保育のエピソード記録とは?上手に書くポイントと書き方・例文

保育のエピソード記録とは?上手に書くポイントと書き方・例文

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保育士の仕事をしていると「エピソード記録」という言葉を耳にすることも多いのではないでしょうか。すでに実施している保育施設もあれば、これから導入するという施設も少なくありません。エピソード記録には、日々の保育業務を記録する「保育日誌」とは異なった目的やメリットがあります。

当記事では、エピソード記録の概要や目的、書く際のポイントを紹介します。保育士や保育士を目指している人で、エピソード記録について詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

保育現場におけるエピソード記録とは?

「エピソード記録」とは、保育士が保育活動の場で感じたことや考えたことなど心の動きを記録するものです。

「保育日誌」が保育現場で起きた客観的な事実を記録することに対し、「エピソード記録」は、出来事に対する保育士の心境や心情を言語化して記録します。保育日誌のような時系列に出来事を羅列した記録ではなく、保育士の印象に残った一つの出来事、ある一場面についての記録です。

1. エピソード記録を残す目的

エピソード記録を残す目的としては、主に次の2点が挙げられます。

●子どもへの理解が深まり成長が見える

印象に残った子ども達の行動や姿を記録することで、子どもの気持ちや変化に気づくことができます。また、なぜ子どもがそのような行動を取ったのか、改めて振り返って考えることも可能です。子どもの成長や発達を敏感に察知することができれば、子どもへの理解も深まるでしょう。

●日々の振り返りでよりよい保育を模索できる

子どもと接している間に感じたことは、慌ただしく時間を過ごすうちに忘れてしまうことが少なくありません。しかし、心が動いたことを記録しておき、振り返ることで、新たな気づきや学びにつなげることができます。

エピソードの内容を踏まえて自分の対応を反省したり、先生同士で次の指導方法について話し合ったりすることで、よりよい保育につなげることが可能です。

保育士がエピソード記録を書く際のポイント

保育士がエピソード記録を書く際には、以下のポイントを押さえましょう。

●5W1Hを記録する

エピソード記録を書く際には、5W1Hを意識しましょう。Who(誰が)When(いつ)、Where(どこで)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)と具体的に書きます。詳細に記録することで、その場にいなかった人にもイメージしやすくなります。

●自分の心に残ったエピソードを書き留める

保育士自身の心に残ったことを記述しましょう。子どもの様子や自分の取った対応、いつもと違う印象を受けたことについて書きます。自分の心情を他の保育士と共有することで、別の見方や評価ができることもあります。

●失敗もありのままに書く

自分の対応について「失敗した」と思うことも、ありのままに書きましょう。失敗について書くことで、反省点や改善点に気づくことができます。また、他の保育士と共有することで、客観的な意見やアドバイスをもらえることも利点です。

●可能であれば都度メモを取る

子どもの様子などは、まめにメモを取っておきましょう。保育の現場では、印象に残ることがあっても、めまぐるしい一日を過ごすために出来事を忘れてしまうことが少なくありません。園が勤務中にメモを取ることを禁止している場合は、休憩のタイミングでメモを取るとよいでしょう。

【年齢別の文例付き】エピソード記録の書き方

エピソード記録の構成や記述方式は保育園によって異なりますが、基本的なポイントは共通しています。

ここからは、エピソード記録の書き方について、例文とともに解説します。書くことが苦手な人でも、文例を参考にすると書きやすくなるため、土台としてぜひご活用ください。

1. 背景

第三者が読んでも分かるように、エピソード記録には背景や事情といった具体的な情報を書きます。例えば、エピソードの前提となる子どもの性格や家庭環境、現在の状況などを記載します。

<乳児クラスの文例>

食事の際、〇〇ちゃんは自分でスプーンを持って食事を食べることが難しく、手づかみが中心となっている。そのため、保育士が食べさせる援助をしている。しかし、〇〇ちゃんは、保育士がスプーンで食事を口に運んでも、いつも口を閉じて横を向いてしまう。

