子どもの予防接種、世界で2300万人が受けられず~新型コロナが影響

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いま「ワクチン」という言葉を目にすると、まず新型コロナウイルス感染症のワクチンを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、長年多くの国民の命と健康を守ってきた、はしかワクチンやポリオワクチンの存在を忘れてはなりません。

その存在が忘れがちとなるのは、誰しもが記憶に残る前に接種を終えているからでしょう。

7月15日、WHO(世界保健機関)と、ユニセフ(国連児童基金)は、全世界が新型コロナウイルスの影響を受けた2020年、約2300万人の子どもがはしかやポリオなど必要な予防接種を受けられなかったとする報告書を発表しました。

2019年と比較して未接種人数は約370万人増加。医療機関がコロナ対応に追われてしまったことや、親が感染を恐れて医療機関への訪問を控えたことなどが原因とみられています。

報告書によりますと、約1700万人は紛争地やスラムなどで暮らし、ワクチン接種を全く受けられなかったといいます。

ウイルスが「生き物」であるかどうか、の定義は難しいところではありますが、前年のワクチン接種数が減った翌年にはウイルス感染者が増加してしまうものです。ウイルスと生物による「戦い」は、常にその繰り返しなんですね。

新型コロナウイルス対策によって、手洗いやうがいといった生活習慣が見直されたことは喜ばしいのですが、その他、マスクの着用やソーシャルディスタンスの維持など、「これを未来永劫、ずっと続けるのは無理」と思えるものが数多いのも事実。

抗菌のための行動が本来、生物に備わっている抗菌力や免疫を弱めてしまうとの説もあります。偏った行動や生活習慣の「揺り戻し」は必ずあることでしょうが、幼い命を守るためのワクチン接種は最優先されるべきです。

WHOやユニセフが指摘した通り、2020年からの新型コロナ禍によって、保護者の皆さんが病院に行くことを警戒したことも、乳幼児のワクチン接種率低下の大きな要因でしょう。

政府や各地域の行政機関、医療機関も、新型コロナウイルスへの対応に追われてしまい、乳幼児のワクチン接種を促すことまで手が回っていない現状もあります。

今回、WHOとユニセフから発表された報告書の数字は、全世界の問題ですが、日本国内の乳幼児死亡率の低さと安全な生活は、幼少時のワクチン接種によって守られてきた部分が大きいのです。

とくに今夏の日本は、東京オリンピック・パラリンピックの開催によって、全世界各地域からの渡航者が増加中。新型コロナウイルスへの警戒ばかりが取り沙汰されていますが、子どもたちがワクチン接種をしていなかった場合、そこで風疹やはしか、あるいは未知のウイルスに接してしまい、新型コロナウイルス以上の危険にさらされてしまうことにもなりかねません。

現在、幼年層への新型コロナウイルスワクチン接種の是非が問われることもありますが、古くからある、はしかやポリオのワクチン接種の大切さも、ぜひ保護者の皆さんと共有していただければと思います。

文/ほいくらし編集部

【出典】
子どもの予防接種、2300万人受けられず=新型コロナが影響―国連|時事メディカル
子どもの予防接種率低下 2,300万人がワクチン接種できず 2019年から370万人増加|日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会)

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