保育士のイメージとは?世間と実際のギャップを解説!

保育士のイメージとは?世間と実際のギャップを解説!

自分が就いている職業に対する、世間からのイメージは分かりにくいものです。保育士が世間ではどのようなイメージを持たれているか、気になる方も少なくないでしょう。保育士は魅力的な仕事ですが、世間で仕事の大変さを正しく認識されていないと感じたことがある方もいるかもしれません。

当記事では、保育士に対する世間のイメージ、実際の業務内容、保育士の魅力について解説します。世間からの保育士のイメージを知りたい方、保育士の魅力を正しく伝えたい方は必見です。

1. 保育士に対する世間のイメージは?

保育士は世間から、「優しそう」「面倒見がよさそう」など、さまざまなイメージを持たれている職業です。しかし、保育士の仕事が世間からどのようなイメージを持たれているかを、保育士自身が知る機会は少ないかもしれません。

ここでは、一般的によく言われている保育士に対するイメージについて、保育士全体と男女別に分けて解説します。

1. 保育士に対するイメージ

世間では、保育士の仕事内容から次のようなイメージを抱く傾向にあります。

家庭的で優しい
世間では、保育士が保護者に代わり子どもたちの面倒を見るイメージが強いです。特に、
子どもとの遊びや食事、排泄など身の回りのお世話をする印象があり、保育士は「家事育児
が得意で家庭的である」というイメージを持たれています。仕事として子どもの育児をする
保育士は、面倒見がよく優しい人として認識される場合も少なくありません。
しっかり者である
何人もの子どもたちを見ながらテキパキと仕事をこなす姿から、保育士はしっかり者に見られる
ことも多くあります。子どもを優しく見守りながらも、よくないことをしたときは叱り、毅然と
保護者への対応ができる点も、世間にしっかり者のイメージを与えるポイントです。
コミュニケーション能力が高い
保育士は子どもや保護者と接する機会が多いため、コミュニケーション能力に長けている印象を
持たれます。子どもたちと根気よく付き合い、うまく話を引き出す姿から、聞き上手で話しやすい
人に見られるようです。
お給料が低い
世間では、保育士のお給料は低いというイメージがあります。人手不足や待機児童の問題など、保育士
の働き方は社会的に関心が高いトピックです。各種メディアで取り上げられる場合も多いため、お給料
が低いというイメージが世間に広く浸透していると考えられます。

2. 女性保育士に対するイメージ

保育士は男性の保育士と比べて、まだ女性保育士が多い職業です。そのため、保育士全体のイメージとは別に、女性の保育士に対して特定のイメージを抱かれることがあります。

よい母親になりそう
保育の中で子どもを褒めたり叱ったり、子どもの心身の成長を応援する姿に、理想の親の姿を重ね
合わせる方も少なくないでしょう。女性の保育士には、自分の子どもを持つと「愛情いっぱいに
子どもを育てる、よい母親になりそう」というイメージがあります。
男性ウケのよい仕事
女性保育士は保護者の代わりに子どもの育児をすることから、家庭的な女性が好きな男性から
好かれやすい職業に見られることがあります。また、子どもが好きな男性からもウケがよい仕事
だと思われるようです。

3. 男性保育士に対するイメージ

保育士はまだ女性のイメージが強い職業です。しかし、男性保育士が増えてきた昨今では、女性とは異なるイメージが確立されつつあります。

よい父親になりそう
おむつ替えや寝かしつけといった育児のスキルが高いため、「自身の育児でも積極的に参加するよい父親
になりそう」というイメージを持たれています。また、危険予測や子どもの成長に対する理解も深く、
子どもの面倒をよく見てくれる頼もしさも期待されているようです。
力仕事と防犯面で頼りにされる
保育園では、運動会やお遊戯会など重い荷物の運搬や設営の必要な行事が多く催されます。そのため、
男性保育士は力仕事で頼られるイメージがあります。また、女性と子どもの多い保育園では、男性の
保育士がいると不審者が近寄りにくくなり、防犯面でも頼りになるイメージもあるようです。

2. 保育士の業務内容

保育士の業務内容に対する世間のイメージは、子どもたちとのふれあいや身の回りのお世話をする印象が強いです。しかし、実際の業務内容は子どもたちのお世話だけにはとどまりません。

