保育士の仕事量が多い理由|残業を減らす方法6選&転職のポイント
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子どもの世話や指導、イベントや行事の企画実行・事務仕事など、保育士は一人あたりでこなす仕事の量が多く幅広い職種です。保育士によっては仕事の多さに気力や体力がついていかず、ストレスを抱えて保育園を辞めてしまったという話を聞いたことがある人もいるでしょう。
そこで今回は、保育士の仕事量が多い理由と、保育士の仕事量を減らすためにできる方法6つを解説します。また、保育士が転職する際に見るべきポイントも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
保育士の仕事量が多い理由とは?
日々の残業や休日出勤が必要となるなど、担当業務が終わらないことに悩む保育士は少なくありません。子どもの都合や体調を最優先にしなければならないとはいえ、なぜいつまでたっても仕事が終わらないのか不満に思う人もいるでしょう。
まずは、保育士の仕事量が多くなる理由を3つ解説します。
1. イベントや行事が多い
運動会や発表会など、保育園では毎月のようにさまざまなイベントや行事が開かれます。各イベントは、計画立案から後片付けまで、すべてを保育士が担当することがほとんどです。
歌やダンスなど、出し物があれば子どもたちの指導が加わり、保育士自身の練習が必要となるケースも珍しくありません。イベントの準備期間中も通常の業務は行わねばならず、休憩時間を削っても足りなければ残業や持ち帰り業務が発生します。
特にイベントのクオリティにこだわっていたり、土日に開催したりする保育園では、保育士にかかる負担が大きくなる傾向です。
2. 保護者の対応に時間がかかる
子どもたちの命や健康に大きく関わる保育士には、保護者との綿密な連携が求められます。子どもの送迎時だけではなく、連絡帳や電話などを用いて保護者とコミュニケーションをとり、信頼関係を築かなければなりません。
「子どものために」と保護者一人ひとりと丁寧に接していれば接しているほど、多くの時間がかかります。ときにはトラブルに巻き込まれるケースもあるでしょう。何かが起こるごとに対応する時間や記録する事柄が増え、計画通りに仕事が進められないため、仕事が多くなります。
3. 保育士が足りていない
そもそも、保育園に十分な数の保育士を確保できていないことが、仕事が終わらない原因となっているケースもあります。長らく保育業界の人手不足が指摘されているものの、未だ需要と供給が釣り合っているとはいえない状況です。
法律で定められた保育士の人数がクリアできていても、通常業務に加えてイベントの業務や保護者の対応などに割く時間が確保できるとは限りません。本来3人で行うべき量の仕事を2人でこなしていれば、保育士一人あたりの仕事量は多くなります。
保育士の仕事量を減らす方法6選
保育士の仕事は、どれも欠かすことのできない重要な役割を持っています。そのため、仕事量を減らしたい場合でも安易に業務内容を削るわけにはいきません。しかし、工夫を積み重ねることによって、仕事の総量を減らすことが可能です。
ここでは、保育士の仕事量を減らせるおすすめの解決策を6つ紹介します。
(1)効率的に保育計画を作成する
まずは、効率的な保育計画を作成することから始めましょう。保育園によっては、保育士自身の成長やアイディアを尊重するために、新人であっても一人で保育計画や指導案を立てさせるケースがあります。
しかし、一人で一から計画を立てるよりも、過去に作成された保育計画を共有し参考にしながら改善案を盛り込んでいくほうが効率的です。きちんとスケジュールを立てて全員で共有することで、無駄な作業を省いて優先度の高い事柄から順に進めやすくなり、保護者への説明も行いやすくなります。
(2)着手前に作業時間の目安を決める
仕事を始める前に、それぞれの作業に割りあてられる時間の目安を算出しましょう。仕事が立て込んでいるときは、仕事をこなす時間やスピードは漠然とした流れで考えがちです。
