認可保育園とは?他の保育施設との違いや仕事内容、働くメリットを解説

認可保育園とは?他の保育施設との違いや仕事内容、働くメリットを解説

認可保育園は、国が定めた厳しい基準を満たしたうえで、都道府県知事から認可を受けた保育園です。認可条件が厳しい分、職場環境や給料などの待遇面で恵まれているケースが多く、認可保育園への就職・転職を考えている人は、決して少なくありません。

当記事では、認可保育園の概要と、それ以外の保育施設(認可外保育園、認証保育園、認定こども園)との違いについて解説します。認可保育園の仕事内容や働くメリット・デメリット、向いている人の特徴も紹介するので、興味のある人は参考にしてください。

この記事の監修者
ゆぴ(保育士)
保育士資格・幼稚園教諭二種免許を持つ専業主婦。保育士歴は9年で、現在は保育士ライターとして活動中。特技はピアノで、弾き歌いやリズム遊びが好き。

認可保育園とは?

認可保育園(認可保育所)とは、児童福祉法に基づいた児童福祉施設です。仕事や病気などの事情を抱える保護者に代わって、0~5歳の子どもを保育するのが役割で、主に公費の支援を受けた民間事業者によって運営されています。

認可保育園となるには、国が定めたさまざまな基準をすべて満たし、都道府県知事から認可を受ける必要があります。以下は人員の配置基準です。

保育士
※最低2名以上
0歳児 3人に対して1人以上
1歳児・2歳児 6人に対して1人以上
3歳児 15人に対して1人以上(※)
4歳児・5歳児 25人に対して1人以上(※)
その他の職種 嘱託医および調理員は必ず配置
ただし、調理業務をすべて外部委託する場合は、調理員なしでも可

※2024年4月「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」の改正によって、保育士配置基準は、3歳児で「20人に対して1人」から「15人に対して1人」に、4・5歳児で「30人に対して1人(30:1)」から「25人に対して1人」になりました。しかし、当分の間は、改正前の配置基準で運営を続けても問題ないとする経過措置が設けられています。

<参考>
「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第三十三条」(e-Gov法令検索)

認可保育園と認可外保育園の違い

保育施設は、児童福祉法や認定こども園法による認可を受けた施設と、受けていない施設に分けられます。認可を受けた施設には、認可保育園のほかにも、幼稚園と保育園の機能を併せ持つ認定子ども園、自治体による地域型保育事業などが含まれます。

認可保育施設認可保育園
認定こども園
地域型保育事業
認可外保育施設
(認可外保育園)
認証保育園
地方裁量型認定こども園
託児所
ベビーホテル
企業や病院内の保育施設
デパートなどの来店客向け保育サービス

一方、認可外保育園は、国からの認可を受けていない保育施設です。ただし、開設時には「認可外保育施設指導監督基準」を満たすことが求められます。人員の配置基準などは厳しくなく、自治体の監督指導に従えば、比較的自由に運営できます。

認可外保育園は国や自治体からの支援を受けられないため、保育料が高くなりがちですが、その分、夜間保育サービスを提供できるなどのメリットもあります。そのため、あえて認可外で営業する保育園も珍しくありません。

なお、認可保育園を利用するときは自治体への申し込みが必要ですが、認可外保育園の場合は不要です。

認可保育園と認証保育園の違い

認証保育園とは、東京都独自の基準に基づいて設置された保育園です。認可保育園と名称が似ているため、混同しないようにしましょう。

東京都では、国の基準に従った認可保育園では満たせないニーズに応えるため、2001年に認証保育所制度を発足させました。認証保育園は、駅前への設置を基本とした規模の大きなA型と、2歳以下に限定した小規模で家庭的なB型の2種類に分かれています。

認可保育園と認証保育園の主な違いは、以下のとおりです。

認可保育園認証保育園
従う基準国の基準(児童福祉法)東京都独自の基準
定員60人以上
(小規模保育所の場合は20人以上)
A型:20~120人
 ※0歳~2歳が半数以上
B型:6~29人
 ※0~2歳が対象
基準面積
(0~1歳児1人当たり)
3.3㎡2.5㎡
0歳児保育の有無実施しない場合もある必ず実施する
利用方法各自治体に申し込む認証保育園と保護者の間での直接契約
開所時間11時間が基本13時間以上が義務

<参考>
「認可保育所と認証保育所の違い|「認証保育所制度について」|特集記事」(福ナビ)

認可保育園と認定こども園の違い

認定こども園は、認定こども園法に基づく施設で、就学前の子どもに幼児教育・保育を一体的に行います。子どもが3歳以上であれば、保護者が働いているなどの特別な事情がなくてもサービスを受けられる点が、認可保育園との違いです。

認定こども園には以下の4種類があります。

  • 幼保連携型……幼稚園と保育園の機能を併せ持つ施設
  • 幼稚園型……認可幼稚園だが、保育園としての機能も備えた施設
  • 保育所型……認可保育園だが、幼稚園としての機能も備えた施設
  • 地方裁量型……幼稚園・保育所いずれの認可もない地域で、認定こども園としての機能を果たす施設(認可外保育施設)

なお、認定こども園の認定を受けたからといって、幼稚園や保育所がその位置づけを失うわけではありません。ここでは幼保連携型認定こども園と認可保育園の主な違いを見てみましょう。

認可保育園幼保連携型認定こども園
入園条件保育の必要性が認定される(認定区分2号または3号)こと3歳未満児:保育の必要性が認定される(認定区分2号または3号)こと
満3歳児以降:誰でも入園可能
利用方法自治体に申請認定区分1号:園に直接申請
認定区分2号・3号:自治体に申請
保育時間基本11時間1日11時間、土曜も開園
職員の資格保育士保育教諭(幼稚園教諭と保育士の資格を両方所有)

