救急の日とは?子どもと学ぶ応急処置の方法も解説

救急の日とは?子どもと学ぶ応急処置の方法も解説

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救急の日は、救急医療や救急業務について理解を広める日です。知名度は低いものの、救急の日は社会教育・知育教育の一環として子どもが生きる力を身に付けるチャンスです。救急の日について子どもに詳しく教えたいと考えながらも、詳しい知識がない保育士・保護者の方はいるのではないでしょうか。救急の日について事前に勉強し、子どもに正しい知識を伝えましょう。

今回は、救急の日の意味・由来や、子どもと一緒に救急の日を楽しむアイデアなどを紹介します。

救急の日とは?救急の日の意味・由来を解説!

救急の日とは、1982年に救急医療関係者の意識向上や救急医療業務に対する国民の理解と認識を深めるために、現在の厚生労働省にあたる厚生省が定めた日です。

救急の日は毎年9月9日とされており、同日を含む一週間は救急医療週間とされています。救急の日および救急医療週間の期間中には、全国各地で消防機関・医療機関などの関係機関の協力により、下記のような各種行事が開催されています。

●救急法の普及・啓発
●救急医療システムや救急搬送システムの紹介
●救急車の適切な利用方法の紹介・啓発
●救急医療関係者・救急隊員の研修・表彰

1. 救急の日の由来

救急の日が9月9日に定められた由来は、同日を「(9)きゅう(9)きゅう」=「救急」と読む語呂合わせからきています。一度耳にすると覚えやすく、一般に認知・記憶されやすいことも理由と言えるでしょう。

子どもにも「9月9日は救急についてみんなで知る日」として伝えやすく、各種イベントなどを実施しやすい日です。

子どもに伝えたい!応急処置の基礎知識

救急の日には、子どもと一緒に応急処置の基礎知識を学ぶと、知育教育としての効果が期待できるためおすすめです。ここでは、実際に子どもが直面する機会が多い怪我を取り上げて、基本的な応急処置の概要・方法を解説します。

子どもと救急の日を過ごす保育士や保護者の方は、参考にしてください。

1. 【擦り傷】まずは水道で洗い流す

擦り傷は、年齢を問わず日常生活で多く見られる外傷のひとつであり、活発な年齢の子どもは多く直面する怪我です。そのため、応急処置の方法を知っておくことは非常に有益であり、いざというときに役立ちます。

擦り傷の応急処置の手順は以下のとおりです。

(1)傷口を洗浄する

傷口を水道水で洗い流し、砂や泥などの異物をしっかり取り除く

(2)傷口を止血する

清潔なガーゼ・ハンカチなどで傷口を圧迫して止血する。出血が酷い場合は傷口よりも心臓に近い位置にある動脈を圧迫する

(3)傷口を密封する

出血が止まったら、傷口を外部から守るため清潔なシールやラップで密封する

擦り傷の応急処置で重要なポイントは、傷口に付着した砂や泥などをしっかり取り除くことです。異物の除去さえ徹底できれば、消毒しなくても化膿せずきれいに治るとされています。

2. 【鼻血】しっかりと鼻をつまむ

鼻血は出血量が多くなる傾向にあるものの、きちんとした応急処置を行えば、ほとんどのケースで5~10分程度の短時間で止血することが可能です。

鼻血の応急処置の手順は以下のとおりです。

(1)姿勢を楽にする

衣服を緩めて椅子などに座らせて楽な姿勢を取る

(2)小鼻をつまんで止血する

あごを引いてややうつむき加減になり、小鼻を両側から強めにつまんで圧迫する。口の中に血が流れ込んだら、こまめに洗面器などに吐き出す

(3)冷たいタオルで冷やす

顔が赤くなっている場合は、冷たいタオルで冷やす。止血後も再度出血する場合があるため、鼻をかむことはせず静かに座っておく

鼻血の応急処置では、仰向けに寝かせたり上を向いたりなどの誤った方法が知れ渡っているため注意が必要です。このような止血方法を行うと、鼻血を飲みこんで気分が悪くなる恐れがあります。

上記の方法でも鼻血が止まらない場合や、何度も出血を繰り返す場合は、耳鼻咽喉科で医師の診察を受けましょう。

3. 【ハチさされ】直ちにその場から離れて応急処置を行う

ハチさされは、患部が腫れたりショック症状を起こしたりする可能性もあるなど、危険性の高いケガです。万一の事態が起こっても安心できるよう、適切な対処法と応急処置を知っておきましょう。

