【保育士向け】保護者会の進め方と準備のポイントとは?

【保育士向け】保護者会の進め方と準備のポイントとは?

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多くの保育園や幼稚園では、毎年2~3回の頻度で保護者会が開催されます。保護者会の準備や進行は、保育士が行う仕事の1つです。

保護者会の準備や司会の担当となった場合、スムーズにできるか不安を感じる保育士も少なくありません。保護者会をスムーズに進めるためには、まず保護者会の目的を正しく理解して流れをつかむことが大切です。

当記事では、「保護者会の目的と進め方」「保護者会に向けた準備内容」について解説します。話すことが苦手な保育士向けに「保護者会を乗り切るコツ」も紹介するため、ぜひ参考にしてください。

【保育士向け】保護者会の目的と進め方

保護者会とは、保育園に通う子どもの保護者を対象に行う懇談会を意味します。保護者会の主な目的は、下記の4つです。

●保育園やクラスの方針を伝える
保育園やクラスの方針が大きく変わることはないものの、定期的に伝える機会を持つことで保護者の理解が深まり、方針が浸透しやすくなります。保育園便り・クラス便りだけでは伝わりにくい部分も、保育士が直接説明することで理解を得やすくなる点が、直接伝えるメリットです。

●子どもたちの様子を共有する
保護者会では、保育園での生活を送る子どもたちの様子を保護者に伝えます。保護者は、家庭では見られない子どもの一面を知ったり成長を感じたりできることがメリットです。保育士は、家庭での子どもたちの様子を聞き、保育園での生活で気をつけて見る必要がある部分を把握できます。

●保護者と保育士の信頼関係を構築する
保護者と保育士が顔を合わせて話せる保護者会は、保護者と保育士の信頼関係の構築に効果的です。信頼関係を構築し、子どものことを気軽に相談できる関係性を目指しましょう。

●保護者間の親睦を深める
登園方法や送り迎えの時間が異なる場合、保護者同士が顔を合わせる機会は少ないといえます。保護者会は、保護者間の親睦を深める機会です。子育ての悩みを相談したり情報を共有したりすることもできます。保護者会は、子どもを預ける側と預かる側の情報共有だけではなく、保護者間の交流を促すことも大きな目的です。 ここからは、保護者会の基本的な進め方を解説します。

始まりの言葉・挨拶

保護者会の開始予定時間を迎えたら、まずは始まりの言葉を述べます。保護者の緊張をほぐすためにも、笑顔を心がけましょう。

年度初めの場合は、保育士の自己紹介を交えて保護者に挨拶します。年度途中であれば、最近子どもたちが取り組んでいる活動を紹介しましょう。

下記は、始まりの言葉・挨拶の一例です。

始まりの言葉「時間となったため、保護者会を始めさせていただきます」
「お忙しい中、お集まりいただきありがとうございます」
年度初めの挨拶「今年度、○○クラスを担当させていただく○○です」
年度途中の挨拶「現在、子どもたちは運動会に向けてかけっこの練習に励んでいます」

年度末の保護者会では、保護者への感謝の気持ちや子どもたちの成長について触れましょう。

クラス目標・年間保育計画

年度初めの保護者会では、クラス目標・年間保育計画の説明を行います。「どのようなクラスを目指すのか」「活動を行うねらいは何か」など、今後の保育活動について伝えましょう。

年間保育計画の説明では、「昨年の遠足は○○公園に行きました」など保育園の行事の具体例を挙げることで、保護者は活動内容をイメージしやすくなります。

子どもたちの様子についての報告

保育園での生活における子どもたちの様子は、保護者が特に気になっている部分です。子どもたちの表情や情景が伝わるように報告しましょう。 保育日誌を読み返したり子どもたちが夢中になっていることを思い浮かべたりしながら、事前にエピソードを整理しておくことがおすすめです。連絡事項以外にもクラスで課題だと感じている内容があれば、保護者と連携して改善できるように状況を共有します。

保護者からの質問・保護者同士の交流

保育園側から伝えるべきことを話し終えた後は、保護者からの質問がないか確認します。「食事面の悩み」「自分でやりたいとぐずった場合の断り方」などを、気軽に相談できる雰囲気が理想です。

保護者からの質問対応が終わったら、保護者同士の交流の時間を設けましょう。自己紹介を兼ねて子どもの名前や最近の子どもの様子などを一言ずつ述べてもらうことが効果的です。

