子育て中の方に向けて記事執筆を行っています。絵本とお花が大好きです。
保有資格:保育士・幼稚園教諭一種免許

幼保英語検定とは

「幼保英語検定」は、幼児教育や保育の現場で使える英語力を、どの程度身に付けているかを評価する検定です。試験級は1級から4級までの5つに分かれており、自分の英語力に合わせて受験できます。対象は保育士や幼稚園教諭、保育系学生など。主催は一般社団法人語学検定協会です。

幼保英語検定は、英検やTOEICなどと異なり「幼児教育や保育の現場で使う英語」に重点を置いているのが特徴です。そのため、試験では子どもや保護者との英語でのやりとり、英語でのおたよりの作成、外国人スタッフとの協働など、現場に即したスキルが問われます。

検定のレベル(1級~4級)

幼保英語検定は、4級・3級・2級・準1級・1級にレベル分けされています。それぞれのレベルや英語力の目安は、次のとおりです。

 目標レベル推奨レベル英語力の目安
4級
Introductory
幼保英語の基本を学び始めたい中学中級程度・初歩的な単語やフレーズの理解
・簡単なコミュニケーションがとれる
3級
Beginner
英語を使う園での初級対応力を養いたい中学卒業程度・基礎的な文法とフレーズの習得
・定型的なフレーズを用いたコミュニケーションが可能
2級
Intermediate
アシスタントティーチャーへの一歩として高校中級~卒業程度・英語の幼児教育現場で補助ができる
・幼保英語に必要な文法知識を持ち、簡単な文章作成も可能
準1級
Advanced
保育現場で英語指導のリーダー的役割も担える大学中級程度・スタッフへの指示ができる
・文章作成や指導案作成にも対応できる
1級
Proficiency
英語保育の専門家として、海外の現場でも活躍できる大学上級程度・英語を使って支障なく保育活動ができる
・高度なコミュニケーション能力と文章力がある

自分のレベルに応じた級でスタートし、徐々にステップアップしていけるため、「英語が苦手」という方でも始めやすいのがポイントです。特に4級・3級は中学英語程度の知識があれば対応できるので、英語に苦手意識を持つ保育士の方も挑戦しやすいでしょう。

幼保英語検定に合格するメリット

幼保英語検定に合格することで得られるメリットは多岐にわたります。

例えば、英語教育を取り入れている園であれば、将来的に保育士の英語指導担当、リーダー、英語研修の講師などの役目を担える可能性があります。また、「英語ができる先生」として、保護者や園児からの信頼にもつながるでしょう。

近年は、英語教育を取り入れる園が増えており、英語指導ができる人材は重宝される傾向にあります。幼保英語検定は、その実力を客観的に証明できる資格のため、面接などで大きなアピールポイントになるでしょう。

英語スキルを備えていれば、就職・転職の選択肢の幅も広がり、希望する働き方が実現しやすくなります。

試験の概要

幼保英語検定は年に3回実施されており(春・秋・初春)、自分のペースに合わせて受験できます。

ここでは、試験形式や検定料など、事前に知っておきたい情報をまとめました。

試験のスケジュール

年3回のスケジュールは以下の通りです。

<春季検定>

一次試験:7月第3日曜日
二次試験:8月第3日曜日

<秋季検定>

一次試験:11月第3日曜日
二次試験:12月第3日曜日

<初春検定>

一次試験:2月第3日曜日
二次試験:3月第3日曜日
※ただし、1級の一次試験は春季検定でのみ実施されます。

東京、埼玉、横浜、大阪の4会場で受験できるほか、オンライン受験も可能です。オンライン受験は自宅から参加できるため、子育て中の保育士や地方在住の方にもおすすめです。

オンライン受験の流れや必要な環境については以下をご確認ください。
オンライン受検について | 語学検定協会

試験形式と内容

幼保英語検定の試験形式は、4級・3級・2級が一次試験(筆記)のみ、準1級・1級は一次試験と二次試験(面接)があります。合格ラインは基本65%ですが、問題の難易度により上下します。

一次試験

所要時間は50~80分。4級・3級・2級はリスニングとリーディング(4肢選択)で構成されていますが、準1級以上はライティングも含まれます。

一次試験の構成主なテーマ
4級
Introductory
リスニング:10分
リーディング:50分
登園室内・屋外での遊びトイレ昼食お迎え など
3級
Beginner
リスニング:20分
リーディング:50分
登園室内・屋外での遊びトイレ昼食お迎え など
2級
Intermediate
リスニング:20分
リーディング:50分
入園の相談(電話応対、必要書類記入、説明会など)
室内・屋外での遊び(工作、お絵描き、遊具など)昼食(献立、片付け、アレルギー対応など)病気とけが(体調不良時の対応、健康管理など)
準1級
Advanced
リスニング:20分
リーディング:50分 ※ライティングを含む
園行事(季節の行事、プール、運動会、発表会など)乳児の成長と保育(発達、離乳食、保育条件書など)病気と救援(予防教室、感染症など)緊急時対応の訓練(引き取り訓練、避難訓練など)
1級
Proficiency
リスニング:25分
リーディング:50分 ※ライティングを含む
園行事(季節の行事、プール、運動会、発表会など)乳児の成長と保育(発達、離乳食、保育条件書など)病気と救援(予防教室、感染症など)緊急時対応の訓練(引き取り訓練、避難訓練など)

