遊び食べの対処法を年齢別に解説!行動の理由、正しい叱り方とは

遊び食べの対処法を年齢別に解説!行動の理由、正しい叱り方とは

8ヶ月〜3歳ごろの子どもがママや保育士を悩ませる「遊び食べ」。がんばって用意した食事がぐちゃぐちゃになる様子に心が折れそうになりますよね。でも遊び食べは成長に必要な行動。正しい知識で対応することが大切です。今回は遊び食べの理由と負担を軽くする対処法について解説します。

この記事の監修者
山本 あやか(保育士)
保育士・幼稚園教諭資格を持つ2児の母。保育士歴10年、現在はライターとして活動中。保育士経験を活かし、季節の行事に家族で手作りの飾りつけを楽しむのが趣味。
Instagram:@hoik_aya___

子どもの「遊び食べ」は自然な行動

子どもの「遊び食べ」行動は離乳食を始めて少し経った8ヶ月〜1歳くらいから始まり、3歳ごろに落ち着くといわれています。

<遊び食べ行動の例>

  • 食べものを手やスプーンでぐちゃぐちゃにする
  • 食べものやスプーンをわざと落としたり、投げたりする
  • コップの中に食べ物を入れる
  • 食器やテーブルを叩いて遊ぶ
  • 食事中に椅子やテーブルの上に立ったり、動き回ったりする など

遊び食べは子どもによっては毎回のようにあり、食事を補助する大人はお行儀の悪さや周囲への被害、ちゃんと栄養が取れないことが心配になってしまいますよね。

しかし、遊び食べは悪い行動ではなく、「通常の発達段階のステップ」「適切な食習慣を身につけるための学びの時間」だと考えられています。

おもちゃと同じように食事に触れて、その体験から学びを深めようとする行動なのです。食べずに遊びを優先する場合も子どもなりの理由があります。

遊び食べの対策を考える時は、この点を理解して動くことが何より大切です。

遊び食べをする4つの理由

子どもが食事で遊んでしまう理由は主に4つあります。どのパターンに当てはまるかよく観察して対策に役立てましょう。

五感で学習している

遊び食べをしやすい0〜2歳ごろは「感覚運動期」という発達段階にあたり、ものの感触や音の反応を試し、同じ行動を繰り返しながら周りのものを認知しようとします。

一見お行儀が悪く見える行動は、ごはんの温度や柔らかさ、食器の音、何度も落としたらどうなるか?など「これは何か」を五感をフルに使って学んでいる姿なのです。

こういった試行錯誤が後に食べ物への興味や食欲につながっていくため、ある程度の遊び食べは認めてあげましょう。

発達段階について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
▶ピアジェの発達段階を分かりやすく解説!保育での活かし方と注意点とは

大人の反応を見ている

スープをこぼしたらお母さんがすぐ来てくれた。音を出したら笑ってくれた。など、ある行動で大人から良い反応が得られたら嬉しくて何度も繰り返すようになります。

また2歳前後からは愛情確認や人間関係を探るために、叱られることをわざと繰り返す「試し行動」もみられるようになります。愛情不足や不安の原因になる環境変化がないか見直すといいでしょう。

試し行動について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
▶試し行動とは?子どもがする心理や要因・対応方法を解説!

お腹が空いてない

発達段階や心理の影響もありますが、遊び食べする最も多い理由は「お腹が空いていない」というケースです。

この年頃の子どもは「後でお腹空くかも」とは考えられず、今お腹が空いてなければ遊びに興味が向いてしまいます。反対にいえば、お腹が空いていればきちんと食べるのです。

ほとんど食べずに遊び始めてしまう時は、おやつの内容や量、食事や睡眠の時間、体調に問題はないかを確認してみましょう。

食事に集中できない

子どもの興味は移りやすく、見たものや音にすぐに意識が向いてしまいます。そのため、食事中にお気に入りのおもちゃが見えたり、おもしろいテレビの音が聞こえたりすると、椅子から立ち上がり歩きたくなってしまいます。

一度食事以外のものに意識が向いてしまうと、改めて食べさせるのは至難の業。そのまま無理に座らせておけば、食材遊びがはじまります。子どもが食事に集中できるよう、テーブルの上や目に見える場所はシンプルに片づけておくことが大切です。

