保育士の意外な転職先まとめ!保育園以外の職場を探すポイント

意外!保育士の転職先まとめ
保育士の就職・転職先は、保育園だけではありません。保育士が資格の取得や業務を通じて手に入れた知識と経験は、保育園以外の職場でも歓迎されます。
資格を取ったばかりで、初めての就職先を探している方は、さまざまな可能性を検討してみるのもよいでしょう。一方、すでに保育園で働いている方も、ライフステージの変化などによって将来、転職するかもしれません。そのときに備えて選択肢を広げておけば、理想のキャリアプランやワークライフバランスを実現しやすくなるはずです。
今回は、保育士資格が生かせるおすすめの職業を、就職・転職の目的に沿って紹介します。「給料を上げたい」「特技を生かしたい」「子どもだけでなく保護者もサポートしたい」など、あなたの希望にフィットする仕事を探す際にお役立てください。

この記事の監修者
山本 あやか(保育士)
保育士・幼稚園教諭資格を持つ2児の母。保育士歴10年、現在はライターとして活動中。保育士経験を活かし、季節の行事に家族で手作りの飾りつけを楽しむのが趣味。
Instagram:@hoik_aya___
Blog:https://hoik-aya.com/
保育園以外でも生かせる保育士のスキルとは

転職を考えている人のなかには「自分には特技なんてない」と、自身のスキルを過小評価してしまうことも少なくありません。しかし、保育士は、保育士養成校卒業や国家試験合格のために培ってきた知識に加えて、現場で必要な保育技術を兼ね備えています。
まずは、保育士が身につけている、知識とスキルをリストアップしてみましょう。
保育士資格取得のために培ってきた知識
- 保育原理
- 教育原理および社会的養護
- 子ども家庭福祉
- 社会福祉
- 保育の心理学
- 子どもの保健
- 子どもの食と栄養
- 保育実習理論
- ピアノまたはギターの演奏と歌の技術
- イメージを形にする造形技術
- 子どもがわかりやすいように話す技術
※出典:「実技試験(後期)概要」(一般社団法人全国保育士養成協議会)
このような知識や技術は保育士ならではのもの。「子どもに関する知識を持っている」と自信を持ってよいでしょう。
保育士としての活動で培ってきた技術
- 月齢や個性に合った保育や関わりの提供
- 複数の子どもを安全に管理・指導する能力
- 様々なトラブルに対する問題解決能力
- 保護者と良好な関係を築くコミュニケーション能力
- 長時間の抱っこや子どもとの運動をこなす体力
- 指導案やおたよりなどの書類作成能力
- 様々な仕事を同時にこなすタスク管理能力 など
保育士として働くうちに、実は多くのスキルを身につけています。コミュニケーション能力が高かったり、体力があったり。畑を耕したかと思えばピアノを弾き、関連施設との会議に参加したと思えば鬼ごっこで汗を流す。保育士は「なんでも屋さん」です。
転職で歓迎される保育士のスキル
保育士として培ってきたスキルは、さまざまな職種で役立ちます。
「製作(デザイン)」
「運動会(企画・準備・運営)」
「保護者対応(コミュニケーション能力・クレーム対応力)
などなど、意識はしていなくても身につけたスキルがたくさん!そのような力は、きっとそれぞれの業種で歓迎されるものといえます。その一例は以下のとおりです。
| 業種 | 役立つスキル |
|---|---|
| 営業 | 笑顔での挨拶/元気な対応/コミュニケーション能力 |
| 事務 | パソコンスキル/タスク管理能力 |
| 受付 | 笑顔での挨拶/元気な対応/コミュニケーション能力 |
| 人事 | 多くの人をまとめる力/傾聴力/タスク管理能力 |
| 広告 | パソコンスキル/デザイン力/企画力 |
| 接客 | 笑顔での挨拶/元気な対応/問題解決能力 |
| 飲食 | 笑顔での挨拶/衛生・安全管理の知識/マネジメント力 |
| 旅行 | 笑顔での挨拶/企画力/タスク管理能力 |
| エンタメ | 企画力/楽しませる力/プレゼン力 |
| スポーツ | 企画力/楽しませる力/体力 |
そのほか、子どもの食と栄養についての知識は食品の企画開発力につながり、わかりやすく話す技術はプレゼン能力につながります。顧客とのコミュニケーションが必要な職場や、マルチタスクが求められる職場でも、保育士のスキルは重宝されそうです。
さらに趣味や特技、研修で得た知識、リーダー職の経験なども強みになります。保育園以外への就職・転職を考えるときは、自身が持つスキルを客観的に見つめ直してみましょう。
目的別に探す保育士の意外な職場

