保育士の仕事にやりがいを感じる瞬間から見出すための考え方まで!

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仕事の流れをひと通り把握し、日々の業務をそつなくこなす保育士でも、将来への漠然とした不安や満たされない想いに対して思い悩むこともあるでしょう。「保育士の仕事の楽しさが分からない」「保育士の仕事は苦労が多く、割に合わない」といった感情に流され、退職や転職を行うことは、後悔を招く結果となりかねません。

当記事では、現在の働き方に不満や不安を持つ方のために、保育士の仕事の魅力ややりがいを紹介します。保育士の仕事にやりがいを見出す考え方についても触れるため、活き活きと働く日々を取り戻すためのヒントとして、有効に活用ください。

【子ども】保育士の仕事にやりがいを感じる瞬間

子供たちと遊ぶ保育士

保育士は、子どもの命を預かるという責任や、プレッシャーと隣り合わせの大変な仕事です。しかし、保育士はつらいことだけではなく、やりがいや魅力を感じられる仕事でもあります。

ここでは、たくさんの子どもたちと触れ合う仕事であるからこそ感じられる、保育士の仕事のやりがいを紹介します。

子どもの笑顔を見たとき

まず何よりも、子どもの笑顔を見るときに、保育士としてのやりがいを感じることが多い傾向です。

保育の現場は、健康管理や安全面に対する配慮など、緊張感を要する業務が目立ちます。ゆえに、子どもの笑顔の癒す力に励まされ、モチベーションを維持することが可能です。

中でも、以下のようなシチュエーションでは、大きなやりがいを実感します。

・子ども同士のじゃれ合いで泣く、怒る子どもが機嫌を直し、笑顔に変わるとき
・家庭の事情などを理由に心を閉ざす子どもと接し、無邪気な笑顔を目にするとき
・自分自身になつき、「先生」と駆け寄る子どもの笑顔を目にするとき

子どもの成長を感じたとき

子どもの発育・成長を目にすることも、保育士のやりがいです。保護者より多くの時間を子どもと過ごす保育士は、日々の変化を間近に感じ、見守る役割を果たします。保護者とともに子どもの成長を喜び、自分自身の仕事の成果を感じることは、保育士の醍醐味です。

特に、担当クラスの子どもが卒園の日を迎え、送り出す瞬間の感動は、あらゆる苦労を帳消しにするほどの威力を持ちます。トラブルや仕事の苦労も「子どもの成長に必要なこと」と思えば、乗り越えられるでしょう。

子どもにとって特別な存在だと感じたとき

日中の大半を一緒に過ごす子どもたちから、家族のような特別な存在だと思ってもらえたときにやりがいを感じるでしょう。保育園に入園したばかりの子どもは、親から離れられず登園しても保育園の玄関で泣き続けることも少なくありません。不安や寂しさを抱える子どもたちを近くで支え、信頼関係を築きあげることは保育士の腕の見せ所です。

また、クラス担任を経験すると、子どもたちの特別さもひとしおです。日々の生活や季節の行事などたくさんのことを一緒に乗り越えていく担任は、子どもにとってより特別な存在になります。

卒園式に立ち会った子どもに後日会ったとき

子どもたちの卒園を見届けることは、保育士ならではの魅力の1つでしょう。卒園式に立ち会えたとき、入園当初の小さな子どもたちが成長した姿を見て、グッとくるものがあります。保育士として責任を持って子どもたちを見守ることができた、一緒にさまざまなことを乗り越え成長できたと感じられる感動的な瞬間です。

また、同じ保育園で保育士人生を続けることで、卒園していった子どもたちが保育園に遊びに来てくれることもあります。毎日一緒に生活した子どもたちが社会性を身につけさらに大きく成長した姿に、「保育士としてこの子の成長に関わることができてよかった」と感じられます。

【保護者】保育士の仕事にやりがいを感じる瞬間

保育士は保護者の代わりに子どもを預かる仕事であり、子どもの日中の様子を毎日伝えたり、行事を一緒に盛り上げたりと、子どもと同じくらい保護者とも密に関わります。保護者と良い関係を築けなければ、子どもが保育園や保育士に慣れるまでに時間がかかる可能性もあるため、保護者との関係性がうまくいったときはやりがいを感じる瞬間です。

保護者からの育児の相談に対応できたとき

保護者の中には、家庭での子どもとの関わりや育児に不安を持つ方も少なくありません。子どもと接するプロの保育士は、保護者から育児に関する相談を受けることも多いでしょう。子どもの性格や生活状況を踏まえつつ、保護者の気持ちに寄り添った適切なアドバイスができると、保護者との信頼関係にもつながります。

保護者から相談してもらえるということは、仕事ぶりを認め、頼られていると考えてよいでしょう。育児の相談に答えるのは簡単なことではありませんが、うまく対応できたときや保護者との信頼関係がより強固になったときに大きなやりがいを感じられます。