遊び食べ対策の基本

遊び食べは発達上必要なこととはいえ、食べてくれないと栄養面が心配ですし、毎回散らかされるのも大変ですよね。ほど良いバランスで遊び食べを認めつつ、保護者の負担を減らす方法をご紹介します。

掃除しやすい場所で食事させる

指先の扱いがまだ上手でない子どもは、普通に食べてもこぼしてしまいます。こぼす前提でお掃除しやすい場所で食事させましょう。椅子の下にピクニックシートを敷くのもおすすめです。また、布類や小物は片付けて、そばにウェットティッシュやふきんを備えておくとサッとお片付けできます。

汚れてもいい服装を用意する

きれいな服装で食事させると着替えやお洗濯が大変です。食べこぼしポケット付きのスタイやスモッグなどのお食事用エプロンを活用しましょう。ミートソースの時は赤い服など、汚れが目立たない色を着せるのもおすすめです。

子どもが扱いやすい食器を選ぶ

子どもは道具の使いにくさにストレスを感じて遊び始める場合もあります。カトラリーは手や口の大きさに合った持ちやすいもの、食器は倒れにくくて割れにくいものを選びましょう。滑りにくいシリコン製のランチョンマットなども効果的です。

食事に集中できる環境を整える

遊び食べをする子は好奇心旺盛で欲求にまっすぐな年頃。少しでも気になるものが目に入ると食事に集中できません。食事の時はテレビを消して、おもちゃやおやつは片付けておきましょう。

睡眠・食事・おやつの時間を決める

規則正しい生活リズムで過ごしていると、自然と食事時間にお腹が空くようになります。特に食事とおやつは毎日同じ時間に決めて、睡眠や運動の時間も十分にとりましょう。

食べきれる量をお皿に盛る

お腹がいっぱいで始める遊び食べを防ぐため、子どもが食べきれる量をお皿に盛ることも大切です。また、食事に満足したうえで遊び食べをおこなっている場合は、いさぎよくお皿を下げてしまってもよいでしょう。

姿勢が安定するイスに座る

足置きのあるイスに座ることで、安定感が生まれて食事に集中しやすくなります。豆イスの場合は問題ありませんが、ダイニングテープルに合わせる高いイスの場合は注意が必要です。足置きを置いて、足裏がしっかりつく状態になるよう調整してみましょう。

【年齢別】遊び食べの対処法

子どもの成長とともに食事内容や心理は変化します。そこで、遊び食べの対処法について年齢ごとに分けて対策を解説します。
※発達状況は個人差が大きいため年齢は目安としてご覧ください。

0歳児(8ヶ月ごろ〜)の対策

  • 手づかみ用と食べさせる用にうつわを分ける
  • 遊び食べにリアクションを取らない

遊び食べが始まる8ヶ月ごろは「食べさせてもらう」から「手づかみ食べ」に移行していく段階です。

自分でやりたい・さわりたい気持ちが強く、盛大にこぼして食べる分がなくなってしまうのが悩み。気持ちを尊重しつつ、きちんと食べてもらうために食事は2つに分けて準備するといいでしょう。

また、周りの人の感情をまだ読み取れず、どんな反応でも喜んで行為をくり返すのも特徴です。遊び食べを長引かせないために、何かあってもなるべく静かに対処しましょう。

1歳児の対策

  • 身体を動かしてお腹を空かせる
  • 家族やお友達と一緒に食べる

1歳児はカトラリーを使って自分で食べられるようになりますが、集中力が継続するのはまだ2分程度。動き回りたい時期でもあり、最後までごはんに興味を持ってもらうには工夫が必要です。

