痛ましいブドウ原因の窒息事故から学ぶべきこと

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9月7日、東京・八王子市内の幼稚園で、給食に出たブドウを喉に詰まらせた4歳男児が亡くなるという痛ましい事故が起きました。

給食で出されていたブドウは直径が約3cm大の「ピオーネ」という品種でした。大粒で甘味も強いため、子どもたちにも大人気のブドウです。これを食べた男児が、急に苦しそうな表情で立ち上がり、すぐさま職員が吐き出させようと処置しましたが、ブドウ粒を取り出すことはできず、男児は搬送先の病院で死亡したそうです。

さまざま要因、タイミングが重なっての事故と思われますが、大人にとっては粒のままでも「何とかなりそう」なブドウでも、幼児にとってはかなり危険が伴う食材となるそうです。特に子どもが好む甘味の強い食材は、つい一気に飲み込もうとしてしまうことが多いようなので、こうした事故も起きやすいのだとか。

この事故について、検証記事を掲載した東京新聞が消費者庁などに取材したところ、窒息につながりやすい主な食べ物として 

 形が丸いもの(プチトマト、大粒のブドウ)

 ◎なめらかなもの(ピーナツ、枝豆)

 ◎粘りのあるもの(白玉団子、餅)

などの危険が指摘されていました。

高齢者の窒息事故も多い、餅や白玉団子などのリスクが高いのは承知していましたが、細かいピーナツや枝豆までもが危険だというのは意外でした。記事によりますと、一般的に奥歯までが生え揃っていない幼児にとって、大人と同じ咀嚼(そしゃく)は難しいそうです。子どもの特徴として、噛めない食材を吸い込もうとする傾向があるそうなので、ピーナツのような細かいモノでも窒息につながる危険が多いのだとか。

安全対策のことだけを考えるならば、なるべく固形物は避けて、ゼリー状のものや流動食のような食事を与えるのが得策なのでしょうが、それでは咀嚼する力を育んだり、「食育」の観点からも望ましいこととは思えません。

大粒のブドウなどの食材を提供する場合は、「4分の1程度にカットしたうえで出すべきだった」との意見も多いのですが、忙しい調理場の現状を見る限り、ブドウ粒など丸く表面がツルツルした食材を人数分、4分の1にカットする作業は、手間として難しいことでしょう。

こればかりは「食材を選ぶ」ことで事故を回避するしかありません。また、もしもの時に備えて、保育に携わる人たちに対して、喉に詰まった異物除去の方法や、心肺蘇生の方法などを学んでもらう機会を増やしていくことが得策なのかもしれません。

文/ほいくらし編集部
[参考]東京新聞

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