保育士に目標設定が重要な理由|わかりやすい目標の例文・ポイント

保育士に目標設定が重要な理由|わかりやすい目標の例文・ポイント

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保育士は子どもの成長を見守る大切な仕事であり、国家資格を必要とする専門職です。常に自分を成長させ、子どもたちや保護者と接する必要があります。

保育士自身が専門家として成長するためには、目標を設定し自己評価や振り返りをすることが大切です。しかし、保育士は経験年数によって求められる役割やスキルが異なるため、自分に合った目標がどういったものかわからない方も少なくありません。

そこで今回は、保育士にとって目標を設定することが重要な理由と、保育士に期待される役割や目標の例文を紹介します。自分に合った目標の立て方を知りたい方は参考にしてください。

なぜ保育士は「目標設定」が重要なの?

GOAL

保育士としてスキルアップするためには、目標を設定することが大切です。目標には次の3つが存在します。

・短期的目標          
・中期的目標          
・長期的目標        

モチベーションを保ち、やりがいを感じて仕事を続けるためには、目標を設定して具体的な行動に結びつけることが大切です。目標を設定した後は、どこまで達成できたか・次の目標は何かなど自己評価をすることで、さらなるステップアップにつながります。

ここでは、保育士にとって目標設定が重要な理由を解説します。

保育士としてのスキルアップになる

目標を立てると、保育士としての不足点や改善点を客観的に見ることができます。目標を達成するために仕事に励むと、自ら学び、成長していくための課題を見つけることが可能です。子どもたちの対応や事務処理など普段の業務の中でも、苦手分野の対処法や得意分野のさらなる伸ばし方などを意識できるため、スキルアップにつながります。

目標を達成すれば、自信とともに経験やノウハウが身に付きます。経験やノウハウがあるとトラブルや失敗の見通しを立てることができるため、余裕を持ちながら成功に導くことも容易となるでしょう。

モチベーションの向上につながる

自分が設定した目標を達成すると自分の成長を実感できるため、モチベーションの向上につなげることが可能です。

モチベーションを保ちながら保育士の仕事を続けることは、簡単ではありません。日々の業務量の多さや安全対策における注意力・体力的な疲労など、モチベーションが下がる要因はたくさんあります。

しかし、小さく短期的な目標を設定して業務を行うことで達成感を得ることができ、成功体験が多くなるとモチベーションも高くなります。

自己評価力を育てられる

目標を設定した後は、立てた目標をどれほど達成できたのか、自己評価をする必要があります。自分は何が達成できて何が達成できなかったのか自己評価を行い、次のステップに役立てましょう。

自己評価をするタイミングは、中期的目標や長期的目標の場合、3か月に1回程度のタイミングがおすすめです。一方、短期的目標の場合、1週間に1回は自己評価を行いましょう。短期間で振り返りをして目標を修正することで、中期的目標や長期的目標の達成につながります。

後輩の育成指導に役立つ

目標は、後輩指導時の目安材料として役立ちます。勤続年数が長くなるにつれ、後輩の育成指導を行うことが多くなります。しかし、育成指導が初めての場合、後輩に何を指導してよいのか、後輩が何をできるようになればよいのかがわかりません。そこで、新人のときに自ら目標設定をしておくことで、後輩が一人前になるまでのプロセスを明確にできます。

また、自分の目標を参考にすることで直接後輩の指導を行えるため、先輩の負担を軽減することが可能です。後輩とともに自分も成長することができ、保育園全体の人材力向上を担うことにもつながります。

保育園全体の目標達成に近づける

保育士個人の目標設定をすることで、保育園全体の目標を細分化して、組織目標の達成に近づけることができます。保育園全体の目標を達成するためには、所属している保育士たちの力が必要不可欠です。個人の目標と全体の目標をリンクさせることで生産性が向上し、保育園全体が成長します。

保育園全体の目標や方針に沿ってブレイクダウンしたものを個人目標にすると、双方の方向性にズレが生じません。方向性を意識した目標にすることで、他者から評価をされやすくなることにもつながります。

保育士が目標設定する流れ

保育士は、目標設定をすることでさまざまなメリットが得られます。しかし、漠然と目標を考えても、スキルアップやモチベーションアップにはつながりません。自分に合う目標を設定できるようになるには、3つの段階を踏む必要があります。

