保育士の配置基準はおかしい?計算方法と対処方法を解説!

保育士の配置基準はおかしい?計算方法と対処方法を解説!

他の保育所に比べて子どもに対して保育士の人数が少なく、配置基準は満たしているのか不安に感じる方もいるのではないでしょうか。保育施設ではどのような保育士の配置基準が設けられているのか、正しい情報を把握することが、園や保護者との信頼関係を築く上でも重要です。

当記事では、保育士の配置基準と、配置基準の計算方法、保育基準に違反しないための対処方法を解説します。配置基準について理解を深め、今後勤務や転職を検討する上で、ぜひ参考にしてください。

1. 保育士の配置基準とは?

保育士配置基準は、厚生労働省管轄の国の法律によって定められた、保育士1人につき保育可能な子どもの人数を示したものです。

・0歳児:子ども3人に対して保育士1人
・1歳児:子ども6人に対し保育士1人
・2歳児:子ども6人に対し保育士1人
・3歳児:子ども20人に対し保育士1人
・4歳児以上:子ども30人に対し保育士1人
(出典:厚生労働省「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」/https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82069000&dataType=0&pageNo=1

基本的には、国が定めた基準に従って保育士を配置します。自治体や保育施設が別で年齢別に細かな基準がある場合は、国ではなく自治体や施設の基準を優先します。

1. 保育園の形態によって異なる保育士の配置基準

保育事業の運営形態は多岐にわたり、それぞれ職員の配置基準や職員資格、保育室の整備などの基準が異なることが特徴です。ここでは、以下の3つの保育所の事業形態を取り上げて解説します。

・保育所(地域型保育事業)
・小規模保育事業所
・家庭的保育事業所

各、事業形態の配置基準をはじめとする概要は、以下の通りです。

  • 保育所(地域型保育事業)

地域型保育事業所は、0〜2歳児までの子どもの保育に対応する小規模事業で、卒園後の連携施設の設定が求められます。職員の配置基準については、国が定める定員と変わりません。

職員の配置基準職員資格保育室等
・0歳児:職員3:1
・1・2歳児:職員6:1
・保育士
※1人まで保健師、または看護師等の特例あり
・0・1歳児乳児室1.65m2m2/1人
・0・1歳児ほふく室3.3m2/1人
・2歳以上保育室1.98m2/1人
・0~2歳児:3.3m2/1人
(出典:厚生労働省「保育所等における保育の質の確保・向上に関する基礎資料」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11921000-Kodomokateikyoku-Soumuka/0000207475.pdf
  • 小規模保育事業所

小規模保育所は、子どもの定員が6〜19人以内の保育施設で、A型・B型・C型と多様な事業形態に対応する配置基準が設定されています。A型は保育所と似た特徴を持ち、B型は保育所と家庭的保育の中間的な位置づけです。C型に関しては、配置基準に関して年齢区分がなく、より柔軟な基準が設けられています。

事業型類型職員の配置基準職員資格保育室等
A型保育所の配置基準+1人・保育士
・保健師、または看護師等の特例あり
・0・1歳児:3.3m2/1人
・2歳児:1.98m2/1人
B型保育所の配置基準+1人・1/2以上保育士
・保健師、または看護師等の特例あり
・保育士以外は研修実施
・0・1歳児:3.3m2/1人
・2歳児:1.98m2/1人
C型・0~2歳児:職員3:1
・補助者を置く場合5:2
・家庭的保育者
※研修を修了した保育士、または同等以上の知識や経験を持つもの
0~2歳児:3.3m2/1人
(出典:厚生労働省「保育所等における保育の質の確保・向上に関する基礎資料」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11921000-Kodomokateikyoku-Soumuka/0000207475.pdf
  • 家庭的保育事業所

家庭的保育事業は、保育者の自宅で家庭的な雰囲気のもとに行われる保育形態です。家庭的保育者に加え、補助者を配置する場合は、職員2人に対して子どもが5人まで保育できます。

職員の配置基準職員資格保育室等
・0~2歳児:職員
3:1
・家庭的保育補助者を置く場合5:2
家庭的保育者
※研修を修了した保育士、または同等以上の知識や経験を持つもの

(+家庭的保育補助者)
0~2歳児:3.3m2/1人
(出典:厚生労働省「保育所等における保育の質の確保・向上に関する基礎資料」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11921000-Kodomokateikyoku-Soumuka/0000207475.pdf

国の基準を満たした状態であれば、保育士1人当たりの子どもの人数を減らすことも可能です。施設が独自で配置を決め、より質の高い保育サービスの提供もできます。

2. 保育士の配置基準が設けられている理由

国や自治体で保育士の配置基準が細かく定められている理由は、安全かつ適切に、質の高い保育を維持するためです。小さな子どもは誤飲や誤食、落下事故や喧嘩といったトラブルを起こす危険性があります。

特に年齢の低い子どもは、着替えやトイレ、おむつ替えや食事など、さまざまなサポートが必要です。しかし、十分な職員が配置されていない場合は、適切な保育を提供できません。行き届いた保育サービスを提供し、子どもが社会で適応できるようサポートするために、保育士の配置基準は定められています。

(出典:e-GOV法令検索「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」/https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323M40000100063