保育士の資格を持っていると、保育園以外の福祉施設はもちろん、子ども関連事業の企画スタッフ、習い事講師、カメラマン、保育ライターなど意外な仕事が選べます。
転職で実現したい目的別に、保育士に向いている仕事を見ていきましょう。
| 転職理由/目的 | おすすめの職業 |
|---|---|
| 人間関係に悩みたくない | ベビーシッター、習い事講師、ライター |
| 給与を重視したい | 会社員、企業内や病院内の保育施設、児童養護施設、障害児施設、母子生活支援施設の少年指導員 |
| まとまった休日が欲しい | 会社員、企業内や病院内の保育施設、ベビーシッター、ライター |
| 子育てと両立したい | 福利厚生が充実している企業の会社員やパート、企業内や病院内の保育施設の保育士、ベビーシッター、ライター |
| 保育士仲間を支えたい | 保育園運営企業のスタッフ、保育ICTシステムのサポートスタッフ、保育士・保育所支援センター、保育士の求人関連企業のスタッフ、保育士育成学校の講師 |
| 幅広い年齢の子どもと接したい | 児童養護施設、障害児施設、病児保育、家庭支援センター、放課後児童クラブ、児童館、ベビーシッター、習い事の講師、キッズ写真館のスタイリストやカメラマン、テーマパークのスタッフ |
| 趣味や特技で子どもの生活を豊かにしたい | 子ども関連事業の企画・運営、習い事の講師、キッズ写真館のスタイリストやカメラマン、テーマパークのスタッフ、保育ライター |
| 子どもの家庭ごと支援したい | 児童養護施設、障害児施設、母子生活支援施設、家庭支援センター、ファミリーサポートセンター |
| 本当に困っている子どもを助けたい | 児童養護施設、乳児院、児童心理治療施設、児童自立支援施設、母子生活支援施設、子ども関連のNPO法人など |
同僚や上司との人間関係に悩みたくない
保育士の退職理由でいちばん多いのは、人間関係の悩みです。仕事上の人間関係をシンプルにしたいなら、1人で活動するベビーシッターや在宅勤務のライター、一緒に動くスタッフが少ない習い事の講師などが向いているかもしれません。
ベビーシッター、習い事講師、在宅勤務の保育ライター など
給与をアップしたい
令和5年度の調査によると、正社員として働く日本人の平均年収は男性が約594万円、女性が約413万円となっています。それに対して、保育士の平均年収は男性約449万円、女性約393万円でした。保育士の待遇改善のため、政府が処遇改善加算やキャリアアップ研修制度などの施策を行ってきいるものの、給与への不満はいまだに保育士の退職理由の上位です。
収入の改善を目指したい方は、昇給機会の多い企業に転職すれば給与アップが期待できるでしょう。各種手当がつく児童福祉施設も、比較的給与が高めです。
一般企業の会社員、企業や病院の保育施設、児童養護施設、障害児施設、母子生活支援施設の少年指導員 など
※参考:「令和5年分民間給与実態統計調査 年齢階層別の平均給与」(国税庁)
※参考:「令和5年度賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)
子育てと仕事を両立したい
出産や育児のために保育園を離れる際、企業や病院が従業員の子どもを預かるために設置している保育施設へ転職すれば、自分の子どもを世話しながら働けるかもしれません。
アニバーサリー休暇などの福利厚生が充実している企業のスタッフ、チーム制で動くベビーシッター、子どものそばで仕事ができる在宅ライターなども、プライベートとの両立に向いています。
福利厚生が充実している企業の会社員やパート、企業や病院の保育施設、ベビーシッター、在宅勤務の保育ライター など
保育業界の発展に貢献したい
保育の現場をもっとよくするために働きたい方は、保育施設の運営会社や、保育園向けのICTシステムを開発する企業などに転職するのがおすすめです。教師として将来の保育士を育てたり、就職・転職の悩みを抱えた保育士を助けたりする仕事にも、やりがいを感じられるでしょう。
保育園運営企業のスタッフ、保育園向けICTシステムのサポートスタッフ、保育士・保育所支援センター、保育士の求人関連企業のスタッフ、保育士養成学校の教員 など
幅広い年齢の子どもと接したい
保育士は、大学などで乳幼児関連の知識だけでなく、18歳までの人間の発達や心理変化についても学んでいます。そうした知識は、小学生以上の子どもの成長をサポートする仕事に役立つでしょう。
また、個々の発達の違いを受け止めて柔軟に対応できる保育士は、さまざまな子どもが利用するキッズ写真館やテーマパークのような場所でも重宝されます。
児童養護施設、障害児施設、病児保育施設、児童家庭支援センター、放課後児童クラブ、児童館、キッズ写真館のスタイリストやカメラマン、テーマパークのスタッフ など
趣味や特技を生かしたい
子ども向けの製品やサービスが多様化している現在、保育士資格と趣味・特技を組み合わせて働くのも1つの方法です。
安全に楽しく学べるベビー用品やおもちゃの開発、子ども向けイベントの企画、スポーツや音楽の講師など、多様な道が考えられます。
子ども関連事業の企画・運営スタッフ、おもちゃの開発スタッフ、習い事の講師 など
子どもだけでなく保護者も支援したい
保育園で保護者の悩みに接するうちに、「子どもと一緒に保護者もサポートしたい」と思った方は、悩みを抱えた家庭を支援する母子生活支援施設や、地域の親子の日常を支える家庭支援センター、ファミリーサポートセンターなどがおすすめです。
母子生活支援施設、家庭支援センター、ファミリーサポートセンター など
困っている子どもを助けたい
苦しんでいる子どもをサポートすることに強い関心を持つ方は、より専門的な仕事に挑戦するのもよいでしょう。保護者と離れて暮らさなければならない子どもや、病気を抱えた子どもに寄り添いながら支援する仕事は、大きなやりがいにつながるはずです
児童養護施設、乳児院、児童心理治療施設、児童自立支援施設、母子生活支援施設、里親関連などのNPO法人 など
保育園以外の転職先を探すポイント

