園外研修とは?内容や保育士を参加させる目的と注意点を解説

園外研修とは?内容や保育士を参加させる目的と注意点を解説

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大切なお子さんを預かるにあたり、保育園に求められるのが「保育の質」です。現代の保育園は、保護者から求められるニーズが多様化・高度化しており、保育士の成長のために園外研修を実施している施設も少なくありません。

園内だけでは得られない知識・技術が学べる園外研修ですが、保育士が参加することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。そして、研修の効果を高めるには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

今回は園外研修について取り上げ、その概要や目的、保育士を参加させる際のポイント、注意などを解説します。園外研修の実施にあたって不安・疑問がある人や、園外研修の効果を高めたい人は、ぜひ参考にしてください。

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園外研修とは

園外研修とは、自治体や公的機関、民間企業などが実施する研修のことです。研修には地域の保育士が集まり、保育の質の向上を目指して専門性の高い保育知識やスキルを学びます。また、園外研修には座学から実技まで幅広いプログラムがあり、保育分野の著名な講師の講義を聞く機会もあります。

園外研修の一例としては、平成29年に厚生労働省によって導入された「保育士等キャリアアップ研修(※)」が挙げられます。同研修では、保育に必要な専門知識からリーダー向けのマネジメントスキルまで、幅広く学ぶことが可能です。

※保育士の処遇改善と専門性向上のために、厚生労働省が定めた制度のこと。

園内研修との違い

園内研修は、それぞれの保育園が職員のために開催する研修で、「内部研修」と呼ばれることもあります。園の行動指針や職員に知っておいてほしい知識、身につけてほしいスキルを学ぶために開催されるケースが多く、ときに外部講師を招くこともあります。

園外研修と園内研修は主催者や目的が異なりますが、保育の質を高めるためには、両方を定期的に実施するのが望ましいとされています。

園外研修の目的

園外研修の主な目的は、「保育スキルの向上」「専門知識の強化」「保育士のモチベーション向上」などです。園外研修に参加することにより、保育の質を高めるための好ましい変化が期待できます。

事実、ベネッセ次世代育成研究所が行った「認定こども園における研修の実情と課題」に関する調査結果を見ても、「保育士を園外研修に参加させた成果」として、上記と同様の内容が挙げられています。

■園外研修の成果
専門知識の強化68.6%
モチベーションの向上65.7%
保育スキルの向上57.1%
幼児教育の質の向上45.7%

(出典:ベネッセ次世代育成研究所「認定こども園における研修の実情と課題」/https://berd.benesse.jp/up_images/research/research14_digest.pdf

こうした点からも、園外研修は保育現場に直接反映できる知識・スキルが身につく、実践的な研修であると言えるでしょう。なお、このほかに「他園との交流や情報交換ができた」「自園の課題発見につながった」などの成果も挙げられていますが、それらは副次的なものです。

園外研修の参加頻度

園外研修に参加する頻度は、国公立幼稚園が最も高い傾向にありましたが、近年は保育士のキャリアアップ研修の普及が後押しし、私立保育園や認定こども園の園外研修も活発となっています。

園外研修の参加頻度は、以下のようになっています。

園外研修の参加頻度

頻度管理職(園長・所長・施設長など)保育士
半月に1回程度4.9%0.0%
月に1回程度29.8%14.7%
2~3カ月に1回程度38.8%43.7%
半年に1回程度18.8%26.5%
年に1回程度1.6%10.6%

(出典:ベネッセ次世代育成研究所「認定こども園における研修の実情と課題」

https://benesse.jp/berd/up_images/research/research14_digest.pdf

管理職・保育士ともに園外研修への参加頻度は、2~3カ月に1回程度が最も多いようです。また、保育士よりも管理者のほうが園外研修への参加スパンが短く、高頻度で参加していることがわかります。

研修内容を保育現場に反映させることを考えるなら、園外研修は2~3カ月に1回の頻度で実施するのが目安と言えるかもしれません。

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園外研修の種類

園外研修のプログラムには、キャリアアップ研修の分野である「乳児保育」「幼児教育」「障害児保育」「食育・アレルギー対応」などのほか、救命救急や現場で使える手遊びなどもあります。園外研修の種類は、主に以下の3つに分けられます。

座学研修

座学研修では、保育や保護者支援、社会人としての基礎などを学びます。専門家からノウハウを学ぶほか、さまざまな考え方に触れるためにテーマに沿ってディスカッションを行うこともあります。

実技研修

実技研修では、絵本の読み聞かせや製作、歌唱、リトミックなどを実践形式で学びます。流行に沿った内容を取り入れることが多いため、普段の保育はもちろん、発表会や運動会などに生かせるアイディアも得られます。

視察研修

視察研修では、ほかの保育園に足を運び、その雰囲気や取り組みを実際に見て学びます。子どもへの声かけや遊びの展開方法など、自園で実践できそうなことを学んで帰るほか、主任保育士や園長との懇談の時間が設けられることもあります。

園外研修に保育士を参加させる際の注意点5つ

園外研修に保育士を参加させるにあたっては、研修受講者の意識や行動が好ましい方向に変わることが重要です。そして、そのためには園長などの管理職が、研修を受講する保育士をきちんとサポートする必要があります。

ここでは、園外研修に保育士を参加させる際のポイントを5つ解説します。

参加する研修の計画を立てる

在籍している保育士の人数次第では、頻繁に研修に参加させるのが困難な保育園も少なくないでしょう。保育士の数にかかわらず、時期によっては園外研修に参加させる余裕がなくなることもあります。