保護者をサポートする中で感謝の言葉をもらったとき

保護者から「ありがとう」や「先生が担任でよかった」などの言葉をもらったときは、保育士として大きなやりがいを感じられるでしょう。送迎のときなどに、保護者から相談を受けたり保育士自身から子どもの普段の様子を伝えたりと、限られた時間の中で保護者とコミュニケーションを取る必要があります。短時間でも保護者との信頼関係を築くことを忘れず、寄り添ってサポートすることで、保護者から感謝の言葉をもらえると嬉しい気持ちになります。

中には、教育方針と保育方針の違いや意見の食い違いのある保護者も少なくないため、保護者対応は保育士にとって大変な仕事です。しかし、うまくコミュニケーションを取れたときにもらえた褒め言葉は、なかなか目には見えづらいプロの保育士としての誇りに感じられるでしょう。

【行事】保育士の仕事にやりがいを感じる瞬間

多くの保育園で、運動会や発表会など季節に合わせた年間行事を開催しています。行事のある時期は仕事量が増えたり、準備に追われたり忙しくなりますが、その分大きなやりがいを感じられるでしょう。事前準備から当日まで、行事を通してさまざまな場面にやりがいを感じる瞬間があります。

行事・イベントが成功したとき

入園式や運動会、卒園式の企画や準備は、保育士の手腕の見せ所です。日常的な業務の傍らで年間行事の計画・準備を行うため、残業や持ち帰り仕事が急増します。当日までに苦労するほど成功を納めたときの達成感が大きく、保育士として働くことの喜びを実感する瞬間となるでしょう。

また、多くの保育園では、誕生日会や生活発表会(お遊戯会)、ひなまつり会や節分、クリスマス会など、季節に沿ったイベントや成長の定例報告イベントを行います。子どもとともにイベントの準備や練習を行うことは純粋に楽しく、童心に帰る経験もできるでしょう。

他の保育士や保護者とうまく連携できたとき

行事の事前準備は保育士1人で行うのではなく、他の保育士同士や保護者と協力しながら作り上げるものです。保護者からの要望を取り入れたり、他の保育士たちと役割分担を決めたりと、情報共有や連携を意識して取り組まなければなりません。
職員や保護者の人数が多いと連携が取りづらかったり、意見の食い違いがあったりと、特に担任として引っ張る立場であれば大変に感じることも多くなります。しかし、職員・保護者間でうまく連携が取れれば絆が深まり、団結して取り組む姿にやりがいを得られるでしょう。

行事を通して子どもの成長する姿を見たとき

運動会や生活発表会などの行事は、子どもたちが成長した姿を保護者や他の先生にアピールする場です。子どもたちをまとめあげることは簡単ではありませんが、成功に向けて頑張る姿や友達と協力して取り組む姿を見られることは大きな魅力です。
また、クラスを受け持つと、子どもたち一人ひとりが目標に向かって挑戦する過程を見守ることができます。初めはうまくできなかったことができるようになったとき、子どもの成長を感じ保育士として側でサポートできたことにやりがいや達成感を感じるでしょう。

【社会貢献】保育士の仕事にやりがいを感じる瞬間

核家族世帯や共働き世帯の支援、待機児童問題解消など、保育士は社会問題を解決するために重要な役割を担う仕事です。保育士は子どもや保護者から頼りにされるだけではなく、社会全体から求められる存在のため、社会貢献できるところに大きなやりがいを感じられるでしょう。

幼児期の保育を通して共働き世帯をサポートできたとき

共働き世帯にとって、保育園そして保育士はなくてはならない存在です。保育現場で保育士が子どもを預かってくれるからこそ、保護者は働くことができ、勤務先も人手を確保できます。保育士として働くことは、広く社会に貢献することにつながっています。

厚生労働省の「新子育て安心プラン」では、女性の就業率を82%まで上昇させることを目標にしています。今後、働くことを希望する女性が増加することも踏まえ、保育士のニーズは高まるでしょう。

待機児童問題の解消につながると実感したとき

保育士不足の中、1人でも多く働くことで、深刻な社会問題である「待機児童問題」の解消につながります。厚生労働省は「保育所等関連状況取りまとめ(令和3年4月1日)」で、令和3年4月時点の待機児童数は5,634人と公表しています。この結果を受けて、厚生労働省は2024年度末までに、約14.2万人分の保育の受け皿を確保する方針を固めました。

現在の待機児童数を大幅に上回る保育の受け皿を確保するため、今後も保育士確保の動きは高まるでしょう。保育士として働くことで、何人もの子どもたちの受け皿を増やすことができたと思うと、重要な役割を果たしているやりがいを感じられます。
(出典:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(令和3年4月1日)」
/https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20600.html

