山の日の意味とは?子どもが楽しめる山を理解するためのアイデアも

山の日の意味とは?子どもが楽しめる山を理解するためのアイデアも

保育の最新情報や役立つ知識をゆる~く配信中!
X(旧Twitter)をフォローはこちら!

一年を通してさまざまな祝日が設けられている日本では、由来や名前にちなんだイベントを楽しむことができます。季節と直接関係の深い祝日もあれば、外国の習慣がもととなっている日もあり、祝う内容はさまざまです。

数ある祝日の中で、子どもたちと自然やアクティビティについて考えたり、体験したりすることに最適な日が、「山の日」です。しかし、山の日の由来や目的について分からないという方も多いでしょう。

そこで今回は、山の日が制定された意味や由来を解説したうえで、子どもたちと体験できるおすすめの過ごし方を紹介します。

山の日とは?山の日の意味・由来を解説!

山の日とは、2014年に制定され、2016年よりカレンダーに加わった新しい国民の祝日です。通常は8月11日が山の日とされており、「山に親しむ機会を得る中で恩恵に感謝しよう」という趣旨が込められています。

令和3年は東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法の影響により、例年とは異なる8月8日が山の日とされています。
(出典:内閣府「「国民の祝日」について」

日本は周囲を海に囲まれているうえ、国土の半分以上が山で占められているため、古来より海や山の恵みを受けてきました。さまざまな神々が祀られている日本の中でも、海や山に関する神話や逸話が多いことから、日本人と自然の深い関わりがうかがえます。

しかし近年まで、国民の祝日に海や山に関するものは存在しませんでした。海の日も比較的新しく、国土交通省の資料によると1995年に制定(翌年より施行)されています。
(出典:国土交通省「海に親しむ」

海の日が誕生したことをきっかけに、同じく日本人にとって親しみ深い山の日を制定すべきという声が増え、正式に国民の祝日として制定されることとなりました。

1. 山の日の由来

国民の休日(日本の祝日)として正式に施行される前から、一部の地域では自治体独自の山の日が制定されています。海の日が制定されたことにより、山梨県など海に面していない県や、山と関わりの深い県を中心に全国各地で山の日が制定されました。

また、有名な作曲家が「海の日がある一方で山の日が国民の祝日に存在しない」ことを疑問視した結果、さまざまな団体からも山の日制定の声があがりました。制定協議会が発足された現在は、山の日も正式な祝日となっています。

山の日を制定するうえで論じられた問題のひとつが、「日付をいつに定めるか」です。既に全国各地で存在していた自治体独自の山の日は、8月や11月などさまざまでした。漢数字の八が山の形に似ていたり、11の数字が木々を連想させたりと8や11に集中していたことから、日付は異なるものの同一の数字に基づいた日付が各地で選ばれています。

当初は祝日が存在しない6月や連休となる海の日の翌日、お盆前にあたる8月12日などが有力候補に挙げられていました。しかし、8月12日は日航機墜落事故の日と重なるため、最終的に前日の11日に決定しました。

【保育士・保護者向け】子どもと一緒に山の日を楽しむアイデア

山の日は本来、山に親しみを持ったり感謝したりするための祝日です。当日は子どもと一緒に山の日をお祝いしましょう。

「山の日はどんな日なのか」と質問を投げかける子どもに山の日について説明する際は、簡単な言葉で説明することが重要です。たとえば、「山にありがとうを伝える日」や「山を大切にする日」など、子どもがイメージしやすい言葉に変更します。

また、山の日を子どもたちと楽しむためには、意味を理解してもらうことに加えて具体的な遊びを用意する必要もあります。ここからは、山を知り、親しみや感謝の気持ちを持つことのできる4つの遊びを紹介します。