そのため、園外研修に参加する際は、「誰にどのような研修参加を促すのか」について、計画を立てておくことが大切です。計画に基づいて、それぞれの保育士にバランスよく外部研修の機会を与えれば、保育園全体の底上げが期待できるでしょう。

<ポイント>

  • 過去に参加した園外研修を一覧にしておく
  • 保育士の自己評価を理解して研修を選択する
  • 研修参加の意向をくみ取れるようにする

日程調整・時間の確保を行う

日程調整や時間の確保に失敗すると、保育士が園外研修を受講する際の大きな阻害要因になります。そうならないためにも、保育園側は保育士が園外研修に参加しやすくなるような環境づくりに努めましょう。

保育にあたる人数が減ることで、ほかの保育士の負担が増す可能性はありますが、園外研修で得られるメリットは決して小さくありません。下記のポイントを実践して、保育士が研修に参加するための時間を作ってみてください。

<ポイント>

  • 事前に年間研修計画を作成しておく
  • 保育士の休暇について確認しておく
  • 代替保育士の配置や合同保育で負担を軽減する

参加するときの注意点を確認する

園外研修に参加する際は、研修の概要を把握したうえで適切な準備を行わないと、研修のメリットを最大限に得られません。

参加する研修の内容や日時、服装、持ち物など、事前にわかる内容を参加者と共有して、準備を整えましょう。

<ポイント>

  • 研修内容について事前に下調べするよう声をかける
  • 似たような外部研修に参加した保育士に要点を聞いておく
  • トラブル回避のため、到着・終了時の連絡を徹底する

参加後の報告・共有を実施させる

園外研修に参加した保育士については、知識・スキルの向上が期待できます。しかし、参加するだけで終わったら、特定の保育士しかその恩恵を受けることができません。保育園全体を成長させるためには、園外研修に参加した保育士に、研修で学んだことを報告・共有してもらうことも重要です。

<ポイント>

  • 当日の資料を印刷して全員に配布する
  • 研修内容を報告書にまとめて全員が閲覧できるようにする
  • 研修参加者がリーダーとなり園内研修に落とし込む

1回だけではなく定期的に研修を受講させる

園外研修を1回受けただけで、研修内容を現場に生かすのは難しく、定期的に受講してはじめて効果が得られます。

研修内容が現場で役立てられ、維持されることを「研修転移」と呼びますが、園外研修において研修転移を促進するには、「往還型研修」と呼ばれる研修実践方法が有効とされています。往還型研修とは、外部の研修と保育現場の実践を行き来することで、より効果的に保育の質を高めることを目指す方法です。

ちなみに、「保育士等キャリアアップ研修」の受講生119人を対象とした調査においては、98%の受講者が往還型研修に対して肯定的な回答を行っているというデータもあります。

(出典:Medical Online「研修(平成30年度)の成果に関して「研修の成果に関する内容の項目」への回答結果」/https://www.jschild.med-all.net/Contents/private/cx3child/2020/007902/002/0099-0103.pdf)

往還型研修参加者のほぼ全員が、好ましい変化を実感していることからも、園外研修を定期的に実践することの重要性がうかがえます。

幼児教育の質を高めるために意識すべきポイント3つ

保育の質を高めるためには、園外研修をはじめとした研修を実施する以外にも、意識すべきポイントがあります。

ここでは、園長・主任保育士などの管理職が、保育の質や保育士の資質を高めるために意識すべきポイントを3つ解説します。よりよい保育サービスを実現するためにお役立てください。

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保育士と信頼関係を築く

子どもたちに質の高い保育サービスを提供するためには、同じ保育園で働く園長や主任保育士から、現場を担当する保育士までが、相互に信頼し合える関係を築くことが大切です。

信頼関係が高まるほど、園内の風通しがよくなりコミュニケーションも円滑化されます。そうなれば、保育の質を高めるための意見やアイディアが積極的に出されるようになるでしょう。

園内の信頼関係を築くためには、リーダーである園長や主任保育士から働きかけることが大切です。リーダーとしての責任感や保育士を育てる姿勢を示すことで、保育士からの信頼向上が期待できるでしょう。自己開示を行ったり、過去の失敗や自分の経験を話したりすることも信頼関係を築くためのよい方法です。

信頼関係は保育園運営の基盤となるため、積極的に信頼関係の構築に努めてください。

学び合うチームを作る

幼児教育の質を高めるためには、園内外の研修以外にも、楽しみながら学び合える環境やチームを作ることが重要です。例えば、週1回15分程度のお茶会を実施するだけでも、保育士同士の情報共有や意見交換を活性化させられます。短時間でも学び合う機会があれば、保育士同士の学び合う習慣も徐々にできあがっていくでしょう。

幼児教育の質を高めるためにも、保育士同士の学び合いを活性化させる工夫を実践してみてください。

保育園の理想を発信する

一般企業では、会社が一つの方向に向かって進むために、経営者がミッションやビジョンを社員に向けて発信します。保育園においても、園長や主任保育士が保育園の理想や理念を発信することで、保育士に行動の指針を示せるでしょう。

保育園の理想や理念を共有すれば、全員が幼児教育の質を高める方向に向かうことができます。また、発信する内容を具体的な行動レベルにまで落とし込めば、理想や理念がより深く実感でき、日々の保育活動にも変化が見られるはずです。

まとめ

園外研修は、保育園の外部から新たな知識や技術を取り入れられることが特徴です。定期的に保育者を園外研修に参加させることで、園内だけで研修を行うよりも効果的に保育の質や保育者の資質を高めることができます。

保育者を園外研修に参加させる際には、園内での情報共有やスケジューリングの工夫など、

研修の恩恵を最大限に高めるための工夫を行うことが大切です。

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