幼稚園とは?保育園や子ども園との違い、私立や公立による違いも解説

幼稚園は、満3歳から小学校就学前の子どもの教育を行う施設で、文部科学省が管轄しています。しかし、幼稚園の目的や活動内容を理解していないと、「保育園とどう違うのだろう?」「近所の幼稚園に通わせるのがいちばんいいのかな?」などと、疑問や不安を感じる場面もあるかもしれませんね。
この記事では、幼稚園の特徴やほかの施設との違いについて詳しく解説します。あわせて、幼稚園を選ぶときに注意したいポイントも解説しますので、園選びの参考にしてください。

この記事の監修者
山本 あやか(保育士)
保育士・幼稚園教諭資格を持つ2児の母。保育士歴10年、現在はライターとして活動中。保育士経験を活かし、季節の行事に家族で手作りの飾りつけを楽しむのが趣味。
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幼稚園とは?

幼稚園は義務教育ではありませんが、多くの子どもが通う教育機関の一つです。幼稚園では、遊びや学習を通して心身の発達を促すとともに、集団生活に必要な社会性や協調性、コミュニケーション能力などを養います。
保育園は「共働き家庭」、幼稚園は「専業主婦(夫)家庭」の子どもが通う場所だと思っている人も多いかもしれませんが、そんなことはありません。実際には、家庭の状況を問わず利用できます。まずは、幼稚園がどのような場所で、どのような人が利用しているのかを知ることから始めましょう。
1.満3歳から就学前の幼児が対象
幼稚園を利用できるのは、原則として満3歳以降の未就学児です。ただし、園によっては4・5歳児を対象にした2年保育を行ったり、3歳児になる前から体験できる「プレ保育」を実施したりすることもあります。
幼稚園は、保育園のように「仕事や介護などで自宅での保育が困難な場合」に限定されることなく、子どもを通わせられます。もちろん、子どもが幼稚園に通っている時間や預かり保育を利用している間に、保護者が就労することも可能です。くり返しになりますが、「幼稚園は専業主婦(夫)家庭の子どもが通う場所」ではないことを覚えておきましょう。
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2.学校教育法に基づく教育施設
幼稚園は、文部科学省が管轄する教育施設です。小学校や中学校と同じ「学校」という位置づけで、「幼稚園教育要領」に基づいたカリキュラムが組まれています。ただし、基本となる指針は共通していても、「運動に力を入れている」「自然のなかでの遊びを重視している」など、幼稚園ごとに特色が異なります。
3.幼稚園には公立と私立がある
幼稚園には、地方自治体が運営する「公立幼稚園」と、学校法人などの民間業者が運営する「私立幼稚園」があります。公立幼稚園は通園が便利な場所にあるケースが多く、地域社会や地域の人たちとのつながりを大事にしています。一方、私立幼稚園は園ごとに特色があり、独自のカリキュラムや専門講師による教育が強みです。
なお、令和元年10月1日からは、幼稚園や保育園を対象とした「幼児教育・保育の無償化制度」が実施されています。この制度の目的は、子育て世帯の経済的負担を軽減し、教育機会を支援することです。
幼児教育・保育の無償化制度は、公立・私立を問わず利用できますが、幼稚園によっては上限額が定められています。また、そうしたケースでは、月額利用料が上限を超えた分や、給食費・保護者会費・教材費などが実費負担となります。
一般的に、公立幼稚園は月額利用料が上限内に収まりやすいのに対し、私立幼稚園は上限を超えるケースも多くみられます。
幼稚園・保育園・認定こども園の違い

就学前の子どもが通う主な施設には、幼稚園や保育園、認定こども園があります。それぞれ役割や特徴が異なるため、子どもに合った施設を選ぶには、違いを理解しておくことが大切です。
幼稚園、保育園、認定こども園の主な違いは、以下の表の通りです。
| 幼稚園 | 保育園 | 認定こども園 | |
| 所管 | 文部科学省 | こども家庭庁 | こども家庭庁 |
| 根拠となる法令 | 学校教育法 | 児童福祉法 | 認定こども園法 |
| 目的 | 教育 | 保育 | 教育・保育 |
| 対象 | 3歳〜小学校就学前 | 0歳〜小学校就学前 | 0歳〜小学校就学前 |
| 認定区分 | 1号・2号認定 (幼稚園による) | 2号・3号認定 | 1・2・3号認定 |
| 預かり時間 | 約4時間 | 約8〜11時間 | 約4〜11時間 |
※1号認定(保育を必要としない3歳以上の子ども)
※2号認定(保育を必要とする3歳以上の子ども)
※3号認定(保育を必要とする3歳未満の子ども)
幼稚園に子どもを通わせる
幼稚園は保護者の就労に関係なく、満3歳から通うことができます。その際は、近隣の公立・私立の幼稚園から、子どもに合った場所を選ぶのが一般的です。幼稚園によって送迎の有無や給食の有無などが異なるため、家庭の希望に合っているかを事前に確認すると安心でしょう。
保育園に子どもを通わせる
保育園は、就労や介護などで、家庭での保育が困難な場合に利用できる施設です。そのため、入園にあたっては、家庭での保育が難しいことを示す書類の提出が必要です。フルタイムで働く家庭は保育園を選ぶことが多いですが、幼稚園に通わせつつ「預かり保育」を利用する方法もあります。
認定こども園に子どもを通わせる
認定こども園は、保育園と幼稚園の要素を兼ね備えた施設です。0~2歳児は保育園と同じ扱いで、3~5歳児は保育・教育を一緒に受けられます。質の高い幼児教育と多様なプログラムが魅力で、幼稚園の数が減少するなか、認定こども園は増加傾向にあります。
幼稚園で過ごす1日