1. 山に関するクイズをする

1つ目におすすめする遊びは、山に関するクイズです。クイズは高価な道具を用意したり場所を選んだりする必要がなく、手軽に楽しむことができます。

山に関するクイズとしては、以下のようなものがあります。

【クイズ1】
Q1:日本の都道府県で名前に「山」が着く県を3つ答えてください。
A:山形県・山梨県・富山県・和歌山県・岡山県・山口県

すべてを答えることが困難な年齢の子どもと遊ぶ場合は、1つのみ・2つのみと答えの数を少なくする工夫が必要です。

【クイズ2】
Q2:山はたくさんの動物が住んでいます。イノシシの子どもは何と呼ぶでしょうか。
A:ウリボウ

選択式のクイズもおすすめです。複数の候補を挙げ、「ウリボウだと思う人」と答えを読み、子どもたちに手を挙げてもらいます。

【クイズ3】
Q3:北海道にいるクマの種類は、ツキノワグマとヒグマのどちらでしょうか。
A:ヒグマ

答えを明かすときは、本州にいるクマはツキノワグマと呼ぶこともあわせて解説すると、より楽しんでもらえるでしょう。

【クイズ4】
Q4:富士山は日本で何番目に高い山でしょうか。
A:1番目

諸説ありますが、富士山は世界では108番目に高いとする説があります。子どもたちの反応次第では、世界でのランキングもクイズにすると盛り上がるでしょう。

【クイズ5】
Q5:世界で1番目に高い山の名前を答えてください。
A:エベレスト

富士山とあわせて、クイズの定番と言えます。チョモランマなど国によって呼び名が異なる点も豆知識として解説すると、山に興味を持ってもらいやすくなります。

基本的に道具を用意する必要はありませんが、場を盛り上げるために、写真やイラストを使用したパネルを手作りすると良いでしょう。

2. 山にまつわる絵本を読み聞かせする

2つ目の遊びは、山にまつわる絵本を読み聞かせることです。山にまつわる絵本の読み聞かせによって、子どもに山での暮らしを想像したり、親しみを持ってもらったりすることができます。

山がテーマになった絵本は、たとえば以下のようなものがあります。

〇「ピンクのいる山」作者:村上康成
卵からかえったヤマメが、釣り人など数多くの天敵から逃れつつ、厳しい自然を生き抜く物語です。山を流れる川の美しさや生き物の営みを、絵本を通して学ぶことができます。

〇「やまのすもうだ!はっけよい!」作者:しばはら・ち
山と山が相撲をとるという、不思議で楽しげな物語が魅力の一冊です。主人公である桜島が日本一の富士山に挑み、伊吹山が行司をつとめる内容は、国内の有名な山々に興味を持つきっかけとなるでしょう。

〇「やまのやまびこ」作者:つちだのぶこ
やまびこの神様とのやりとりを毎日楽しみにしていたキツネが、ある日答えが返ってこなくなったことを心配して神様を訪ねる物語です。毎日の仕事に退屈さを感じた、やまびこの神様が見せる人間味あふれる行動は、子どもたちを愉快な気持ちにしてくれます。

〇「やまのおんがく」作者:室井さと子
山で出会ったうさぎの案内で、さまざまな動物や植物が奏でる音を見つける物語です。子どもたちと一緒に絵本の中に隠れた動物を探すゲームも楽しめます。

〇「ポレポレやまのぼり」作者:たしろちさと
ハリネズミくん・ゾウくん・ヤギくんが、仲良く山でキャンプをする物語です。長い道のりで出会うさまざまな体験や絶景に、臨場感を楽しんでもらえるでしょう。

3. 登山をする

3つ目の遊びは登山です。野鳥や草花を探したり、虫取り遊びをしたりといった体験をすることで、山への興味につなげることができます。子どもたちと登山をするときは無理をせず、一般的な運動靴で遊べる標高差300m程度の山を選びましょう。

トイレや登山道が整っている観光地として人気の山を選び、山頂を目指すことよりも、山歩きを楽しむことを優先することがポイントです。たとえば、ロープウェイが設置されているなど、ハイキング気分で楽しめるスポットがおすすめです。

飲み物・食べ物などに加えて、雨天時のための雨具や着替えも用意します。季節によっては、虫よけアイテムや日焼け止めも用意しましょう。

4. 折り紙で富士山を作る

4つ目の遊びは、雨天時も気軽にできる折り紙製作です。富士山を思わせる水色の折り紙を用意するだけで、簡単に富士山を作ることができます。

富士山の折り方は、以下のとおりです。

(1)

折り紙を色の付いたほうを内側に、縦・横と四つ折りにして線を付ける

(2)

折り紙を開き、1つの角を中央の線に合わせるように折る

(3)

折った角の反対側も同様に折り、三角を作る

(4)

折り紙を裏返して、反対側の角2つも同様に中央の線へ合わせて折る

(5)

水色を白の二色の三角ができたら、片方の三角の内側にある角を半分に折る

(6)

水色の三角の角を1センチほど残して逆方向に折り返し、再度1センチを残して折り返す(蛇腹状にする)

(7)

水色のほうの折り込んだ部分が外側になるよう、全体を三角に折る

(8)

水色のほうが外側に向くよう、三角を半分に折る

(9)

山頂部分を内側に折って凹ませ、内側の白い部分をのり付けして完成

まとめ

山の日は、海の日が誕生したことをきっかけに2016年から施行された、比較的新しい国民の祝日です。山に親しむための機会を得て、恩恵を得ていることに感謝する日とされています。

山の日は子どもたちとクイズや登山、絵本などで山について学ぶイベントを開催してはいかがでしょうか。地域によっては年中行事の移動手段を徒歩にする程度でも、自然と触れ合うきっかけが生まれます。

「ほいくらし」では、山の日をはじめ、休日や季節のイベントについて紹介しています。保育士の仕事に役立つ情報も掲載しているため、ぜひチェックしてみてください。

お得な情報や最新コラムなどをいち早くお届け!ほいくらし公式LINE
友だちに追加する
保育の最新情報や役立つ知識をゆる~く配信中!ほいくらし公式X(旧Twitter)
園での遊びや催し物など有益な情報をお届け!ほいくらし公式Instagram
この記事をSNSでシェア
CATEGORY :