まずは食事前に運動の時間を作ってお腹を空かせましょう。「毎日10時からはお散歩」など身体を動かすルーティンを作るとスムーズです。

また家族やお友達と一緒だとしっかりと食べる子が多いようです。一緒に座って楽しみながら食べるようにしましょう。

2~3歳児の対策

  • 一緒に野菜を育てたり料理をする
  • 料理の食べやすさを確認して調整する

2〜3歳は自我が発達して好き嫌いがはっきりしたり、見知らぬものへの警戒心や強い興味を持つ時期。これまでとは違う理由で食べないケースも増えてきます。

こういう時は一緒に苦手な野菜の栽培をしたり、料理をして食材への興味や特別感を高めてあげると効果的です。

また離乳食が終わって大人と近い食事になる時期ですが、嚥下や咀嚼力の発達は個人差が大きく、食事の食べにくさが原因で疲れてしまう子もいます。

ただの好き嫌いで終わらせず、何が嫌なのか詳しく聞くようにしましょう。大きさやとろみを変えると食べられるようになる場合もあります。

遊び食べがひどいときの正しい叱り方

遊び食べがあまりにひどい時はきちんと叱って食事の大切さを教えることも必要です。ただし、子どもの気持ちを傷つけないように、以下の点に注意しましょう。

無理に食べさせない

食べないからと無理やり口に入れたり、席を立った子を追いかけて食べさせるようなことはしてはいけません。イヤなことを無理強いされて心の傷になったり、窒息や誤嚥の危険性も高まります。

誰かと比べたり怖い話で脅すのはNG

「〇〇ちゃんはちゃんと食べてるのにできないの?」「食べないとオバケがくるよ」というように誰かと比べたり、怖い話をするのもNGです。自分を否定されて悲しい気持ちになったり、食事は怖いものだと思ってしまいます。

ダメなことは冷静に具体的に理由を伝える

何度も食べ物を落としたり、いけないと分かって繰り返す時はきちんと注意しましょう。冷静な態度で、なぜダメなのか具体的に教えることが大切です。

例えば「落としたら食べられなくなる」「お皿が割れたらケガをする」「ママは一生懸命作ったから悲しい」など、その後に起こることや周囲の気持ちまで伝えると子どもが理解しやすくなります。

遊び食べを始めたら終わりにする

「遊び始めたら食事はおしまい」をルール化するのも効果的です。

遊び食べを始めたら「遊んでるから片付けるね」と伝えてお皿を下げます。まだ食べたい反応をしたら、きちんと座らせて食べさせる。

この流れを繰り返すことで集中して食べる習慣が少しずつ身についていきます。食事時間の目安は15~30分程度です。

毎回対応を統一する

「この前は叱られたのに今日は大丈夫だぞ?」となると何が悪いのか分からず、子どもが混乱します。ママ・パパ・保育士さんで情報共有して遊び食べの対応を統一していきましょう。

余裕がなくなったら他の人に頼る

遊び食べの対応は冷静さが重要ですが、毎日立ち会う大人のストレスは大変なものです。気持ちに余裕がない時は無理せずに他の人に頼りましょう。ママはパパや保育士さんに、保育士さんは同僚に、みんなで対応していきましょう。

保育園と家庭の様子を共有するのも大切

子どもの遊び食べは保育園と家庭で連携することが大切です。情報を交換して同じ対応を取ることで子どもも理解しやすくなるでしょう。

保護者は家での様子と悩みを保育士に相談し、保育士は園での様子とその子の遊び食べの理由や対応方法を保護者に伝えていきましょう。

遊び食べは適切な食習慣を身につけるための練習期間。周囲の大人にとっては負担が大きい時期ですが、みんなで協力しながら広い心で見守ることが大切です。

まとめ

8ヶ月〜3歳ごろの子どもが行う「遊び食べ」は悪いことではなく発達上の自然な行為です。

遊び食べをする主な理由は、五感での学習・愛情確認・お腹が空いてないの3つ。それを踏まえて対策することが大切です。子どもの年齢や発達段階に応じて食事に集中できる環境を整えてあげましょう。

遊び食べを叱る時は冷静な態度で具体的に伝えることを心がけ、ママ・パパ・保育士で統一した対応をすると子どもが理解しやすくなります。

焦らず、みんなで協力しながら食事の大切さを伝えていきましょう。

※参考
「2歳児がご飯を食べない!驚くほど効果が見える8つの対応【教えて保育士さん】」(マイナビ子育て)
「遊び食べはいつまで?保育士が教える月齢別の食事サポートの仕方」(キッズライン)
「【教育研究家に聞く】赤ちゃんの遊び食べ、いつまで続く? 上手な対処法とは?」(東京ガス ウチコト)

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