まだまだ残暑が厳しい9月。夏の疲れがでてくる時期でもあるため、一人ひとりの健康状態に合わせて、ゆったりとした保育を意識したいですね。この記事では、0歳児9月の個人案の文例をご紹介します。

0歳6ヶ月・0歳7ヶ月・0歳8ヶ月

子どもの姿

• 腹ばいで玩具を手に持って遊ぶ姿が見られる
• 離乳食中期となり、手に持って食べることもある
• 午睡は途中で目覚めることが減り、まとまって眠れるようになる
• 機嫌がよいときに「あーあー」と大きな声を出す

ねらい・内容

• ずりばいやはいはいで探索活動を楽しむ
• 楽しい雰囲気のなかで食事を楽しむ
• こまめな衣服の調整により、快適に過ごせるようにする
• ふれあい遊びを通して、甘えたい気持ちを満たす

援助・配慮

• 「おいで」と笑顔で声をかけ、ずりばいやはいはいを促す
• 手に持った食材を口に詰め込みすぎないよう、側で見守る
• 個々のリズムに合わせて午前睡眠・午睡の時間を調節し、必要に応じて夕方の睡眠も取り入れる
• 「いないいないばあ」など、子どもの反応を見ながらふれあい遊びを取り入れる

振り返り

• 夏の疲れからか、まとまって睡眠を取るようになっている
• 食事のペースにムラがあるため、無理せずていねいに関わっていく
• 残暑が厳しく、室内ではまだクーラーを使用した温度調整が必要
• 体をくすぐるなどの触れ合い遊びを喜び、保育者との関わりを楽しんでいる

0歳9ヶ月・0歳10ヶ月・0歳11ヶ月

子どもの姿

• 引き出しを開け閉めしながら室内の探索を楽しむ
• コップを両手で支えながら上手にお茶を飲む
• 午前睡しなかった日は食事中に眠くなり不機嫌になる
• 布で顔を隠し、いないいないばあを繰り返し楽しむ

ねらい・内容

• 戸外に出ることを喜び、身近にある砂や植物などを触って遊ぶ
• 興味を持ったものに夢中になる楽しさを味わう
• 夏の疲れを癒やすため、安心できる環境でゆったり過ごす
• 甘えたい気持ちを満たしてもらい、安心して過ごす

援助・配慮

• 玩具をうまく配置し、はいはいやつかまり立ちを促す
• 離乳食をもぐもぐしている様子を見守り、しっかり飲み込んだことを確認してから次の一口に進む
• 安心して探索活動を楽しめるよう、十分に動けるスペースを確保する
• 子どもの様子を見ながら午前睡の時間を調整し、機嫌よく食事を楽しめるようにする

振り返り

• つかまり立ちで過ごす時間が増えてきたため、転倒などを考慮して周囲の安全を確保しておく
• なるべく保育者も目線を合わせて遊ぶようにし、楽しさを共有できるようにした
• 保育者からの声かけに喃語や首振りで応え、伝わることに喜ぶ様子がある
• 大泣きしたときは特定の保育者でなければ泣き止まないため、十分に甘えられるようにする

1歳0ヶ月・1歳1ヶ月・1歳2ヶ月

子どもの姿

• つたい歩きで興味のある方向に移動する
• 夏の疲れから睡眠時間が長くなる
• 玩具を穴に入れるなど指先が器用になってきている
• 保育者からの言葉かけに声を出して笑う

ねらい・内容

• 睡眠時間を調整し、健康に過ごせるようにする
• 生活や遊びのなかで、思いを喃語や身振りで伝えようとする
• 衣服の着脱に興味を持ち、自分でやってみようとする
• 保育者の動きに興味を持ち、同じことをしようとする

援助・配慮

• 欲求を言葉で代弁し、伝わる喜びを味わえるようにする
• コップ飲みや手づかみ食べなど、こぼしながらもチャレンジする姿を見守る
• 安心してつたい歩きを楽しめるよう、足元の安全を確認する
• 自分でやってみたい気持ちを尊重し、時間に余裕を持って関わる

振り返り

• 戸外に出て遊んだ日は、よく食べてよく眠ることができている
• つたい歩きを楽しんでいるときは、自由な動きを尊重しつついつでも体を支えられるようにする
• 子どもの一語文を聞き取り、その思いの背景を代弁できるようにする
• 生活のなかでの簡単な言葉が分かり、意思の疎通がうまくできるようになった

1歳3ヶ月・1歳4ヶ月・1歳5ヶ月

子どもの姿

• 不安定ながらも歩行を楽しむ姿がある
• お友だちの存在を意識し、遊びを観察したり真似したりする
• トイレへの出入りに慣れ、保育者に促されておまるに座る
• 嫌なことがあると言葉や表情などでしっかり主張する

ねらい・内容

• 保育者に見守られながら、園庭での歩行を楽しむ
• スプーンや手づかみで自分のペースで食事を楽しむ
• 時間を決めてトイレに出入りし、その空間に慣れる
• 保育者に思いを受け止めてもらいながら、楽しく遊ぶ

援助・配慮

• 園庭で歩いたり手押し車に乗ったりして、体動かす楽しさを味わう
• 好きなものから食べ進める姿を見守り、ほかの食材も食べられるよう無理なく促す
• 歩行が不安定なため、すぐ側を歩きいつでも支えられるようにする
• お友だちとの玩具の取り合いは気持ちを代弁し、仲立ちできるようにする

振り返り

• まだ暑さが残っているものの、戸外で十分に体を動かすことができた
• 機嫌のいいときは言葉が増え、一語文のバリエーションも豊かになっている
• お友だちに興味を持ち始めているため、無理なく関わりを持てるようにする
• 欲求にタイミングよく応えることで、伝わる満足感を得ている

まとめ

0歳児の9月、夏の疲れが出やすくなる時期です。それぞれの様子を考慮し、睡眠時間や食事量を調整していきたいですね。また、家庭との連携も大切にし、双方で協力しながら子どもの生活リズムを整えられるとよいでしょう。