日本の「保育者」 9カ国で仕事時間が最長~OECDの2018年調査

日本の「保育者」 9カ国で仕事時間が最長~OECDの2018年調査

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OECD(経済協力開発機構)が2018年、加盟9カ国(チリ・デンマーク・ドイツ・アイスランド・イスラエル・日本・韓国・ノルウェー・トルコ)を対象に行った保育に関する調査が、日本の保育関係者のあいだで話題となっています。

この調査は「保育士や幼稚園教諭など、保育者の勤務状況」についてのもの。

日本での調査は全国216の幼稚園や保育所、それに認定こども園で働く保育士や幼稚園教諭、園長など「保育者」約1,800人が回答しました。

この国際的な調査で、日本は参加した9カ国のうち「仕事にかける時間が最も長い」という結果に。

<各国の1週間の仕事時間※>

国名1週間の仕事時間(時間)
日本50.4
韓国46.6
チリ44.3
ドイツ40.1
トルコ36.9
ノルウェー35.1
デンマーク34.7
イスラエル34.4
アイスランド33.5
「OECD国際幼児教育・保育従事者調査2018」より ※自宅への持ち帰り分を含める

最も短いアイスランドが33.5時間と比較して、日本は50.4時間と9カ国で最長を記録しています。

一方で、「子どもと接していない時間」という点でも16.9時間と韓国に次いで2番目に長い結果が出ています。おもな理由に挙がったのは「活動の計画・準備」や「一般的な事務作業」です。

このことから日本の保育者は本来の業務以外の仕事も広く請け負っていると言えるでしょう。

それでも給料が高額であれば満足度は高くなるはずなのですが、給料に満足している人の割合は、トルコが最高で39%、日本は23%と、9カ国の中でアイスランドの次に低い「ワースト2の満足度」となっています。

日本の調査にあたった国立教育政策研究所、杉浦健太郎総括研究官は「日本の社会全体でも労働時間がかなり長いことが背景にあると思う。誇りと自信を持って現場で取り組めるような環境整備が大事だ。結果を政策のさまざまな側面で生かしてほしい」と話しているとのこと。

次から次へと業務は上積みされ、保育者の拘束時間は増えるばかり。深刻な保育士の人材不足に対し、適切な政策が進められることを願って止みません。

文/ほいくらし編集部

【出典】
日本の「保育者」 仕事時間が最長 OECDの9か国調査(NHK政治マガジン)
日本の保育者「長時間労働、給与満足度低い」 OECD調査(教育新聞)

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