従来の枠組みを超えた「これからの保育」を実践する、新たな都市型保育園がオープン!

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子どもを子ども扱いしない保育や、地域コミュニティとの積極的な関わり、カフェの併設やビュッフェ形式のランチなど、独創的かつユニークな取り組みで注目を集めている茶々保育園グループ。そんな同グループが手がける新しい保育園として、『茶々だいかんやま保育園』が、2021年4月1日(木)に開園しました。今回は、開園に先立って開催された内覧会の様子をリポートするとともに、『茶々だいかんやま保育園』の特徴について紹介していきます。

コミュニティをつくり、主役になれる人を育てる

開園直前の内覧会では、迫田健太郎理事長(左)と、クリエイティブディレクター・水野学さんのトークセッションも公開された。

『茶々だいかんやま保育園』があるのは、東急東横線代官山駅から徒歩6分ほどの場所。区営住宅や高齢者福祉施設なども併設される複合施設の1、2階部分にあたる、約1200㎡(園庭面積300㎡)が、保育園として利用されています。

そんな同園のコンセプトは、「持続可能な未来の主役を育む。」というもの。開園にあたって実施された内覧会では、迫田健太郎理事長がコンセプトに込めた思いについて、こんなふうに語ってくれました。

「茶々保育園グループが発足当初から掲げてきたミッションが、“20年後を創る”ということ。この『茶々だいかんやま保育園』も、そのミッションを体現する園のひとつです。ここで育つ子どもたちが、20年後により良い社会をかたち作ってほしい——。そんなことをイメージしながら、日々の保育を考えていきたいですね。また、今後の世界を語るうえで不可欠となるSDGs(持続可能な開発目標)を意識した保育・教育についても、ふたつの方針を持っています。ひとつは、土・風・緑・光・水にあふれた園舎で、環境や多様性への意識を高め、思考力や表現⼒などを育むこと。もうひとつは、“子どもも一人の市民”と考えて、積極的に街や人々と向き合うこと。この両面から時代や社会、そして世界にダイナミックにアプローチしていきたいと考えています」

その言葉どおり、広々とした園内に満ちあふれるのは、木や土のぬくもりと、風と光の心地よさ。体じゅうで自然を感じることができます。聞けば、この心地よい空間のディレクションを手がけたのは、熊本県のマスコットキャラクター・くまモンの生みの親としても知られるクリエイティブ・ディレクターの水野学さんだとか。水野さんは、一体どのような考えから、今回のデザインにたどり着いたのでしょう。

都会の真ん中で、自然の手触りを体験できるデザインに

保育園のディレクションを手がけるのは、水野さんにとって今回が初めて。今後はグループのブランディングを手伝う予定だとか。
通路の壁面は「地層」をイメージしてデザインされているとか。内装にできる限り自然素材を使用しているのも、同園の特徴のひとつ。

内覧会で迫田理事長とともにトークセッションを行った水野さんは、「自分が子ども時代に戻って通いたいくらい。本当に素晴らしい保育園ができたと思います」とまずひと言。さらに、こう言葉を続けます。

「私自身も都会で子育てをしてきたのですが、子どもに自然のなかでの暮らしを体験させてあげられなかったことに、少し心残りがありました。そこで、『都会にある園』は自然型に、『自然のなかにある園』は都会型にしてはどうか、という考え方を提案しました。その考え方でいけば、『茶々だいかんやま保育園』は代官山という都会にあるので自然型。木々などが育つ土壌をコンセプトに、壁などは地層を模したデザインとして、子どもたちに自然を疑似体験してもらえるような空間にしました」

ちなみに、0歳〜5歳までの子どもたちが学ぶ各クラスにも、シード(種)やソイル(土)、リーフ(葉)といった自然を感じさせるネーミングが。そうやって自然物の融合(土壁などの天然素材もふんだんに使われています)を徹底することで、⼦どもたちや保育士の美意識にもいい影響を与えそうです。

地域に愛され自慢してもらえるような保育園を目指す

玄関を入ってすぐの場所にある共有スペース。ここでは、子どもたちの活動がドキュメンテーションとして展示される。

コンセプトにも内装デザインにも、斬新なアイデアが散りばめられており、「これまでにない保育園」という表現がぴったりな『茶々だいかんやま保育園』。加えて、クリエイティブ教育として、ITを活⽤した保育・教育を実践したり、地域と積極的に関わっていくための交流スペースとして「ちゃちゃカフェ」を併設したりしているのも、大きな特徴です。

「“子どもも一人の市民“という話にも通じるのですが、地域で育っていく子どもたちの姿を見ていただき、地域の皆さんに愛され自慢してもらえるような保育園になることが私たちの理想。セキュリティや安全性はしっかりと担保しながらも、保護者のみならず地域の方々と子どもたちの活動や成長を共有するスペース(ドキュメンテーションセンター)を設けるなど、本当の意味で地域に開かれた保育園の姿を体現していきます」

迫田理事長は、こんな言葉でトークセッションを終えました。これからの社会で役割を果たせる人を育てるために——。従来の保育の枠組みを超えるさまざまなエッセンスが詰まった『茶々だいかんやま保育園』の取組みには、今後も注目です。

取材・文:西田嘉孝 写真:高嶋一成

茶々だいかんやま保育園
住所:東京都渋谷区恵比寿西2-13-5
開所時間:月曜〜土曜7:15〜20:15、日曜・祝日8:30〜19:30
定員:113名
https://chacha.or.jp/hoikuen/daikanyama

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