情操教育とは?適した時期はいつ?家庭でできる教育例も紹介

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小さな子どもを育てる保護者の中には、自分の子どもに幅広い教育を行いたいと考えている方も多いでしょう。教育というと「読み・書き・計算・英語・プログラミング」などをイメージしがちですが、感受性が豊かな幼少期に、心や人間力を育てる情操教育を行うことも大切です。では、情操教育とはどのような教育内容を指すのでしょうか。

当記事では、情操教育の概要や種類、情操教育を行うメリットについて解説します。情操教育に適した時期や家庭でもできる情操教育の例を確認して、適切な時期に情操教育を実践し、心や人間力を育むための基礎をつくりましょう。

情操教育とは

「情操」とは、優れたものや尊いものに触れたり、美しいものを見たりしたときに感動する豊かな心のことを指します。「豊かな心」には、芸術的な感性だけでなく、家族への愛情やお友達への思いやり、他人を尊敬する姿勢、良いことを行おうとする気持ちなども含まれることに留意しましょう。

このような子どもの情操を、様々なアプローチから育てる教育が「情操教育」です。情操教育は、自分で物事を考える力や価値観・道徳・協調性といった感性を形成するために非常に重要な役割を果たすため、子育てに取り入れていくことをおすすめします。

情操教育の種類|各概要とメリットも

情操教育は育てる情操の種類によって「科学的情操教育」「美的情操教育」「道徳的情操教育」「情緒的情操教育」の4種類の領域に大きく分けることができます。では、それぞれの分野ではどのような教育を行うのでしょうか。

ここでは、4種類の情操教育の概要を紹介します。それぞれの教育を行うメリットも確認し、家庭での情操教育に役立てましょう。

科学的情操教育

小さな子どもは好奇心のかたまりであり、自分のまわりの状況や環境、周囲で発生する事象に対し、「どうして?」「なぜ?」と「不思議」を感じる能力が高いと言われています。科学的情操教育は、子どもの「どうしてこうなるか知りたい」といった知的好奇心を刺激し、育てていく教育です。

科学的情操教育によって知的好奇心を満たす経験を積むと、「学ぶことが楽しい」と感じられる子どもに育ちやすくなるというメリットがあります。学ぶことに明るいイメージをもつことができれば、自分から積極的に勉強や学習に取り組めるようにもなるでしょう。自分から学ぶ姿勢を築くことにより、自分で考える力も身につきます。

美的情操教育

絵本や花壇に咲く花、歌声やピアノの音など、子どもの周囲には美しいものやキレイなもの、心を動かされるものが多数存在しています。美しいものや感動するものに触れたときに、「美しい」「感動する」と素直に感じる心を育てるための情操教育が美的情操教育です。

美しいものを「美しい」と感じる心を育てることで、豊かな感性や個性、想像力などを育むことができます。自己表現を行う際の美的センスも養われるため、自分の想像力・創造力に自信をもてるようになるでしょう。また、芸術への興味関心を高めることにより、勉強や仕事以外にも打ち込めるものができる可能性があるというメリットもあります。

道徳的情操教育

学業面などで優秀な子でも、人の傷つく言葉を平気で言うなど他者への思いやりに欠けてしまうと、子ども自身も周囲の人も生きづらさを抱えてしまう恐れがあります。善悪の判断や他の人への思いやりの心を育てる方法には様々な方法がありますが、幼い頃から道徳的情操教育を行うことも1つの方法です。

道徳的情操教育とは、他の人を思いやる心や物事の善悪を考える力を養うための情操教育のことを指します。他者に配慮する心や善悪を判断する力が身につくため、良い方向に向かえるよう自分で考えて行動できる力を育むことができるでしょう。道徳的情操教育を通して協調性や社会性が養われるため、学校生活や社会生活を上手にこなす力も身につきます。

情緒的情操教育

情緒的情操教育とは、自分や家族、周囲の人々(お友達や先生など)を始めとして、地球上に存在するあらゆる生物(動物・植物)の命を大切に感じる心を育むための教育です。命の尊さを知ることで、自分の命のみならず、他者や自然界の生物の命も大切にできるようになり、相手を尊重・尊敬できる心を養えるでしょう。