0歳児や1歳児、2歳児の場合は、食事や睡眠、排泄などの基本生活習慣について書くケースが大半です。食事や排泄をするときの様子や、保育士にどのような反応を示す傾向があるかを書きます。

<幼児クラスの文例>

〇〇ちゃんが、午前中の自由遊びの時間に「××くんが叩いた」と伝えにきた。××くんに理由を聞いてみると、ぶつかっただけと言う。××くんはぶつかったことを謝っていなかったため、「〇〇ちゃんが痛いと言ってるよ。何て言う?」と××くんに促すと、××くんは〇〇ちゃんに「ごめんなさい」と謝った。〇〇ちゃんは頷いたが、まだ不満そうな顔をしていた。

3歳児、4歳児、5歳児の場合は、基本生活だけではなく、子ども達の交友状況にも注目します。友だちとの関係性や、子どもが誰とどのような行動をとる傾向にあるのかに注目して書くようにしましょう。

2. エピソード

エピソードでは、印象に残った場面について書きます。5W1Hを意識して、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「なぜ」「どうしたのか」、子どもの言ったセリフなどを交えて記録しましょう。

<乳児クラスの文例>

今日のお昼の時間に、保育士がスプーンを使ってご飯を〇〇ちゃんの口元に運ぶも、顔を背けてしまった。隣にいた××ちゃんが「パクッパクッ。おいし」と言って食べていたため、保育士は調子を合わせて〇〇ちゃんに声をかけた。「××ちゃんはおいしいって食べてるよ。〇〇ちゃんもパクッパクッしよう」と言うと、そっぽを向いていた〇〇ちゃんが、「パクッパクッ」という声につられて振り向いた。スプーンを向けると口を開けて食べてくれた。

0歳児や1歳児、2歳児の場合は、子どもがどのような表情をしていたのかを、どのような様子を見せていたのかを書くようにしましょう。

<幼児クラスの文例>

午後にみんなでおもちゃを片付けていたところ、〇〇ちゃんが「××くんが『触らないで』と意地悪をしてブロックに触らせてくれない」と保育士に訴えてきた。××くんに聞くと「〇〇ちゃんの代わりに片付けてあげただけ」と言う。××くんは〇〇ちゃんに優しくしたくて声をかけたのだが、言葉が足らず意地悪と誤解されたようだった。保育士が間に入って、それぞれの気持ちを伝えるのを手伝った。

3歳児、4歳児、5歳児の場合は、子どもがどのようなことを考えて話しているのかなど、子ども主体で考えて書きます。

3. 考察

考察では、記録したエピソードに基づき、子どもの気持ちや自分の対応について振り返ります。子どもがどのような思いでいたのか、自分の対応は適切だったか、今後どのような支援をしたいのかといったことを書きます。

〈乳児クラスの文例〉

〇〇ちゃんがスプーンでご飯を食べた後、××ちゃんが保育士と一緒に○○ちゃんを褒めたため、〇〇ちゃんはとても嬉しそうだった。〇〇ちゃんは、周りが楽しんでいると嬉しそうにするため、今後も食事の時間が楽しい時間になるように気を配りたい。

0歳児や1歳児、2歳児の場合は、今回のエピソードを踏まえて、今後どのようにサポートしていきたいかを書きます。

〈幼児クラスの文例〉

〇〇ちゃんも××くんも、自分の気持ちをうまく言葉で伝えられない。××くんは自分の言い方が悪くて、相手と気まずくなったことは理解している様子。〇〇ちゃんと××くんは保育士の促しで、少しずつ言葉が選べるようになっている。今後は、〇〇ちゃんと××くんが自主的にうまく言葉を選べるように声かけをしていきたい。

3歳児、4歳児、5歳児の場合は、エピソードから課題を見出し、改善に向けての対策を洗い出しましょう。

まとめ

エピソード記録は、子どもに寄り添った「よりよい保育ができる手法」です。書くことが苦手な人でも、ポイントを押さえることで具体的かつ今後に役立つエピソード記録を書くことができます。また、文例集を参考にすることで、スムーズにエピソード記録を書くことが可能です。

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