園外保育とは?活動の目的や円滑に進めるポイントも解説

園外保育とは?活動の目的や円滑に進めるポイントも解説

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園外保育に初めて取り組む場合、具体的な活動内容や注意点が気になる保育士の方も多いではないでしょうか。園外保育は子どもたちに新鮮な体験をさせてあげられる活動ですが、園外には危険も多いため、事前準備や当日の配慮が大切です。

そこで今回は、園外保育の概要や目的、子どもが得られるメリット、園外保育を円滑に進めるポイントについて解説します。園外保育を担当する保育士の方や、保育士を目指して勉強中の方はぜひ参考にしてください。

園外保育とは?どんな活動内容?

園外保育とは、保育園の外に子どもたちを連れて行き、遊びや学習をさせる活動です。園外保育で実施される主な活動内容として、次の2つが挙げられます。

〇園周辺の散歩や公園遊び
保育園の周囲を散歩すると、道路の様子や保育園周辺の風景が目に入ります。植物や虫など、季節による変化を子どもたちに見せることが可能です。

公園遊びでは、普段の園庭とは異なる広場やアスレチックで遊べます。広い公園は子どもたちが全力で動き回れるため、園外保育に適した環境です。

〇公共交通機関を使う遠足
園外保育では、電車やバスなどを使って、徒歩ではアクセスしにくい距離にある施設へ遊びに行く場合もあります。園外保育の遠足では、動物園や水族館、近所の学校や交通公園などに行くケースが一般的です。

遠足では、子どもたちが普段見たことのない動物や魚を見たり、知らない場所で遊んだりして楽しめます。

園外保育を行う目的|子どもに与えるメリット

園外保育を行う目的は、通常の保育とは異なる環境に子どもたちを連れて行き、普段の生活では得られない経験をさせることです。

保育園における日常的な生活から離れて1日を過ごすことは、子どもたちにとってさまざまなメリットがあります。

次に、園外保育の狙いや子どもたちにとってのメリットを3つ、それぞれ詳しく紹介します。

1. 外の刺激で五感や知的好奇心を育む

園外保育を行う1つ目の目的として、「園外で得られる刺激により子どもたちの五感や知的好奇心を育むこと」が挙げられます。

保育園に通う年齢の子どもたちは、園外保育によって知らなかった情報に触れられます。季節による気温の違いを肌で感じたり、初めて見る遊具で遊んだりすれば、子どもたちは五感を健やかに発達させることが可能です。

また、園外保育では外の世界に対する興味がわきやすく、知的好奇心が芽生えるきっかけが豊富にあります。子どもたちがさまざまな事柄に興味を持てるようになることが、園外保育の大きなメリットです。

2. 社会生活のルールを学ぶ

園外保育を行う2つ目の目的として、社会生活のルールを子どもたちに学ばせることが挙げられます。

園外保育では、園外の道路を安全な歩く方法や横断歩道の渡り方、さらに信号機のルールなどの学習が可能です。また、公共交通機関を使う場合は、他の人に迷惑が掛からないような行動も学べます。
また、園外保育では普段の保育とは異なる持ち物を用意するため、リュックや水筒の使い方などを学ぶことも可能です。社会生活のルールを学び、集団行動に慣れれば、保育園を卒業したあとにも問題なく生活できるようになるでしょう。

3. コミュニケーション能力を養う

園外保育を行う3つ目の目的として、コミュニケーション能力を養うことが挙げられます。

園外保育では集団行動を通じて、引率する先生や外出先の人たちとのコミュニケーションが生じます。先生の言うことを聞いたり、外出先の人たちと接したりすることは、情報を受け取る力の習得に有用です。

また、園外保育で触れた情報に対する感想を、友だち同士や家族と話すことによっても、コミュニケーション能力が養われます。自分が体験した状況や感じたことを言葉にして他人に伝える力が身に付くことが園外保育のメリットです。

園外保育の流れと円滑に進めるポイント

園外保育を円滑に進めるためには、当日に子どもたちの引率に気を配るだけでなく、事前の準備も重要となります。園外保育の流れとポイントをおさえておけば、園外保育が初めてでも滞りなく仕事を進めることが可能です。

