「常勤保育士」の規制緩和 現場や保護者からの反対意見が相次ぐ

「常勤保育士」の規制緩和 現場や保護者からの反対意見が相次ぐ

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政府は2013年からの7年間で約72万人分の保育の受け皿を整備。しかし、上昇し続ける女性の就業率などの影響もあり、2020年の待機児童は約1万2,000人とされています。

そこでいま注目されているのが、昨年暮れに政府より発表された国の新たな保育整備計画「新子育て安心プラン」です。

待機児童解消を目的として建てられたこの計画は「地域の特性に応じた支援、魅力向上を通じた保育士の確保、地域のあらゆる子育て資源の活用」が大きな柱とされています。

この「新子育て安心プラン」では保育士数を確保するために「短時間勤務の保育士の活躍促進」を提唱。なかでも注目が集まっているのは「待機児童がいる市区町村では各クラスで常勤保育士1人を必須とした規制をなくし、短時間勤務の保育士2人でもOKとする点」です。

厚労省担当者は「(資格を持ちつつ就業はしていない)潜在保育士に多様な働き方を提供する」と理由を説明。参考データとして「保育士が再就業する場合の希望条件」を取り上げています。

<保育士が再就業する場合の希望条件(複数回答)>
・勤務時間:76.3%
・雇用形態(パート・非常勤採用):56%
※「東京都保育士実態調査報告書(令和元年5月公表)」より

同省は「保育士が確保できずに子どもを受け入れられないなど、市区町村がやむを得ないと認める場合」と限定的な運用を想定しているとし、担当者は「質の低下を招くことがないよう調整する」と話しているそうです。

しかし、こうした国の規制緩和に保育現場や保護者からは反対意見が相次いでいます。

全国私立保育園連盟は昨年末、常勤保育士の配置が「質の担保の最低限」だとし「子どもにとっては1日の保育の中で短時間保育士がコロコロ変わって落ち着かず、どの保育士にも安心感を持てない」と規制緩和に反対する意見書を提出。

都内保育所の園長は「待機児童を減らすための大人の目線。子どもの視点を忘れないで」と強調しています。

さらに「保育園を考える親の会」も「小学校の担任がパートタイマーであることが考えられないのと同じ」などとして撤回を求めています。

また、事業者側も必ずしも歓迎していません。全国で認可保育所などを運営する会社の社長は「短時間保育士は早番や遅番を避ける人が多く、運用しづらい面がある。潜在保育士の掘り起こしにならないのでは」と政府主導の規制緩和策に疑問を投げかけます。

東京都の調査では、保育士の退職理由として「仕事量が多い」点も挙げられていました。

新型コロナウイルスの流行で感染対策にも追われ、保育士の負担はさらに重くなるばかり。まずは保育現場の労働環境や待遇面など、保育士が余裕を持って業務に取り組める環境整備が第一ではないでしょうか?

文/ほいくらし編集部

【参考】
「常勤保育士」規制緩和へ 量拡大の影で進む質の低下懸念、現場は「労働環境の改善」求める(東京新聞)
新子育て安心プランの概要(厚生労働省)

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