幼稚園に入園すると、子どもたちは以下のような流れで1日を過ごします。
| 時間 | 内容 |
| 8:30 | ・園バスまたは保護者に送ってもらい登園する ・荷物の整理や連絡帳へのシール貼りを済ませる |
| 9:00 | ・朝の会で日付の確認や季節の歌を歌う ・園庭遊びや工作、体操、合奏などの活動を楽しむ |
| 12:00 | ・持参したお弁当をお友だちと一緒に食べる ・片付けや歯磨きなどを行う |
| 13:00 | ・室内外での自由遊びを楽しむ ・着替えや荷物の整理などお帰りの準備を済ませる |
| 14:00 | ・帰りの会で翌日の予定や持ち物などを知らせる ・園バスまたは保護者のお迎えで降園する |
| 15:00 | ・預かり保育がある子どもは遊びながら過ごす ・順次、保護者のお迎えで降園する |
幼稚園を選ぶときに注意したいポイント
子どもが初めて集団生活を始める場だからこそ、園選びは慎重に行いたいものです。ここからは、幼稚園を選ぶ際に確認しておきたいポイントを紹介します。
保護者の就労状況
保護者が短時間の就労に就いている場合、あるいは専業主婦(夫)の場合は、幼稚園を選んで問題ありません。しかし、長時間働く場合や長期休暇中に預け先が必要な場合は、保育園や認定こども園も選択肢に入れて検討しましょう。
保育園に入園するには、家庭で保育できないことを証明する書類が必要です。そのため、子どもが在園中に保護者が退職すると、退園しなければならない場合もあります。一方、認定こども園であれば就労の有無に関係なく在籍できるため、今後の働き方を視野に入れながら選ぶとよいでしょう。
園独自の教育方針
幼稚園には独自の保育方針があり、受験対策に力を入れている園や、体操や水泳といった運動を重視する園など、それぞれに特色があります。家から近いからというだけで選ぶと、家庭の教育方針と合わずに、あとから不満が出ることがあるので注意しましょう。
場合によっては、子どもの気質と園の方針(スケジュールが過密、教育重視など)が合わないこともあります。そうならないためにも、公式サイトなどで希望する園の特色を確認したり、通っている家庭の声を参考にしたりして、時間をかけて選ぶのがおすすめです。
利用料以外の特別な費用
幼稚園では、3~5歳児の利用料が基本的に無料です。ただし、毎月の給食費や預かり保育料などは自己負担となります。さらに、入園時には出願料、入園費、制服代、学用品代などが必要になることもあります。
また、行事のたびに参加費や写真代などがかかるケースも少なくありません。入園後に想定外の出費で困らないよう、事前にどのような費用が発生するかを把握しておきましょう。
給食の有無
幼稚園によって、給食の有無や形式は異なります。毎日お弁当が必要な場合もあり、保護者にとっては大きな負担になることも。お弁当作りが難しいと感じる方は、給食がある幼稚園を選ぶと安心です。
なかには「週に数回だけ弁当の日がある」「白米だけ持参しておかずは園で提供される」といったスタイルの園もあるので、希望に合うかどうかをしっかり確認しましょう。
預かり保育の有無
幼稚園は基本的に保育時間が短いため、就労や介護などがある家庭にとっては、預かり保育の利用が欠かせません。しかし、園によっては預かり保育を行っていなかったり、時間や条件に制限があったりします。
「何時まで預かりが可能か」「おやつは出るのか」など、気になる点は入園前に聞いておきましょう。
長期休み中の保育
多くの幼稚園は、小学校や中学校と同じように、夏休みや冬休みといった長期休暇があります。そのため、就労している家庭では、仕事を調整したり、親や親戚に子どもの世話をお願いしたりする必要が出てきます。
調整が難しい場合は、長期休暇中も預かり保育を行う幼稚園を選びましょう。
保護者の負担
幼稚園によっては、保護者が参加する行事やPTA活動が多い場合があります。保護者主催で行事を行う園もあり、その場合は打ち合わせや買い出し、準備などで何度も幼稚園に足を運ばなければなりません。
保護者同士の付き合いに不安を感じる方は、こうした負担の有無も確認しておくとよいでしょう。実際に通園している家庭の声を聞くことで、より正確な情報が得られます。
まとめ
幼稚園は、満3歳以上の未就学児を対象に、「幼稚園教育要領」に基づいた教育を行う施設です。幼稚園のほかに保育園、認定こども園などの施設もありますが、幼稚園は「教育」、保育園は「保育」、認定こども園は「教育・保育」を担うという違いがあります。
幼稚園を選ぶ際は、教育方針や費用の内訳、給食や預かり保育の有無などをしっかり確認し、入園後に後悔しないようにしましょう。
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