ここでは、保育士が目標設定をする際の流れについて解説します。

STEP1:今の自分の状況を振り返る

現時点での自分の状況を振り返るためには、第三者の視点を考えることが大切です。

客観的な視点を持ち、反省点と今後の目標を明確化するために、得意なことと苦手なことの両方について思いつく限りを書き出し、自己分析を行います。
苦手なことを克服する目標だけでは意欲が低下してしまい、目標達成のための行動を効率的に行えません。苦手なことを克服する目標と、得意なことを伸ばす目標を同時に設定することで、スキルアップとモチベーションアップにつながります。

STEP2:大きな目標と小さな目標を立てる

大きな目標と、それを実現させるための小さな目標を立てます。大きな目標だけでは実現できるまでの道のりが遠く、挫折する可能性が高いためです。大きな目標を達成するための小さな目標を立てることで、目標のハードルが下がります。成功体験を積み重ねることで、自信やモチベーションの向上にも結びつき、次の目標も立てやすくなるでしょう。

現実的で達成しやすい目標を立てるためにも、大きな目標と小さな目標を同時に考えましょう。

STEP3:目標を達成するプロセスも考える

目標達成に必要な道筋を考えることで、目標達成のために尽力している自分の姿を想像でき、すぐ行動に移せる力を身に付けられます。目標を達成するプロセスを考える際は、工程を細分化しましょう。何をやるべきか細かく決めると、やるべきことが明確化され、モチベーションが失われません。

過去の実践経験やデータに基づいて、目標達成までのプロセスを予測することも大切です。最初に道のりを見通しておくことで、目標を効率的に実現させられるでしょう。

保育士が目標設定する際のコツ

自分の現状に合っていない目標や抽象的な目標、高すぎる目標では達成できない場合があります。達成できる可能性をより高めるためにも、目標の設定方法に関するコツを押さえることが大切です。

ここでは、保育士が目標を立てる際のコツについて、3つ解説します。

目標が決まらない場合は他人から自分の評価を聞く

今の自分の状況を知るためには、自分の評価だけではなく他己評価も参考にして、客観的な意見を取り入れることが大切です。職場の先輩や上司、同僚など周りからの評価や意見、よりよい働き方のアドバイスを積極的に聞くことで、自分には知り得ない長所や短所を知ることが可能です。

また、自分に関する評価だけではなく、ほかの人の目標設定方法を聞くことで、適切な目標設定をするための参考にもなります。

自分を見つめ直して新たな一面を知り、目標を確実なものにするためにも、第三者からの意見を参考にして目標設定を行いましょう。

数字を使って具体的な目標にする

具体的な目標であれば、目標達成できる可能性を上げることが可能です。特に、数字に関する下記の2つを決めることで、目標が現実的なものとなります。

・期限
締め切りや期限を設定し、いつまでに達成するかを決めましょう。
期限を決めることで行動力が増し、先延ばしにせず目標を達成することができます。
 
・数値
数値化した目標を立てると、目標が現実味を帯びます。
数字を使った目標では達成度を確認できるほか、目標を達成するまでの道のりをイメージしやすいでしょう。

物事を客観的に捉えやすくするためにも、数字を使って目標を設定することが重要です。

120%の力で達成できる範囲の目標にする

高すぎる目標ではなく、手を伸ばせば届く範囲の目標を設定しましょう。高すぎる目標であれば挫折やプレッシャーとなるほか、自信やモチベーションの低下の原因となります。現状よりも低い目標であればやりがいがなく、スキルアップにつながりません。難しすぎず易しすぎない目標にすることで、自分の能力を思う存分に引き出せます。

現在の能力よりも少し高い120%程度の力で達成できる範囲の目標を立てることで、目標が意味を成し自分や保育園全体の成長へと役立ちます。

保育士に求められるそれぞれの役割|わかりやすい目標の例文

ノートを取る手元

保育士は、新人・中堅・ベテランなど、キャリアによってそれぞれの役割が異なります。自分の役割に合っていない目標を立ててしまうと、ギャップを感じたりモチベーションの低下につながったりする場合があります。そのため、自分に合った目標を立てることが重要です。

ここでは、それぞれの保育士のキャリアに応じた目標を立てるポイントと、目標の例文を紹介します。

新人保育士

新人保育士は、自分が何を目標にすればいいかわからないと悩む方も少なくありません。新人保育士の場合、まずは社会人としての基礎を固める必要があります。基本的なマナーや言葉遣い、「報告・連絡・相談」といった上司や同僚とのやり取りが確実に行えるようにしましょう。

