障害児保育とは|注意するべき点や子どもとの接し方について解説

障害児保育とは|注意するべき点や子どもとの接し方について解説

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障害児保育を実施している保育園は年々増加しており、今後も障害児保育のニーズが高まることが予想されます。

障害児保育の仕事内容は、通常の保育と大差ありません。しかし、保育の対象となる子どもの状態が異なるため、通常の保育以上に配慮が必要となります。

そこで今回は、障害児保育と統合保育の関係や、障害児保育の仕事内容について詳しく解説します。また、障害児との接し方も紹介するため、障害児保育について関心がある人は、ぜひ参考にしてくしょうださい。

障害児保育とは?

障害児保育とは、障害のある子どもに必要なサポートを行いながら保育をすることです。
障害にはさまざまな種類があり、主に肢体不自由・視覚障害・聴覚障害・知的障害・発達障害などの障害のある子どもの保育を行います。障害の種類や程度によって必要なサポートは異なり、保育内容も個別性を考慮したものとなります。

例えば、同じ肢体不自由児でも、腕自体が動かせない子どももいれば、指の細かな動きだけが困難な子どももいます。

手を動かしにくい子どもの食事を補助する場合、可能な限り自分で食べられるように、持ちやすいスプーンを使ったり、食材を食べやすく工夫したりするなどの配慮を行います。

このように、安全に配慮しながら、子どもたちが楽しく日常生活を送れるようにサポートを行い、子どもの成長・発達を見守ることが障害児保育の目的です。

障害児保育と統合保育の関係

障害児保育には、統合保育と分離保育の2種類があります。

統合保育は、障害児保育を実施している保育園で、障害のある子どもと障害がない子どもを一緒に集団で保育することです。障害のある子どもは、活動が制限されているため、個別的配慮を行いながら集団の中で保育します。
担任保育士と補助保育士だけでは安全かつ必要な保育ができない場合は、障害のある子どもを担当する保育士を別に配置することがあります。

一方、分離保育は、障害のある子どもに対して、障害に応じたサポートや個別的な保育することです。主に、児童発達支援センターにて障害児保育の分離保育が行われています。
児童発達支援センターでは、専門的な機能訓練や言語訓練などの日常生活に必要なトレーニングを行うため、保育士の他に理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門家と連携して障害児の保育にあたります。

障害児保育の仕事内容

障害児保育の仕事内容は、基本的に通常の保育と変わりません。通常の保育と異なる点としては、障害の種類や程度に応じたサポートを行うことが挙げられます。
例えば、車椅子を利用している子どもであれば、車椅子を押して散歩に行ったり着替えやトイレの介助をしたりという生活支援が必要です。また、視覚障害のある子どもであれば、絵本の読み聞かせや手や耳の感覚を使った遊びをすることもあります。

障害児保育は、子どもの特性を捉えて、その子どもの育ちを見守り、日常生活を支援します。障害ののない子どもの保育よりも、子ども一人ひとりに合った保育を行うことが求められるため、やりがいを感じながら働けるでしょう。

障害児保育を行っている保育園では、福祉や行政との連携も多くみられます。多くの障害児は、保健センターや児童発達支援センターなどの機関から支援を受けており、保育士はそれらの機関と保育園の連携窓口としての役割があります。そのため、障害児保育を行う場合は、一般的な保育知識や技術だけでなく、障害に関する知識やサポート方法、他機関と連携できるコミュニケーション能力が必要です。

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障害児との接し方・配慮のポイント

障害児保育は、すべての保育園で行われているわけではありません。そのため、障害児保育の経験がない保育士の場合、障害児に対してどのように接すれば良いか悩むこともあるでしょう。

ここからは、障害のある子どもの保育を担当する際のポイントについて解説します。障害のある子どもにとって良い保育を行うためにも、ぜひチェックしてください。

障害に対する正しい知識を身に付ける

障害のある子どもの保育を行う場合、まずは障害について正しい知識を身につけることが必要です。

障害には種類があり、主に身体的障害や知的障害などが挙げられます。また、身体的障害だけでも聴覚・視覚・手足など障害の種類は細かく分かれ、残されている機能にも個人差があります。
障害に対して正しく理解していない場合、個々に適したサポートや保育を行うことができません。

障害保育に関する知識や保育スキルを身に付けたい場合は、保育団体や自治体が開催している障害児保育に関する研修・セミナーを利用することをおすすめします。
また、障害児保育を行っている施設の協力を得て、障害児保育の現場を見学したり、アドバイスをもらったりして学びを深めることもおすすめです。

保護者とのコミュニケーションを密に取る

障害児に対して個別的配慮を行うためには、子どもの保護者に確認することが一番です。家庭で行っている子どもの特性を大切にした関わりを、保育園でも継続的に行うことは、子どもにとって非常に重要です。

子どもの特性を大切にした保育を行うためには、日々その子どもに接している保護者から情報を得る必要があります。自宅での子どもの様子は、保護者にヒアリングしなければ分かりません。

保護者とのコミュニケーションを密に取ることで、子どもへの適切な接し方を把握できるだけでなく、保育士と保護者の信頼関係を築くことができます。さらに、保護者に安心感を与えることもできるでしょう。

子どもにとって適切な環境と保育を提供するためにも、保護者との密なコミュニケーションは不可欠です。

冷静に子どもと向き合う

障害のある子どもの保育を行う場合、感情的にならずに冷静かつ優しく接することが大切です。

障害があるがゆえに、スムーズにできないことや手助けが必要なことがあります。
子どもは一生懸命に取り組んでいるものの、1つの作業に時間を要することは珍しくありません。次の活動時間が迫っていたり、他の子どもとの調整が必要となったりする場合も冷静に対応しましょう。

発達障害の場合、一見しただけでは障害が分かりにくいため、他の子どもから「ずるい」という声が上がることもあります。そのような場合も、人によってできること、できないことがあることについて説明し、他の子どもに理解を促すことも大切です。

一人で悩み抱え込まずに相談する

障害のある子どもを担当していると、子どもへの接し方や身体的なサポートの方法など、ささまざまな課題に直面することがあります。もし、自分一人では解決できない課題に直面した際は、一人で抱え込まずに、同僚や上司など周囲の人に相談することが大切です。

自施設の職員だけではなく、外部の関係機関への問い合わせや相談も検討してください。専門的観点からアドバイスをもらえる上、違う視点で物事見ることができるようになるでしょう。

何事も一人で抱え込む必要はありません。子どもに関する課題について、周囲の人とともに対応策を練ることは非常に重要です。困ったことが発生した際は、まずは周囲の人に相談してみましょう。

まとめ

保育業界の中でもニーズが高まっている障害児保育は、障害のある子どもに必要なサポートを提供しつつ、保育することが仕事です。

障害児の保育を担当する際は、障害についての知識を深めるだけでなく、子どもの保護者と密なコミュニケーションを取ったり、冷静に子どもと向き合ったりすることも重要となります。子ども一人ひとりの障害に対する理解を深めることで、子どもにとって良い環境を提供することが可能です。

障害児保育を行うにあたって、一人では解決できない課題に直面した場合は、周囲の人に相談しましょう。さまざまな視点からの意見をもらうことで、より良い保育を行うことができます。

監修
緩和ケア認定看護師/保育士
小児専門病院で勤務し、NICU,血液腫瘍科,小児循環器科などを経験。
小児看護の質の向上を目指して保育士免許を取得。現在は緩和ケア認定看護師として、
子どもの苦痛緩和や療養環境の整備を中心に活動している。

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