ここでは、保育士の実際の業務を朝・昼・夕方の時間帯別に紹介します。

朝は開園の準備や子どもの受け入れの時間です。子どもたちの登園前には、部屋の掃除や換気、当日の
スケジュールの確認を済ませます。開園後は子どもの預かり受け入れを開始し、登園した子どもたちと
朝の挨拶、出席確認、体操などを行い、スケジュールに合わせて保育活動や自由遊びを始めます。
お昼は昼食とお昼寝に関する仕事が中心です。食事の準備と提供をし、子どもたちの様子を見て食事の
補助をしながら一緒に昼食をとります。食べ終わったら昼食の後片付けをして、お昼寝に向けて歯磨き
と排泄の誘導、お昼寝の準備をします。
お昼寝中はお昼寝を見守りながら制作の準備をしたり、会議に参加したり、連絡帳に連絡内容を記載
したりなど、子どもが寝ている間も多忙な時間帯です。
夕方の主な業務は、おやつとお迎え対応、閉園と翌日の準備です。15時ごろからおやつの準備、提供、
おやつの片付けをします。帰りの会では、絵本の読み聞かせや手遊びなどをして、子どもたちが家に
帰る気持ちの準備をします。子どもたちの帰る準備ができたら、連絡事項や子どもの様子を伝える
お迎え業務と保護者対応です。
子どもたちの降園後は、使用した部屋の掃除と翌日の準備、保育日誌や保育計画の作成などの事務作業、
制作物の制作などを行うのが一般的です。

3. 保育士の魅力・よいところ

保育士は業務量が多く責任も重い職業です。一方で、子どもの笑顔や成長を間近で見られる、社会への貢献度が高い仕事でもあります。

保育士の仕事は子どもに関する専門的な知識が必要な仕事であることから、民間資格から国家資格へと変わりました。また、重要な仕事であることから、「お給料が低い」「人手不足である」といった保育士の問題に対して、政府は問題改善の動きを見せています。

ここでは、保育士の勤務環境がどのように改善傾向にあるかを解説します。

1. 保育士の給与は改善傾向にある

政府や各自治体では、保育士不足の解消を目指し、保育士の給与改善に向けた施策が展開されるようになりました。

保育士の給与を改善する動きとして主なものは、政府による処遇改善加算等制度です。処遇改善加算等制度は保育士を対象とした制度で、ⅠとⅡに分かれています。「処遇改善等加算Ⅰ」は、施設の平均勤続年数に応じた昇給によって給与が上がる制度です。「処遇改善等加算Ⅱ」は、該当する研修を受け職員の役職に就くことで給与に役職手当が付く制度です。

(出典:内閣府「施設型給付費等に係る処遇改善等加算Ⅰ及び処遇改善等加算Ⅱについて」/https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/law/kodomo3houan/pdf/r020730/shisetsu_kasan.pdf

(出典:内閣府「技能・経験に応じた処遇改善等加算Ⅱの仕組み」/https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/faq/pdf/jigyousya/youshiki/shikumi.pdf

保育士の給与改善に向けた施策は、処遇改善加算等制度だけではありません。令和4年には一時的に、保育士に対する臨時の処遇改善事業も実施されました。

(出典:内閣府「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業の実施について」/https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/law/kodomo3houan/pdf/r031223/rinji_jisshi1.pdf

また、各自治体や勤務先によって、家賃補助や社宅制度など独自の制度を設けている場合もあり、処遇改善加算等制度と併せて恩恵を受けることが可能です。

2. 保育士の業務軽減に政府が対応している

保育士の仕事は子どもの保育以外にも、保育計画の作成や会議の参加といった事務業務もあり多忙です。事務作業時間の短縮や業務軽減を目的に、政府では保育補助者の採用応援やICTの活用を推奨する動きがあります。

保育補助者の採用
保育以外の業務負担を軽減するために、保育現場のサポート役として「保育補助者」を採用する体制作り
を進めています。保育補助者の役割は、担任を持つ保育士のサポートです。必ずしも保育士資格が必要な
仕事ではありませんが、ブランクのある保育士の活躍が期待されています。
(出典:厚生労働省「保育士の働く環境は?3つの改善」/https://www.mhlw.go.jp/hoiku-hellomirai/kaizen/
ICTの導入
パソコンやタブレット、スマートフォンといった、ICTの導入推進施策も進められています。ICTは、他者との
情報連携に強みを持ったIT技術を指す言葉です。

ICTの活用によって事務作業から情報共有が簡単にでき、職員の勤怠、子どもの情報、日誌、書類の作成や管理
が必要な業務の負担軽減を見込めます。連絡帳のやりとりや出欠の有無など、保護者の方との連絡でも活用可能です。
(出典:厚生労働省「2020(令和2)年度 保育関係予算概算要求の概要」/https://www.mhlw.go.jp/content/000581239.pdf

まとめ

世間の保育士に対する印象は、「よい親になりそう」「優しそう」など、子どもと接する際のイメージに由来するものがほとんどです。一方で、社会的に話題になる機会が多いことから「お給料が安い」といったイメージもあります。なお、保育士の業務負担や給与水準については、政府のさまざまな施策によって改善傾向です。

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※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています

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