情操教育はいつから?適した時期

子どもの発達や発育のスピードには個人差があるため、情操教育の適切な開始時期として、一概に「何歳から」と言うことはできません。子どもの特性に合ったスタートが大切ですが、開始時期に迷っている方は、3歳頃から様子を見ながら情操教育を始めるとよいでしょう。

3歳頃からのスタートがおすすめである理由は、下記のとおりです。

・3歳頃になると、一般的にある程度の言葉が理解できるようになる
・イヤイヤ期が落ち着く傾向が見え始め、子ども側の教育を受ける態勢が整い始める
・幼児期(0〜6歳頃)は脳の発達が著しく、3歳前後は特に急激に成長する

ただし、情操教育は3歳前後で始めなければ影響を受けられないというわけではありません。幼児期から10歳前後までに行えば効果が得られると考えられているため、小学校低学年のお子さんを育てる方も、ぜひ今から家庭で実践してみましょう。

家庭でもできる!情操教育の実践例4選

「情操教育」という言葉や内容から、「情操教育を家庭で行うことは難しいのでは」と不安に感じている方もいるでしょう。しかし、子どもの日常生活や遊びの中には情操教育の教材が無数に存在しており、保護者が意識的に取り入れることで家庭でも十分に情操教育を行えます。

では、家庭で行える情操教育にはどのような実践方法があるのでしょうか。ここでは、家庭で取り組める情操教育の学びの例を4つ紹介します。以下で紹介する例を参考に、親子で楽しく取り組める情操教育を実践しましょう。

自然(植物)や生き物に触れる

ペットを飼ったり動物園や水族館などで動物に触れたりすることで、命の大切さを考えるきっかけとなります。自然の中で遊ぶことや収穫体験などの行事への参加を通して、季節の移り変わりを感じたり、植物に対する愛情を養ったりすることもできるでしょう。

また、動物や植物に触れることで、生き物や自然に対して「なぜ」「どうして」といった不思議・疑問を感じる機会も増えます。知的好奇心や認知能力を育成することができ、自分で考える力や行動能力も鍛えられるでしょう。

スポーツをして体を動かす

休日に親子でできるスポーツの練習をしたり、スイミングクラブや体操教室といったスポーツの幼児教室に通ったりすることも、家庭でできる情操教育の1つです。スポーツで体を動かすことには、体力づくりや健康増進だけでなく、達成感や成功体験による自己肯定感の獲得など精神面で安定するといった効果があります。

また、サッカーなどの団体競技に参加することで、思いやりの心や相手の気持ちを理解する能力が身につくことが期待できます。練習する過程で、協調性や社会性、忍耐力も養われるでしょう。

絵本を読み聞かせる

絵本の中には様々な世界・文化が広がっており、人間だけでなく動物や植物、クレヨンなど身近なものなど、魅力のある多様なキャラクターたちが登場します。絵本の読み聞かせを実践することで、子どもの想像力や創造性、感受性が育つでしょう。読書を行う習慣づくりにも繋がります。

絵本の読み聞かせを行うときはテレビを消すなど、絵本の世界観に集中できる環境づくりを行うことがポイントです。絵本の内容を見たり聞いたりして芽生えた感情や考えたことを子ども自身が大切にできるように、オーバーアクションで読むことや、感想を話すことを強要することは避けましょう。

音楽や芸術に触れる

美術館やコンサートといった空間を体験し、大人と一緒に芸術性の高い本物の作品を鑑賞することは、芸術的な感性(美的感覚)や表現力、情緒を養うことに繋がります。小さな子どもでも入館・入場できる展覧会や、幼児・児童を対象とした音楽会もあるため、インターネットなどで場所やテーマなどを確認してみましょう。

また、リトミックへの参加や楽器の演奏など、子ども自身が芸術に関する表現活動に取り組むことも、想像力・思考力・集中力や音楽的センスなどの成長に繋がります。音楽教室などの習い事を始めることも1つの方法ですが、カスタネットやタンバリンなど家庭でも演奏しやすい楽器を取り入れることもおすすめです。

まとめ

情操教育とは、子どもの情緒を育てることを目的とした教育であり、自分で考える力や他者を思いやる心など、現代の社会を生きる上で重要な能力や感性が育つと言われています。家庭でも可能な情操教育は多岐にわたるため、3歳前後を目安に家庭でも情操教育の要素を取り入れてみましょう。

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