新人保育士が抱える悩み&指導する際のポイント・注意点

新人保育士が抱える悩み&指導する際のポイント・注意点

保育士としての仕事に慣れると、次の段階として後輩の指導を任されることが多くなります。多少仕事のキャリアを積んだとはいえ、今まで誰かを指導した経験のない人にとっては、新人保育士をどのように指導するべきなのか分からないことが少なくありません。

そこで今回は、新人の指導担当者となった人に向けて、新人保育士が抱えやすい悩みと、指導する際のポイントについて解説します。新人保育士を指導する上で注意するべき点についても紹介するため、ぜひ参考にしてください。

1.新人保育士が抱えやすい2つの悩み

新人保育士を指導するにあたり、まず大切なことは新人保育士の多くに共通する悩みを理解することです。

ここでは、新人保育士が悩みとして抱えやすい「人間関係を上手に構築できないこと」と「技術と仕事量が合わず時間内に仕事を終えられないこと」について紹介します。

1-1. 人間関係をうまく築けない

保育園では、ベテラン保育士から年の近い先輩保育士まで、年齢も経験も多様な人がチームを組んで保育にあたります。しかし、さまざまな年代の人と働いたことがなく、人間関係の築き方が分からない人も、新人保育士には珍しくありません

他にも、緊張してしまったり経験の少なさから指示への理解が及ばなかったりして、失敗につながってしまうことがあります。

上手にコミュニケーションが取れずに失敗して、落ち込んだ上に叱責されることで、さらに萎縮してしまう悪循環に陥りかねないため、注意が必要です。

1-2. 技術と仕事量が合わず時間内に終わらない

新人保育士に子育ての経験が豊富な人は、めったに存在しません。そのため、子どもとの上手な接し方が分からずに、「子どもが言うことを聞いてくれない」などの悩みを抱える人が多くいます。

また、保育士の仕事は子どもの面倒を見るだけではなく、書類・制作物の作成や掃除といった雑務が山積みです。新人保育士のうちは、簡単な書類の作成や日常の掃除にも時間がかかるため、勤務時間内に仕事が終わらないことも少なくありません。

覚えなければならないことが多くあり、理想と現場の落差に自信を喪失してしまう人もいます。

2. 新人保育士を指導する際のポイント

新人保育士を指導する際は、ただ自分が思ったことをその場で発言するだけでは、新人保育士が抱える悩みを解消することはできません。

指導方法によっては、新人保育士の精神状態や職場の雰囲気を悪化させる要因となります。新人保育士を指導する際は、指導内容においてコツを押さえることが重要です。

ここでは、新人保育士を指導する際のポイントを、6つ紹介します。

2-1. 保育園でのマナーを教える

保育園でのマナーを教えることは、新人保育士が良好な人間関係を築くために重要です。しかし、社会人経験のないことが多い新人保育士は、マナーに反した振る舞いを自覚していないことが珍しくありません。

失礼な言葉遣いや態度は、保育士の間だけではなく、保護者対応で心証を損ねる原因ともなり、クレームに発展することもあるでしょう。

「理解していることが当たり前」だと考えずに、社会人として基本的なマナーであっても1から丁寧に指導することで、周囲との信頼関係を構築することにつながります。

2-2. 的確な指示・アドバイスをする

新人保育士に正しい仕事の手順を理解させるためには、教える側が的確な指示とアドバイスを送ることが大切です。

すべての仕事や子どもを把握できていない新人保育士に、「あれをやっておいて」などと曖昧に指示を出しても理解できません。

指示を出す場合は、「◯◯を◯◯までに終わらせて」と、はっきりと仕事内容や期限を提示しましょう。

また、保育園全体で業務や指導の手順をマニュアル化することが大切です。業務手順のマニュアル化は、新人保育士が混乱しにくくなるだけではなく、保育園全体の業務を効率化し、事故の防止にもつながります。

2-3. 新人保育士に寄り添ったコミュニケーションを取る

新人保育士を指導する際は、ただ指示を飛ばすだけで終わらせたり、激しく叱責したりしてはなりません。新人保育士を育成することを意識しながら、相手の気持ちに寄り添いコミュニケーションを図りましょう。

