フランスの研究チームが発表「保育所の感染リスクは低い」

フランスの研究チームが発表「保育所の感染リスクは低い」

未知の存在である新型コロナウイルス感染症の拡大により、生活習慣が激変するようになって約1年。医療従事者や高齢者を優先に、ワクチンの限定接種も始まりました。

連日、新型コロナウイルスに関するニュースが報道されない日はありませんでしたが、「感染したら最後、本人もその家族も大変なことになる」という深刻な報道もあれば、一方で「高齢であったり、特に疾患がなければ問題ない」「毎年のインフルエンザ流行のほうが危険性は高い」といった報道もあり、混乱するばかり。

その最前線で矢面となりがちな医療機関や保育所などは困惑するばかりです。とくに「医療の専門家」ではない保育現場では、保護者からの問い合わせに応対したり、通常通りに開園すべきか、閉鎖すべきか? などの判断も、明確な線引きをする目安がないままだったこともあり、混乱と疲弊に明け暮れた1年間だったと思われます。

新型コロナウイルスは保育所に通う園児や職員の間で感染が広がるリスクは低い

徐々にウイルスの危険性も解明されつつある現在、フランスの研究チームが

「新型コロナウイルスは保育所に通う園児や職員の間で感染が広がるリスクは低い」とする調査結果をまとめ、英国の医学誌「ランセット・チャイルド・アンド・アドレセント・ヘルス」電子版に掲載(2月8日)したことが話題となり、何か1つでも指針が欲しい保育業界にとっても光明が見えたニュースとなっています。

フランスで2020年3~5月に都市封鎖が敷かれる中、医療従事者などを親に持つ園児を受け入れた22の保育所を対象に、職員ら計約200人と5か月~4歳の園児ら約330人の感染有無を確認。その結果、感染したのは職員の6.8%、園児の3.7%でした。

比較対象とされた病院職員ら約160人のグループでも5%となり、統計上は大きな違いがありませんでした。その状況からも「園児同士の感染はなかった」とみられており、感染した園児の多くは家族も感染していたのです。研究チームは、感染した園児も家庭内で感染した可能性の方が高く「保育所が感染源となっているわけではないことが示された」と説明しています。

報道によりますと、「幼児は感染後も重症化しにくい傾向がある」とされていますが、感染を広げるリスクは明確ではありません。今後、世界各国において新たな流行に見舞われた際に、保育所を閉鎖する必要があるかどうか判断する上で参考となりそうな貴重なデータとなりそうです。西洋人と東洋人のウイルスへの適性も関係あると思われますので、ぜひとも日本国内でも同様の調査を実施して欲しいものです。

コロナ禍でインフルエンザは大幅減少

一方で、新型コロナ禍により、手洗い、うがい、消毒、そしてソーシャルディスタンスの維持に細心の注意を払い続けている成果でしょうか? 例年この時期となると悩まされているインフルエンザの感染者数が、驚異的に減少しております。

2020年2月に学級・学年閉鎖、休校となった施設(保育所、幼稚園、小学校、中学校、高校)は全国で2,197施設ありましたが、今年に至ってはわずかに2施設という驚くべき数値(厚労省公表)が出ています。

人生のほぼ初期段階で新型コロナ禍を体験したことで、うがい、手洗い、徹底した消毒、そしてソーシャルディスタンス術を身につけた園児さんたちが、10~20年後には「コロナ世代」なんて呼ばれつつ、元気に活躍している未来を思い浮かべつつ、この苦しい日常を乗り切りたいものですね。

文・写真/ほいくらし編集部

【参考記事】
共同通信|保育所での「感染リスク低い」
医療介護 CBnews|17道府県でインフル報告、推定患者1000人