二次試験

二次試験はすべてオンラインで行われ、英語でのコミュニケーション力(スピーキング)を評価されます。

二次試験の構成内容
準1級
Advanced
面接:10分セクション1 5歳児クラスの副担任として、工作のやり方や注意事項などを教える場面をシミュレーションする   セクション2 面接官から出題されるテーマに関して、受験者自身の意見を答える
1級
Proficiency
面接:20分セクション1 クラス担任として、保護者に向けて英語で説明やお知らせを行う場面をシミュレーションする   セクション2 面接官から出題されるテーマに関して、受験者自身の意見を答える

スピーキングの明瞭さや正確さ、英語圏の保護者や子どもにとって理解しやすいかどうかなどが評価され、セクション1(16点満点)+セクション2(12点満点)で、合計19点以上が合格ラインとなります。

出題内容は保育の実務に直結したものが多く、例えば「英語で避難訓練の指示を出す」「体調不良の園児の保護者に電話連絡する」といった具体的なシーンを想定しています。文法や単語の知識はもちろん、状況に応じた英語表現ができるかどうかが重要になるでしょう。

受験料

幼保英語検定の受験料は以下の通りです。

  • 4級:4,500円
  • 3級:5,000円
  • 2級:6,000円
  • 準1級:8,000円
  • 1級:8,000円

なお、準1級・1級は、3,000円で二次試験の2回目を受けられます。受験料は級によって異なり、年ごとに改定されることもあるため、最新情報は公式ホームページをご確認ください。

※参考:幼保英語検定とは | 語学検定協会

幼保英語検定の合格を目指すための勉強法

幼保英語検定は、英語の基礎力に加えて「保育の現場で使う英語表現」が多く出題されます。ここでは合格を目指すための勉強法を紹介します。

公式教材や模擬試験を活用する

主催団体が発行している問題集やワークブックがあるため、活用することで問題形式に慣れることができます。

4級や3級は、中学英語の基礎が身に付いていれば、市販の中学英語教材やTOEIC入門教材なども活用できます。

2級以上では、「避難訓練」「保護者会」「健康診断」といった園行事や、「おやつ」「排泄」など、子どもとの日常生活で使う単語・表現が多く出題されます。公式教材や模擬試験を活用しながら、実務寄りの問題に触れることが合格への近道といえるでしょう。

保育の現場で英語を使ってみる

準1級・1級では、試験にスピーキング(面接)があり、実際の保育現場をイメージしながら英語を使えるかが問われます。保護者対応やスタッフへの指示などを英語で行う練習をしたり、保育活動の説明や園行事の進行でよく使うフレーズを覚えたりするとよいでしょう。

4級~2級を受験する方も、日常のなかで簡単な英語表現を口に出してみると、リスニングやリーディングの理解が深まります。

短時間でも毎日継続する

「週に5日×15分」など自分なりの目安を決めて、毎日少しずつ積み上げることも大事です。 通勤や家事の合間の5~10分に英語を聞くだけでも効果はあるので、スマホアプリや音声教材などを活用し、短時間の積み重ねを意識しましょう。

幼保英語検定の場合、TOEICやビジネス英語では出てこない表現も多いため、基礎英語力を磨きつつ、公式教材や過去問で保育の現場に即した単語・フレーズに触れることも重要です。

幼保英語検定を生かす働き方

保育士が英語力を身に付けると、活躍の場がぐんと広がります。ここでは、幼保英語検定を生かせる働き方の一例を紹介します。

英語教育に力を入れる園で働く

英語カリキュラムを導入している園では、幼保英語検定を持っていることで採用に有利になる場合があります。園によっては、外国人講師と一緒にクラスを担当する機会もあり、英語でのやりとりができる保育士はとても重宝されます。

英語に力を入れている園を探す場合は、キャリアアドバイザーに相談してみるのも1つの方法です。保育業界に精通したキャリアアドバイザーであれば、求職者の希望に寄り添いながら、安心できる転職先を提案してくれるでしょう。

【無料】保育専任アドバイザーに相談する

海外での保育士活動やボランティア

準1級や1級に合格できるレベルであれば、海外の保育現場や教育支援のボランティア活動に挑戦することも可能です。国際的な保育施設に勤務したり、海外の教育現場で子どもたちと関わる活動に参加したりと、日本国内にとどまらない働き方を視野に入れてみるのもよいでしょう。

このように、英語が話せることで、働けるフィールドやキャリアの選択肢が大きく広がるのが、幼保英語検定の魅力です。

幼保英語検定で活躍の場を広げよう

幼保英語検定は、英語が得意な方はもちろん、初級レベルの方でも挑戦しやすい資格です。「英語を使って子どもたちとコミュニケーションをとりたい」「保育の幅を広げたい」という気持ちがあれば、誰でもスタートできます。

また、検定は5つのレベルに分かれているため、自分の英語力に合った級から始められます。オンライン受験も可能なので、子育てや仕事と両立しながら資格取得を目指せるのも、大きな魅力でしょう。保育士としてのキャリアや働き方の選択肢を広げたい方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

参考サイト:

この記事をSNSでシェア
CATEGORY :