保育士の仕事内容|1日の流れ・やりがいと苦労・資格取得方法も

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保育士は、小学校就学前までの乳幼児の保育や、地域の子育て支援を行う職業です。子どもと関わる時間が多いイメージを持つ方は多くいますが、事務作業など子どもへの保育以外の業務も多く、さまざまな仕事内容があります。

保育士が自分に合う仕事か確かめたい場合は、仕事内容について詳しく知っておきましょう。

今回は、保育士の仕事内容について解説します。1日の流れだけでなく、やりがいと苦労、資格の取得方法なども解説するため、保育士を目指す方は参考にしてください。

保育士の主な仕事内容

保育士の主な業務は、子どもと接する業務(コンタクトタイム)と、子どもと接しない業務(ノンコンタクトタイム)の2つに分けることができます。下記は、保育士の1日の業務時間における、仕事内容別の時間の割合をまとめた表です。

業務時間の割合
子どもと直接的に接する業務(コンタクトタイム)66.1%
事務作業・裏方業務(ノンコンタクトタイム)33.9%
(出典:厚生労働省「令和元年度 保育士の業務の負担軽減に関する調査研究 事業報告書」/https://www.mhlw.go.jp/content/000636458.pdf

保育士の仕事はコンタクトタイムの割合が多くなっているものの、事務的な業務も33.9%を占めています。ここでは、それぞれの業務について詳しく解説します。

子どもと直接的に接する業務

保育士の中心的な業務は、子どもと直接的に接する業務です。下記は、子どもと直接的に接する仕事内容と、具体例をまとめた表です。

仕事内容具体例
身の回りのお世話や生活習慣の育成・着替えや食事、トイレのサポートなど、年齢別や発達段階に応じたお世話やサポート・食事や昼寝、歯磨きやおやつなどの規則正しい基本的な生活習慣の指導
子どもの健康管理・登園から降園までの子どもの観察、健康管理・必要に応じた保護者対応
知識や能力、社会性の育成・絵本の読み聞かせ、体を使った遊び、クレヨンやはさみなどの道具の使い方指導、基礎的な知識や能力の育成・保育園内での集団行動を通したコミュニケーションの取り方の指導

集団生活や集団行動の中で、保護者から預かった子どものお世話や生活習慣の育成を通し、社会性や自立心などを育てていきます。

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事務作業・子どもへの保育以外の業務

保育士の仕事内容には、事務作業なども含まれます。下記は、事務作業・子どもへの保育以外の仕事内容と、具体例をまとめた表です。

仕事内容具体例
保護者のサポート・登園時や降園時の保護者との連携・子どもの園での活動や様子を連絡ノートに記入・育児相談やアドバイスなど、保護者との個別面談
継続的な保育や教育を行うための事務作業・お便りの作成、配布・保育日誌や個人記録の作成・保育、行事に関連する教材や物品の管理、発注
保育環境の清掃や整備・子どもの受け入れ・翌日の保育や活動の準備・片付け、清掃、消毒など
イベントの計画・準備・入園式や遠足、運動会などの季節行事・イベントにおける行動計画の作成・作品展示や行事・イベントに合わせた室内装飾・保護者会や参観、懇談会などの保護者向け行事計画の作成、準備

子ども一人ひとりや保護者と向き合う保育士にとって、保育園の運営に関係する事務的な業務も大切な仕事です。

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保育士の1日の流れ

保育園によって、保育士のスケジュールや仕事内容が異なるケースはあるものの、一般的な流れに大きな違いはありません。下記は、保育士の1日の流れをまとめた表です。

時間仕事内容
7:00~・子どもの受け入れ準備・仕事内容の確認
7:30~・保護者や園児への挨拶
9:45~・朝礼で注意事項を共有・朝の会、朝の体操を実施
10:00~11:00・手遊びや歌、お絵描き、読み聞かせなど
11:00~11:30・昼食の準備、アレルギー食材の除去食の確認、配膳
11:30~12:30・園児と一緒に給食を食べながら栄養・食事指導
12:30~13:00・食器の後片付け
13:00~14:00・お昼寝の様子を適宜観察しながら休憩・保育日誌や連絡帳の記入
14:00~14:30・園児の起床、布団の片付け・着替えのサポート
15:00~15:30・おやつの準備、配膳・食器の後片付け
16:00~19:00・帰りの会・園児のお見送り、保護者への挨拶や保育所での様子を共有
19:00・退勤