2. 配置基準の計算方法

勤め先の保育施設の職員配置基準が適切かどうか、確かめたい保育士の方も多いでしょう。保育施設に必要な保育士の配置人数は、下記の計算方法で割り出せます。

「子どもの人数÷配置基準の定員数=保育士の数」

ここでは順を追って、どのように保育士の配置基準を計算するのかを解説します。

1:地域の配置基準を確認する
最初に、保育所のある地域の保育士の配置基準の確認が必要です。今回は、以下の配置基準をもとに計算します。

・0歳児:子ども3人/保育士1人
・1歳児:子ども6人/保育士1人
・2歳児:子ども6人/保育士1人
・3歳児:子ども20人/保育士1人
・4歳児:子ども30人/保育士1人
・5歳児:子ども30人/保育士1人
(出典:厚生労働省「保育所等における保育の質の確保・向上に関する基礎資料」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11921000-Kodomokateikyoku-Soumuka/0000207475.pdf

2:保育所の定員を確認する
次に、自分が勤務する保育所の子どもの人数を確認してください。ここでは、合計81人の園児がいると仮定します。

・0歳児:3人
・1歳児:8人
・2歳児:10人
・3歳児:15人
・4歳児:20人
・5歳児:25人

3:年齢ごとに計算式に当てはめる
最後に、地域の保育士の配置基準をもとに、各年齢の子どもの数を配置基準の定員数で割ります。小数点以下は、すべて繰り上げて計算してください。

・0歳児:3人÷3人=1.0→保育士1人
・1歳児:8人÷6人=1.3→保育士2人
・2歳児:10人÷6人=1.6→保育士2人
・3歳児:15人÷20人=0.7→保育士1人
・4歳児:20人÷30人=0.6→保育士1人
・5歳児:25人÷30人=0.8→保育士1人

1. 保育士が足りないときの配置基準の規制緩和策

保育士の人手不足と待機児童対策として、2016年に保育士の配置基準に関する規制が緩和されました。詳しい保育施策の内容は下記の通りです。

特例の内容

特例の内容
1 朝夕など児童が少数となる時間帯における保育士配置に係る特例
保育士最低2人配置要件について、朝夕など児童が少数となる時間帯においては、保育士2名のうち1名は子育て支援員研修を修了した者等に代替可能とする。
2 幼稚園教諭及び小学校教諭等の活用に係る特例
保育士と近接する職種である幼稚園教諭、小学校教諭、養護教諭を、保育士に代えて活用可能とする。
3 保育所等における保育の実施に当たり必要となる保育士配置に係る特例
保育所等を8時間を超えて開所していることなどにより、認可の際に最低基準上必要となる保育士数(例えば15名)を上回って必要となる保育士数(例えば15名に追加する3名)について、子育て支援員研修を修了した者等に代替可能とする。
※2・3の特例適用に当たっては、全体で1/3を超えない(保育士を2/3以上配置する)ことが必要
(引用:厚生労働省「保育所における保育士配置の特例(平成28年4月施行)の実施状況調査について(平成28年10月1日)/https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000146658.html/2022/08/01)

特例措置により、保育士資格がない場合でも、条件があてはまれば保育所で勤務できるようになりました。下記は、配置基準の規制緩和の対象となる職業です。

・幼稚園教諭
・小学校教諭
・養護教諭
・子育て支援員研究修了者

子育て支援員の資格取得条件は、保育や育児に対する知識を持ち合わせており、加えて自治体の研修を修了することです。

3. 保育士の配置基準に違反するとどうなる?

すべての保育事業者が配置基準を守る必要があり、もし自治体や国が定める保育士の配置基準が守られていない場合は、児童福祉法に違反していることになります。
子どもの安全や健全な保育環境を守るために、国は定期的に監査を行っており、配置基準の違反が発覚するケースも少なくありません。違反のペナルティは、認可保育所の場合は認可取り消しとなり、認可外保育所に関しては配置改善指導が行われます。

1. 違反しないための対策方法

保育士の配置基準違反で認可取り消しとなった場合は、保護者からの信用問題にもかかわります。施設基準に沿った人員を配置するには、事業所内の子どもの人数に応じて必要な保育士を算出した上で、シフトを決めることが重要です。

しかし、一般的に保育士確保が難しいため、配置基準を常に満たす対策を事前に考える必要があります。配置基準に違反しないための対策を以下で紹介します。

ICTシステムの導入
PCやタブレットで園児情報や保育士の勤務状況を管理することで、
多用なシフトパターンにも対応しやすくなります。
さまざまな雇用形態を取り入れる
正社員だけではなく、短時間勤務のパートや派遣保育士など、
柔軟な雇用形態を取り入れるのも1つの手です。
職場の環境改善
少ない賃金・重労働などの環境下では保育士も長続きしないため、保育内容や賃金の見直し、
残業短縮や休憩時間の確保などの労働環境改善も大切です。
配置基準の緩和制度を利用する
幼稚園教諭や小学校教諭、子育て支援員研究修了者など、配置基準の緩和精度を積極的に利用し、
人員を確保するとよいでしょう。

まとめ

保育士の配置基準とは、保育士1人に対して子どもが何人まで保育できるかと言う基準です。保育事業の運営形態によって職員の配置基準は異なります。配置基準の規制緩和策やICTシステムの利用などさまざまな対策を取りながら、保育士の配置基準を満たしましょう。

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※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています

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