【職場の人間関係】保育士の仕事にやりがいを感じる瞬間

保育士の仕事は、日中子どもに付きっきりで保育活動をし、合間や降園後に事務仕事をこなす必要があるため、多忙なスケジュールとなります。各保育士がさまざまな業務をこなす中で、仕事の手際が早かったり、短時間できれいな製作ができたりすると、同僚や先輩保育士から褒められる場面も多いでしょう。仕事で仲間から褒められると、保育士としての自信ややりがいにつながります。
また、保育園ではクラス担任や行事のリーダー、主任保育士など、責任のある仕事を任せられることがあります。担任やリーダーに抜擢されたときのプレッシャーは大きいかもしれませんが、普段の自分の仕事ぶりが認められたと考えると、今後も保育士として頑張れる糧となるでしょう。

保育士のやりがいと常に隣り合わせにある大変さ3つ

保育園の室内

保育士の仕事は多岐にわたるため、さまざまな場面でやりがいや楽しさを感じられます。一方で、保育士は、幅広いスキルを要求されるといった大変さも持ち合わせています。

ここからは、保育士として働くうえで避けることのできない大変さについて、詳しく解説します。

複雑な人間関係

保育士同士・保護者・子どもといった多くの人と関わり、関係構築を行うことに大変さを感じる方は多いものです。保護者の中には、理不尽なクレームを行う人も存在します。自分自身の怒りや不満を抑えてクレームに対応することは、大変なストレスです。

また、保育士は、他の保育士と連携し、チームで動く仕事です。価値観の異なる保育士と衝突し、コミュニケーションに支障が生じる状況では、日々の業務の遂行が難しくなります。
特に新人保育士は、保育士業界特有の上下関係に不安を感じ、思い描いた働き方と自分自身のギャップに悩むことが多い傾向にあります。先輩保育士の考え方や評価を最優先し、業務を行う状態では、伸び伸びと働くことが不可能です。

子どもと関わるための体力面

保育士は、体力勝負の仕事です。いずれの年代を担当するにしても、肉体的・精神的なエネルギーを要します。

0歳児クラスで抱っこやおんぶといったスキンシップをこなすためには、十分な体力が必要です。0歳児は常に目が離せない年代にあたるため、子ども用の机や椅子で事務作業を行うことも、体力の消耗を招きます。

1歳児〜2歳児クラスは、0歳児と比較して行動範囲が広がるため、安全管理の徹底が必要です。「ケガをさせないように」といったプレッシャーから、精神的な疲弊を感じる保育士も多くいます。

3歳児~5歳児クラスは、保育園の庭や公園で走り回るなど、活発な活動が増加する年代です。日々の業務の傍らで遊び相手をこなすためには、十分な気力・体力が必要となります。

低い給与

下記は、常勤保育士の1人あたり給与月額(賞与込み)をまとめた表です。役職者以外の保育士の月額は、全職業の平均賃金3,239,000円を下回ります。

私立公立
主任保育士422,966円561,725円
保育士301,823円303,113円
保育補助者(資格を持たない者)223,584円148,720円

(出典:令和元年11月26日 内閣府「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】」
/https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/kekka.pdf

保育士確保プランによる処遇改善が進行しつつあるものの、給料事情に不満を感じ、離職する保育士も存在します。世間一般でも「保育士は、給与が低い」といったイメージが横行し、全国的な人材不足が継続している状況です。人手不足の職場では保育士ひとりあたりの業務負担が重いため、仕事内容に対する給与の低さを強く感じることもあるでしょう。

仕事に対して求めるものは、人によってそれぞれ異なります。「仕事の大変さ」「やりがい」を天秤にかけたとき、後者が勝る保育士は多いため、将来を悲観する必要はありません。

保育士の仕事にやりがいを見出す考え方

絵本を読み聞かせる保育士

保育士に限らず、どのような仕事にも良い面と悪い面は存在します。慢性的なストレスを抱える状況では、悪い面ばかりが目につくためやりがいを見出すことが困難です。

この状況を抜け出すためには、十分なストレス対策を行い、前向きな考え方を取り戻す方策が検討されます。前向きな気持ちで働くと、仕事の魅力や楽しみといった良い面に意識が向き、やりがいを感じる頻度が増えるためです。

十分なストレス対策の具体例として、以下のような方策が検討されます。

・休日に予定を詰め込まず、体力の回復を図る
・人間関係を気にすることなく、ひとりでできる趣味を楽しむ
・指示に従うばかりではなく、主体的な行動を起こす

前向きな努力を継続してもなお「やりがいがない」と感じる場合は、転職を行うことも一案です。「どのような職場であればやりがいを感じるか」といったことをよく考えて、同じ理由から転職を繰り返す失敗を防ぎましょう。

まとめ

一度でも仕事の楽しさ、やりがいを感じた経験を持つ方は、保育士として活躍する素質を持ちます。そのため、「現在、保育士の仕事にやりがいを感じない=保育士の素質がない」と短絡的に考えることは避けましょう。

保育園の中には、有給休暇の取得ができなかったり、過剰な残業を強要されたりといった、「ブラック保育園」も存在します。客観的に現状を見直し、労働環境・待遇に関するストレスの払拭が難しい場合には、仕事のやりがいを取り戻すための転職を検討をおすすめします。

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