慣れない環境で山積みの仕事に追われている新人保育士は、こちらが考えるよりも余裕がありません。相手の質問に答えるだけではなく、仕事の進捗状況を把握し、こちらからアドバイスを送ったり質問したりすることが必要です。

また、短時間であっても仕事の合間に折を見て相談に乗ってあげることも、新人保育士の信頼感を高めることにつながります。

2-4. スケジュールの管理方法を教える

新人保育士へスケジュールの管理方法を教えることで、仕事を溜め込み締め切りを破ってしまう可能性を減らせます。新人保育士とはいえ、締め切りまでに仕事が終わらなければ指導する保育士だけではなく、他の保育士にもしわ寄せが及ぶ可能性があります。

手帳の使い方や予定の組み方など、自分が日頃行っているスケジュールを管理するコツを新人保育士に教えてあげましょう。

2-5. 新人保育士の意見も取り入れる

新人保育士の意見に耳を傾けることは、新人保育士のやる気向上や、保育園の発展に大きく寄与します。新人保育士の出す意見は、長く同じ保育園に努めている保育士から見ると、非現実的であったり、非常識であったりすることがあるでしょう。

しかし、保育園の色に染まり切っていない新人保育士は、外部の人や保護者に近い視点から保育園の状況を見ていることがほとんどです。

これまでの慣習とは相容れない発想であっても、思い切って新人保育士の意見を取り入れることで新たな発見につながることがあります。

2-6. 成長はきちんと言葉にして褒める

新人保育士が成長しているところを見つけた際には、言葉に出して褒めることが大切です。

新人保育士の仕事には失敗が付き物ですが、叱責ばかりでは自信を持たせることや、やる気を引き出すことはできません。

「子どもたちの様子をよく見られていた」や「今日は笑顔が素敵だった」といった些細なことでも、十分にモチベーションアップの効果があります。

注意しなければならないことがあっても、先に相手の良いところを伝えることで、その後に続く注意にも耳を傾けやすくなるでしょう。

3. 新人保育士を指導する上で注意すべき点

新人保育士を指導するにあたり、注意するべき点がいくつかあります。新人保育士の指導時に注意するべき代表的なポイントは、下記の3点です。

◯職場にプライベートを持ち込まない
プライベートでどのような問題が起ころうとも、新人保育士には何の関係もありません。オンとオフを明確に区別して仕事に取り組みましょう。

◯えこひいきをしない
公然とえこひいきをすることは、新人保育士の間だけではなく職場全体の人間関係を悪化させ、その雰囲気は子どもたちにも伝わります。また、新人保育士同士や前任者と比較することも避けましょう。

◯感情的に叱らない
指導の内容が正しくとも、感情的になることで新人保育士から「ストレスのはけ口にされている」と思われかねません。パワハラやいじめと認識されるケースもあるため、叱る際は冷静かつ簡潔に問題点を指摘するだけに留め、長く引きずらないようにしましょう。

どれほど熱心に指導しても、「思った通りに成長しないこと」や「何となく性格が合わないこと」もあるでしょう。そのような場合は、のめり込み過ぎたり無理に言動を矯正しようとしたりせずに、一旦距離を取って冷静になることが大切です

新人を指導する立場に就いたとしても、すべてを自分ひとりで抱え込む必要はありません。他の保育士にも協力を仰ぎながら、新人を育成することを心がけましょう。

まとめ

新人保育士を指導する際は、相手が抱えている悩みを理解することが大切です。職場内での人間関係や、新人保育士の技量を理解して、適切な助言を心がけましょう。

また、社会人経験の乏しい新人には、当然のこととなっている保育園のマナーを、具体的に教える必要があります。

新人保育士の指導では、密なコミュニケーションが欠かせません。相手の失敗を指摘するだけではなく、成長している点は口に出して評価することが大切です。相手の気持ちを十分に理解して、適切な新人保育士の指導を心がけましょう。