最後に、園外保育を実施する際の流れに沿って、円滑に進めるためのポイントを紹介します。

1. 前日:下見などの事前準備を怠らない

園外保育を担当する保育士の方は、事前準備として下記の項目を実行しましょう。

〇マニュアルを読んで理解する
保育園の資料として園外保育のマニュアルが用意されている場合は、事前に読んで内容を理解します。マニュアルの記載内容は、子どもたちを園外で引率する際に配慮すべきポイントや、必要な持ち物リストなどが一般的です。

〇目的地を決めて一度下見する
園外保育の目的地は、保育園からの行きやすさや、子どもが安全に楽しめる場所の有無などを考慮して決めましょう。また、目的地が決まったら一度下見をして、道のりや道路の安全性を確認することがポイントです。

〇子どもたちに内容を共有する
園外保育の内容は保育士が決めるだけでなく、目的地や注意事項などを子どもたちに共有して関心を高めましょう。目的地の情報を事前に伝えれば、子どもたちは当日を楽しみに待つことができます。

横断歩道を渡る際の交通ルールや乗り物の乗り方は、子どもにもわかりやすいようイラストなどの視覚情報を使って教えることがポイントです。

2. 当日:健康状態や持ち物を確認する

園外保育の当日は、子どもたちの健康状態や持ち物を確認しましょう。

保育園を出発する際は、出席している子どもの人数と体調のチェックが重要です。具合が悪い子がいないか確認するだけでなく、トイレに行きたい子がいれば出発前に済ませておくとトラブルが避けられます。

また、出発後も子どもたちの健康状態を確認し、気になる変化が見られた場合は声をかけて確認しましょう。

持ち物については、保育士自身が持ち運ぶ救護用品や携帯電話のほか、お弁当など子どもたちの持ち物の確認も必要です。あらかじめチェックリストを作成しておくと、持ち物が揃っているかスムーズに確認できます。

乳児を園外へ連れて行く際は、ベビーカーや散歩カートに不具合がないかも確認しましょう。

3. 移動:周囲に配慮して安全を確保する

子どもたちが移動する際は、周囲に配慮して安全を確保する必要があります。道を歩くときは列になって道路へはみ出さずに歩かせたり、子どもたちに2人ずつ手をつながせたりすることで、迷子になったりけがをしたりするリスクを減らせます。

園外保育の目的地が公園の場合は、遊具の安全な使い方を子どもたちに教えたり、公園の外に出ないよう遊ぶ範囲を決めたりすることがポイントです。もし危険性の高い遊具があれば使用を禁止して、子どもたちの安全管理をしましょう。
園外保育の目的地が公共施設であれば、他の利用者に迷惑をかけないような配慮も重要です。博物館や水族館などの屋内施設では、狭い場所で走り回ったり大声で騒いだりしないよう子どもたちに言い聞かせましょう。

4. 帰園:最後まで確認や共有を徹底する

園外保育から帰園したら、再度子どもたちの人数や健康状態について確認します。

園外保育では子どもたちが不慣れな環境で活動するため、想像以上に疲れてしまうケースも少なくありません。子どもたちの様子や顔色を1人ずつ見て、体調の悪そうな子がいれば声をかけてあげましょう。

また、帰園後は保育園の責任者へ報告します。共有すべき内容は、園外保育におけるトラブルの有無や子どもたちの様子などです。保育園によっては園外保育からの帰園時間を報告する場合もあります。

園外保育から帰ってきたあとに報告する内容や、報告する人について事前に確認し、スムーズに情報共有を行いましょう。

まとめ

園外保育とは、園周辺の散歩や公園遊び、公共交通機関を使った遠足などです。園外保育ではいつもと違った環境で活動するため、子どもたちの知的好奇心やコミュニケーション能力が育めます。

また、園外保育を実施する際は、事前準備や子どもたちの安全確保、情報共有などを徹底しましょう。

このほか、保育士に役立つ情報・知識は、マイナビ保育士が運営する情報サイト「ほいくらし」で幅広く学べます。日々の保育に役立つ最新情報を知りたい保育士の方は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

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