園児が降園するまでは、コンタクトタイムの割合が高い傾向です。一方、お見送りが始まる16時以降は、事務作業の割合が増加します。特に18時以降は、ノンコンタクトタイムの割合が約68.8%を占めている状態です。

(出典:厚生労働省「令和元年度 保育士の業務の負担軽減に関する調査研究 事業報告書」/https://www.mhlw.go.jp/content/000636458.pdf

保育士の作業負担が増えていることもあり、ICTシステムの活用や導入によって、保育士の事務作業の業務改善や効率化が進められています。

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保育士のやりがいと苦労

保育士は、さまざまな場面でやりがいを感じられる職業です。保育士の登録者数は年々増加しており、平成30年時点で約154万人となっています。共働き世帯の増加もあり、保育士の需要は高い傾向です。

(出典:厚生労働省「保育士の現状と主な取組」/https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000661531.pdf

とはいえ、保育士として働く場合はさまざまな苦労もあります。ここでは、保育士のやりがいと苦労に関して解説します。

保育士のやりがい

保育士として働いていると、さまざまな面でやりがいを感じられます。やりがいを感じる場面の例は下記のとおりです。

・子どもの成長を近くで感じられる
・子どもにとって必要な存在、特別な存在になれる
・子どもと過ごす中で新たな発見や成長ができる
・行事が終わった後に達成感を得られる
・保護者から信頼を得られ、育児について相談される

クラス担任や園長などの役職に就くと、仕事量が増加するため負担も増えます。しかし、子どもとの関係性が深まりやすくなり、喜びや感動も得られやすくなる傾向です。

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保育士の苦労

保育士の仕事には、苦労や大変さを感じる仕事内容もあります。現場で働く保育士が苦労や大変さを感じやすい場面の例は、下記のとおりです。

・上司や同僚などの職場、保護者との人間関係
・事務作業の負担の大きさ
・給料の少なさ
・労働時間の長さ
・自身の体調管理

厚生労働省の調査によると、退職理由としてもっとも多い項目が「職場の人間関係」であり、全体の33.5%を占めています。次いで「給料が安い」「仕事量が多い」という結果となっており、保育以外の部分で苦労を感じるケースが目立ちます。

(出典:厚生労働省「保育士の現状と主な取組」/https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000661531.pdf

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保育士資格の取得方法

保育士になるためには、国家資格である保育士資格を取得する必要があります。保育士資格の取得ルートは以下の2つです。

(1)指定保育士養成施設を卒業する
厚生労働大臣が指定する大学・短期大学・専修学校・その他施設で所定の科目・課程を履修することで、卒業時に保育士資格を得ることができます。
(2)保育士試験に合格する
独学あるいは通信講座・スクールなどを利用して勉強し、試験に合格することで保育士資格を得ることができます。ただし、下記のいずれかの受験資格を満たさなければなりません。
・大学、短期大学などに2年以上在学し、62単位以上修得・児童福祉施設における保育補助などの実務経験(高校卒業者は2年以上かつ総務勤務時間2,880時間以上など)・知事による受験資格認定

(出典:一般社団法人 全国保育士養成協議会「受験資格」/https://www.hoyokyo.or.jp/exam/qualify/index.html

保育士とは関係のない学科であっても、学校教育法に基づいた大学・短期大学・専修学校などを卒業していれば、保育士試験を受けることができます。

保育士試験の内容は、筆記試験8科目と実技試験です。実技試験に進むためには、筆記試験のすべてに合格しなければなりません。両試験に合格すると合格通知書が届き、保育士登録が可能となります。

(出典:一般社団法人 全国保育士養成協議会「保育士試験とは」/https://www.hoyokyo.or.jp/exam/about/index.html

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まとめ

保育士の主な仕事内容は、子どもと接する業務です。しかし、事務作業など子どもと関わらない業務もあるため、どちらもこなせるように取り組みましょう。

保育士として働く場合、さまざまな場面でやりがいを感じることが可能です。苦労する場面もありますが、子どもと接することが好きな方にとって、保育士は最適な仕事といえます。

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