保育園からそれ以外の職場に転職するときは、これまでと違う世界に飛び込む覚悟と準備が必要です。保育業界の常識はいったん忘れて、以下のポイントを押さえながら慎重に進めましょう。
転職で譲れない条件を整理する
まず、転職で譲れない条件を事前に整理することが大切です。給与や休日数、やってみたい業務など、思いつく限り書き出して優先順位をつけておきましょう。
新人として学び、働く覚悟をする
保育士の知識や経験が生かせる仕事といっても、保育園以外の職場ではまったく違う価値観や動き方を求められます。職種によっては新たな資格も必要になるでしょう。
保育士としての社会人経験があったとしても、新卒と同じ気持ちで学び、先輩のアドバイスを真摯に受け止めながら、新たな環境になじむ努力が必要です。
子どもとの関わり方をチェックする
保育園は子どもと過ごす時間が非常に長い職場です。保育園以外の職場に移れば、基本的に子どもと接する機会は減るものと考えましょう。
その一方で、職場によっては小学生以上の子どもと触れ合えたり、才能を伸ばす手伝いができたりなど、保育園とは違った関わり方ができるメリットもあります。転職先での子どもとの関わり方についても、事前に詳しく確認しましょう。
求人情報と実情の違いに注意する
転職活動においては、求人情報の内容が実態と異なる場合があります。「休暇制度は豊富なのに人手不足で利用できない」「入社したら、聞いていた業務内容と違う仕事が割り振られた」などの事例も珍しくはありません。
休日数や待遇、業務内容など、重要なポイントについては、面接や転職コーディネーターを通じてしっかり確認するようにしましょう。
転職活動期間をたっぷり設ける
希望する業種にもよりますが、働きながら転職活動をする場合、準備から新しい職場に入職するまで、2か月〜半年程度かかると言われています。
また、できれば仕事に区切りがつく年度末の退職が望ましいので、転職活動を行う際は、余裕を持って計画的に動くことが大切です。保育園で働いている間に、キャリアアップ研修のような優遇制度を利用しておくのもよいでしょう。
保育士の転職はプロに相談すると安心

「転職は準備が9割」と言われるほど、転職活動では事前の情報収集や書類対策が重要です。未経験の業種を視野に入れるのであれば、キャリアアドバイザーの手を借りるのがよいでしょう
キャリアアドバイザーは、希望に合った職種の紹介、採用率をアップする準備や対策、活動スケジュールまで相談に乗ってくれます。また、自分では応募先に聞きにくい待遇面の問い合わせや交渉でも頼りになります。
マイナビ保育士のキャリアアドバイザーは、保育業界だけでなく保育士資格を生かせる仕事全般の求人情報を扱っており、異業種への転職の仲介経験も豊富です。まずは無料相談から始めてみましょう。
まとめ
子どもに関する専門知識と多彩なスキルを兼ね備えた保育士は、保育園以外にもさまざまな職場で歓迎されます。
例えば、児童福祉関連の施設、病院・企業内の保育施設、ベビーシッター、保育士養成学校の教師などであれば、保育士の知識・スキルを生かしながら働けるでしょう。実現したい目標や特性によっては、子ども向けの製品開発やイベントの企画運営、ライター、キッズカメラマンなどが向いている場合もあります。
ただし、異業種へ転職する際は、失敗しないように譲れない条件をあらかじめ整理し、業界の情報を丁寧に調べることが大切です。転職期間に余裕を持ち、アドバイザーなどを利用しながらしっかりと準備を進めましょう。
<参考>
「保育士の年収はこれからどうなる?保育士業界の将来性と併せて解説」(仙台青葉学院大学)
「社会的養護の施設等について」(こども家庭庁)
「日本こども支援協会とは」(日本こども支援協会)