社会人としての基礎は重要な要素となりますが、保育スキルに関する目標も重要な要素です。自分が目指したい保育士の理想像を叶えるためにも、子どもとの信頼関係をどう結んでいくか、先輩の接し方などを参考に日々努力することが大切です。

以下に新人保育士が立てるべき目標の例文を記載します。

社会人として基本的なマナーや態度、言葉遣いが行えるように意識します。上司や同僚、保護者とのコミュニケーションを大切に、まずは「報告・連絡・相談」を行えるようになりたいです。
保育士として、子どもから信頼されるようになりたいです。笑顔で明るい雰囲気を持ち、子どもが躊躇なく自分に関われるように、子どもの目線に合わせて話したり接したりできるように意識したいと考えています。
発言することは苦手ですが、積極的に子どもに声をかけられるようになりたいです。まずは声を出すこと、話しかけることから始めたいと考えています。

中堅保育士

保育士としての現場経験を5年程度重ねた中堅保育士は、一通りの業務を効率よく進めていくことが可能です。その反面、どのようにキャリアを積んでいくか将来の展望について迷う方も少なくありません。

中堅保育士はこれまで培ってきた経験とスキルを大いに活用できるため、園の中心的な存在としての活躍を期待されることが多くなります。その中で、園の方針や特色を意識した保育を実践したり、勉強会の運営や子育て相談に対応したりすることも期待されています。

以下に中堅保育士が立てるべき目標の例文を記載します。

園の理念や保育方針を意識した保育が行えるように、自分なりに創意工夫をして実践していきたいです。
職員間のスムーズなコミュニケーションを目指し、園全体に意識を向けて、後輩の教育や相談にも積極的に関わりたいです。
主任保育士を目指して、受け持ちクラス以外の業務にも積極的に関わり、園外部への対応にも挑戦していきたいです。

ベテラン保育士

経験10年以上、主任以上の役職を持つベテラン保育士は園全体をまとめ、それぞれの保育士が自分の能力を発揮できるようにサポートする役割があります。

ベテラン保育士は園全体の業務に関わることが多くなり、後輩の指導も行いながらクラスも受け持つことも少なくありません。どれも重要な仕事であるため、責任感やプレッシャーを感じてしまう方もたくさんいます。

以下にベテラン保育士が立てるべき目標の例文を記載します。

一つひとつの行事や日々の業務が支障なく行えるように、園全体を見渡してそれぞれの保育士が活躍できるようにサポートしたいです。
施設全体の衛生管理や安全管理を意識して、施設の環境作りにおいてリーダーシップを発揮できるように頑張りたいです。
施設内では、後輩たちへの的確な指導ができるようにしたいです。また、関係部署と連携する役割も担い、地域社会にも目を向けたいです。

目標設定後の重要なポイントは「自己評価」

階段

目標を設定したままにせず、定期的に自己評価を行います。目標を振り返るメリットは下記の通りです。

・自分自身を高める
・成長度合いを見る
・足りないところを確認する
・新たな発見が次回の目標設定時に役立つ
・モチベーションを維持できる
・やりがいを持てる

自己評価は1年を通して何度も行うことで、ステップアップが実感できます。目標の大きさに応じて自己評価のタイミングを変え、大きな目標であれば3か月に1回、小さな目標であれば1週間に1回または1日に1回の頻度で行いましょう。目標の達成度に応じて、その都度目標を修正することが大切です。
自己評価のやり方としては、目標管理シートを作成することが一般的です。目標管理シートは、インターネット上でテンプレートのダウンロードをすることが可能です。保育園で目標管理シートを用意しているケースもあります。目標管理シートでは、下記の項目を設定している場合がほとんどです。

・年間・月間目標
・期限
・目標となる数値
・目標に取り組む意義
・大きな目標
・小さな目標
・達成度

目標管理シートには、先輩や同僚からもらうフィードバックの項目を入れるのもよい方法です。主観的な意見だけではなく客観的に見た達成度合いを確認することで、新しい気付きを得られます。偏った目標や間違った認識を正すことにもつながり、アドバイスを通してさらに成長できるでしょう。

まとめ

保育士の仕事は日々子どもに細心の注意を払い、発達段階に合った保育を提供していかなくてはなりません。大変な面も多い仕事ですが、モチベーションをうまく保つことで、長期的に活躍することができます。

保育士が目標を設置する際には、他人から自分の評価を聞く、数字を使って具体的な目標にする、120%の力で達成できる範囲の目標にすることがコツです。

新人のときから目標を設定し、自分の理想とする保育士に近づくためにも、小さな目標から達成を目指しましょう。

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