仕事の着手前に「この仕事は◯時まで、次の仕事は◯時までに終わらせる」と決めることで、どのくらいのスピードで仕事を進めるべきかを把握することができます。早く終われば自信にもつながり、時間を超過したときはどこに時間がかかったかを分析し改善につなげることが可能です。
(3)ICTシステムを導入する
ICTシステムを導入して業務効率化を図ることは、仕事量を減らすことにつながります。ICTシステムは、スマホやパソコンなどを利用して、さまざまな情報を管理・共有するシステムです。
例えば、園児の基本情報や登降園の状況、指導計画や保育日誌、連絡帳を一括で管理することができます。そのため、保護者へのおたよりや緊急時の連絡を一斉に配信したり、保育士のシフト管理や勤務時間を集計したりすることが可能です。
(4)複数の保育士と仕事を分担する
一人ですべての仕事を抱え込もうとせずに、同僚と相談したり仕事を分担したりしましょう。仕事内容によっては、自分よりも他の保育士のほうが得意な仕事や、反対に自分のほうが得意な仕事があります。また、同じような仕事は分散させずに一人がまとめて行ったほうが効率的です。
期限までに仕事を終えられなければ、結局は同僚が尻拭いに回らなければなりません。苦手な分野を伸ばすことも大切ですが、時間に余裕がないときは思い切って助けを求めることが必要です。
(5)派遣やパート・アルバイトとして働く
体力面で不安が残る人や家庭と両立するために長時間拘束されたくない人は、自分のペースで働きやすい勤務形態を選んでみてはいかがでしょうか。
正社員はパート・アルバイトと比べて責任が重く、仕事量も多くなります。しかし、派遣やパート・アルバイトとして働くことで、勤務時間や仕事量を調整することが可能です。
ただし、中には「事務作業は正社員のみ」と定めている保育園もあるため、注意が必要です。
(6)「残業少なめ」の保育園に転職する
さまざまな対策をとっても残業が減らせない場合や、勤務形態を変えられない場合は、働く保育園自体を変える選択肢もあります。「残業少なめ」の保育園を選ぶ際に注目すべきポイントは、下記の3つです。
- 十分な人数の保育士が勤務している
- ICTシステムが導入されている
- イベントや行事が少ない
勤務する保育士の数が多く、ICTシステムが導入されている保育園は、一人の保育士が担当する仕事量がさほど多くはありません。また、イベントや行事が少ない保育園は、残業や休日出勤が起こりにくい傾向です。
保育士が転職する際に見るべきポイント3つ
保育士として転職活動を行う際に見るべきポイントは下記の3つです。
- 保育園の教育方針と自身の理想が合っているか確認する
- 職員の年齢に偏りがないか確認する
- 保育園を見学して職場の環境や雰囲気を確認する
保育園と自身の教育方針に食い違いがあれば、転職してから周囲と軋轢が生じやすくなります。保育士が保育園の教育方針を変更させることは、まず不可能です。初めから自分自身が納得できて理想に近い教育方針の保育園を探しましょう。
また、職員の年齢が偏っている保育園にも注意が必要です。若い保育士が多い場合は、人件費を抑えるため給与を低く設定している可能性があります。反対にベテランの保育士が多い場合、若い保育士の離職率が高い保育園である可能性も否めません。
年齢比が保育園の質に直結するわけではないものの、ある程度の目安にはなります。転職先として気になる保育園は、求人情報の雇用条件や待遇面だけで即決せず、実際に施設へ足を運んで職場を見学しましょう。保育園の環境や雰囲気、上司や同僚となる人たちの言動や人間関係を自身の目で確認することが大切です。
まとめ
保育士の仕事が多い理由は、イベントや行事が多かったり保護者の対応に時間を割かれたりと、通常業務以外の仕事もこなさなければならないためです。また、保育士の人数が十分に確保できていない場合もあります。
しかし、働き方を工夫することで、保育士の仕事を軽減することは可能です。自身で努力しても職場環境が変えられない場合は、勤務形態を変えたり転職したりすることも考慮に入れましょう。
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