保護者同士が面識を持つことで、子育ての悩みの共有や情報交換などがしやすくなります。

年度初めの保護者会で役員決めを行う場合は、保護者からの質問・保護者同士の交流の後で話し合いが必要です。役員の決め方は、くじ引きや推薦など保育園ごとに異なります。

終わりの言葉

保護者同士の交流や役員決めが落ち着いたら、終わりの言葉を述べて保護者会を締めくくりましょう。

下記は、終わりの言葉の一例です。

  終わりの言葉「以上で保護者会を終了させていただきます」
「困ったことや不安なことがあれば、気軽にご相談ください」
「本日は、お集まりいただきありがとうございました」

保護者会の終了後は、部屋をある程度開放することで保護者同士の交流を深めるきっかけとなります。ただし、部屋を開放するかどうかは、保育園の方針を事前に確認することが大切です。

保護者会に向けた準備の4つのポイント

保護者会の準備や司会を担当する場合、事前にさまざまな作業を行う必要があります。トラブルなくスムーズに保護者会を進めるために、しっかりと準備をしておきましょう。

ここでは、保護者会に向けた準備を項目ごとに解説します。

●子どもたちの様子の記録
保護者に子どもたちの様子を報告するためには、具体的なエピソードの記録が必要です。子どもの成長を伝えたくても、過去との対比がなければ具体性に欠けます。普段から気になったことを記録しておくと、保護者会へ向けた準備をスムーズに進めることが可能です。特に、人間関係・生活習慣・健康の3点に注目しましょう。

●プログラムの設定
プログラムの設定では、タイムテーブルや話し合いたい議題を考えます。話し合いたい議題は、事前に保護者へアンケートを取ったり、他の保育士から情報収集をしたりしながら決めましょう。

●レジュメの作成
保護者に配る資料であるレジュメは、保護者会に参加している人はもちろん、参加できなかった保護者にも内容が伝わるように作成します。まずは保護者会の内容を簡単に箇条書きし、後から必要な情報をつけ足すことがポイントです。ゼロから作成するよりも、昨年度のレジュメを参考にしながら進めることでスムーズに準備できます。

●会場の準備
保護者会当日は、保護者を迎えるための会場準備が必須です。整理整頓や掃除を済ませ、子どもを連れて参加する保護者のために、授乳スペースやキッズスペースを確保します。快適にすごせるように、室温にも気を配りましょう。保育園での活動内容や子どもたちの成長を伝えるために、会場内に子どもたちの作品を展示することもおすすめです。 しっかり準備ができていれば保護者会はスムーズに進みます。起こりうる事態を想定して、対応策を検討しておくと安心です。

話すことが苦手な保育士向け・保護者会を乗り切る2つのコツ

保育士の中には、大勢の人を相手に話すことや保護者への対応に苦手意識を感じる人もいます。話すことが苦手な人は、ここで紹介する2つのコツをおさえて保護者会を乗り切りましょう。

●保護者が発言する機会を積極的に設ける
話すことが苦手な人は、保護者が発言する機会を積極的に設けることがポイントです。「子どもの成長を感じたこと」「最近夢中になっている遊び」などのテーマを設定して保護者に発言してもらいましょう。

保育士は、保護者に発言を促したり会話が盛り上がった後にまとめたり、司会に徹することができます。保護者が自由に意見を言えるように、発言していない人がいれば声をかけましょう。

●普段からエピソードのメモを取っておく
保育園での生活における子どもたちのエピソードは、保護者との会話のきっかけとなります。子どもたちのエピソードは、忘れないようにメモしておきましょう。「可愛い」「素敵」「素晴らしい」と感じたエピソードを保護者会で伝えることで、保育士が子どもとしっかり向き合っている姿勢を見せることができます。

保護者会が近づくと資料作成などの準備で慌ただしくなるため、エピソードのメモは普段からストックしておくことがおすすめです。

まとめ

保護者会には、保育園やクラスの方針伝達だけではなく、保護者と保育士の信頼関係を構築するなどの目的があります。

トラブルなくスムーズに保護者会を進めるためには、事前準備をしっかり済ませておくことがポイントです。話すことに苦手意識がある保育士は、会話のきっかけとなる話題や子どものエピソードメモを用意しておきましょう。

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