ハチさされ時の対処法ならびに応急処置の方法は以下のとおりです。

(1)その場から離れる

ハチに刺された場合は、近くに多数のハチがいることもあるため、まずはすぐにその場から離れる

(2)患部を水で洗い流す

ハチの毒は水に溶けやすいため、患部を水で洗い流して毒を薄める。流水で冷やすことで腫れや毒の回りを抑えることも可能

(3)毒針を取り除く

ハチに刺された患部に毒針が残っている場合は、毒が再度注入されることを防ぐため、ピンセットや毛抜きで取り除く

(4)毒を絞り出す

患部を指でつまんで、血と一緒に体内に注入された毒を絞り出る。流水で毒を薄めながら行うと効果的

(5)抗ヒスタミン剤を塗布して患部を冷やす

抗ヒスタミン剤を含むステロイド系軟膏があれば塗布し、保冷剤などで患部を冷やす

(6)なるべく早く皮膚科を受診する

応急処置が完了したら、速やかに皮膚科を受診する

ハチにさされると痛みと心理的ショックからパニックになりがちです。対処法や応急処置の方法はどのハチに刺されても同じであるため、慌てず冷静に対処しましょう。

【保育士・保護者向け】子どもと一緒に救急の日を楽しむアイデア

救急の日について子どもに教える必要がある保育士・保護者の方は、説明の仕方に悩むこともあるでしょう。うまく説明ができない場合は、下記の要点を伝える方法がおすすめです。

・救急とは、突然大変なことが起こったときに助けること
・身近な例では、急な病気や怪我をした方に応急手当を行うこと

救急の日についてイメージできたら、子どもと一緒に救急の日を楽しみながら学びましょう。ここでは、救急の日を楽しむアイデアを紹介します。

1. 救急箱を確認する

急な怪我や体調不良の際に役立つ救急箱は、救急の日の教材として最適です。子どもと一緒に応急処置の基礎知識を学ぶと同時に、救急箱の中身を確認することは、とても良い学びとなります。

救急箱に入れるとよい基本的な中身と用途は下記のとおりです。

■救急箱の中身

総合感冒薬風邪の諸症状を緩和する
解熱鎮痛剤熱や痛みを緩和する
下痢止め下痢を止める
胃腸薬胃腸の働きを整える
化膿止め怪我をした箇所の化膿を抑える
目薬眼の乾燥を防ぎ保護する
包帯怪我をした箇所の保護・止血やガーゼの固定に使用する
殺菌消毒液傷口の消毒に使用する
ガーゼ出血箇所の圧迫などに使用する
救急絆創膏出血箇所の止血や保護に使用する
サージカルテープガーゼや包帯の固定に使用する
三角巾圧迫止血や負傷箇所の固定に使用する
脱脂綿けがをした箇所の消毒に使用する
体温計体温の計測に使用する
爪切り割れた爪を整えたりささくれを取り除く際に使用する
ピンセット怪我をした箇所の異物を取り除く際に使用する
ハサミ・カッターガーゼや包帯などを切断する際に使用する
ボールペン・マジックペン記録やメモを取る際に使用する

チェックリストを作成し、薬や道具の意味・使い方を説明しながら、子どもと一緒に中身を確認しましょう。

2. 救急に関わる仕事を学ぶ

救急の日には、救急医療・業務に携わるさまざまな方が、命を救うために頑張っていることを子どもに教える良い機会です。救急について学ぶと同時に、職業についても学ぶことができます。

救急医療・業務に携わる主な職業とその説明は、以下のとおりです。

●救急救命士
救命救急士の仕事は、救急車に乗って通報・要請を受けた事故や、病気の方のもとへ向かって応急処置を施すことです。

●医師(救急医)
医師(救急医)の仕事は、救命救急士により搬送されたさまざまな救急患者に、適切な診断と初期治療といった対応を行うことです。

●看護師(救急看護師)
看護師(救急看護師)の仕事は、救急患者に対して適切な救急処置や医師のサポートを行うことです。救急医療チームの調整や救急患者の生活支援なども行います。

救急医療・業務に携わる職業・仕事について子どもに教える際は、業務の一連の流れも併せて教えると、理解が深まりやすくなります。

まとめ

救急の日は、急な病気や怪我に見舞われた方を助ける救急医療・業務について学ぶ重要な目的を持つ行事です。社会的にも重要な役割を持つ救急医療・業務について知ることは、今後の社会を担う子どもにとって非常に意義のあることと言えます。子どもと救急の日を過ごす保育士・保護者の方は、事前に知識を吸収しておきましょう。

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