認定こども園に入所する際、利用者は就労状態などに応じて1~3号の認定を受けてから利用します。

  • 認定区分1号:満3歳児以上かつ、保護者の就労や家庭の事情などがない(保育の必要性なし)
  • 認定区分2号:満3歳児以上かつ、保護者の就労や家庭の事情などがある(保育の必要性あり)
  • 認定区分3号:満3歳児以下かつ、保護者の就労や家庭の事情などがある(保育の必要性あり

※出典:「子ども・子育て支援新制度ハンドブック(平成27年7月改訂版)」(内閣府・文部科学省・厚生労働省)

認可保育園における仕事内容

認可保育園は保育施設として標準的な形態であるため、職員の仕事内容は一般的な保育士の仕事と同じです。

保育士の仕事は、子ども相手の保育仕事と保育以外の仕事に分かれます。

子ども相手の保育仕事

  • 身の回りの世話
  • 健康状態の監督
  • 基本的な生活習慣の教育
  • 社会性の育成
  • 道具の適切な使い方の指導

保育以外の仕事

  • 教材の研究と作成
  • 行事の準備・飾り付け
  • 保育日誌・連絡帳の記入
  • おたよりの作成
  • 指導計画案の作成
  • 報告書の作成
  • 保護者との連携
  • 保育や行事に関する打ち合わせ

一日の仕事の流れ

以下は、認可保育園における一般的なスケジュール例です。

時間仕事
~8:00・引継ぎ
・連絡事項の確認
8:00~9:00・登園
・保護者対応
・自由遊び
9:00~10:00・朝の会
・通常保育
10:00~11:30・散歩
11:30~12:30・給食
12:30~13:00・片付け
・歯磨き
・排泄手伝い
13:00~15:00・昼寝
・書類仕事
・日誌作成
・制作準備
15:00~16:00・おやつ
・通常保育
16:00~・帰りの会
・順次降園
・保護者対応
・延長保育

場合によっては、年間行事や子どもたちの誕生日が重なった月などは、通常業務以外に残業や持ち帰り仕事が発生する可能性があります。

認可保育園で働くメリット・デメリット

ほかの職種と同様、認可保育園で働く場合にもメリット・デメリットは存在します。自身の目標やキャリアプランよっては、合う・合わないといった問題が生じることもあるでしょう。

以下では、認可保育園で働くにあたってのメリット・デメリットを紹介します。ただし、すべての認可保育園に当てはまるわけではないため、あくまで参考としてご覧ください。

認可保育園で働くメリット

  • 働きやすい環境が整備されている
  • 人材育成に力を入れている保育園が多い
  • 給料などの待遇面で有利な職場が多い

職員の配置基準や開所時間などが厳格に定められている認可保育園は、人手不足や残業過多に陥りにくい傾向にあります。また、運営資金に余裕があるため保育士の育成にも力を入れやすく、給与や福利厚生などの待遇面で安定している保育園も多く見られます。

認可保育園で働くデメリット

  • 働き始めるまでのハードルがやや高い
  • 個性的な養育方針の保育園は少ない傾向

認可保育園は就職・転職先として人気なので、必ず希望する保育園で働けるとは限りません。公立の保育園の場合は、公務員試験に年齢上限が設けられている点にも注意が必要です。また、認可保育園は国の基準から逸脱できないため、独自色を出しにくい傾向にあります。

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認可保育園が向いている人

認可保育園は保育士の雇用状態が安定しているほか、開所時間も決まっているため、ワークライフバランスを取りやすい職場と言えるでしょう。なかには、時間的な余裕を生かして人材育成に力を入れている施設もあります。

そうしたことから、認可保育園はある程度決まった生活リズムを保ちたい人、保育士として成長したい人、収入や待遇面を重視する人に向いているでしょう。

公立の認可保育園は特にそうした傾向が強く、安定したキャリアパスを歩みたい人には最適です。一方、安定よりもスピーディな昇進や理想の保育などを追求したい場合は、私立の認可保育園を探すとよいでしょう。また、公立・私立で賞与の支給率、公務員の給与水準などの待遇や雇用形態も変わるので、そちらも比較してみるとよいでしょう。

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まとめ

認可保育園とは、児童福祉法の定める基準を満たし、各都道府県知事から認可を受けた保育園です。一方、認可を受けていない保育園は認可外保育園と呼ばれます。東京都が進める認証保育所制度で設置された保育園も、認可外保育園に含まれます。

ほかにも、保育園と幼稚園の機能を併せ持つ認定こども園など、さまざまな保育施設が存在し、保育ニーズの多様化に応えています。 認可保育園は働きやすい環境が整備されているため、人気の高い職場です。しかし、その分採用に至るまでのハードルは低くありません。特に難しいのが公立の認可保育園で、公務員試験の年齢制限も考慮する必要があります。

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監修者からのコメント💬
認可保育園は、国の基準を満たして認可を受けた保育園であり、保育士にとって安定した環境で働ける職場です。待遇や福利厚生が整っており、開所時間や人員配置の基準も明確なため、ワークライフバランスを取りながら長く働きやすい点が魅力です。一方で、認可保育園は人気が高く、特に公立の場合は採用のハードルが高いことも理解しておきましょう。就職・転職を考える際は、園ごとの特徴や働き方、制度を事前に確認し、自分のライフスタイルやキャリアプランに合った施設を選ぶことが大切です。効率的に情報を集めるためには、専門のキャリアアドバイザーがサポートしてくれるサービスの活用も有効ですよ。保育士として安心して長く働くためには、制度面や職場環境を理解したうえで、計画的にキャリアを積むことをおすすめします。

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