『ぼくが消えないうちに』が待望の映画化! ファンタジー大作『屋根裏のラジャー』として、2022年夏に公開決定

『ぼくが消えないうちに』が待望の映画化! ファンタジー大作『屋根裏のラジャー』として、2022年夏に公開決定

2022年夏、『メアリと魔女の花』以来、5年ぶりとなるスタジオポノックの最新作『屋根裏のラジャー』が公開されます。原作は、子どもから大人まで楽しめる良質な児童文学として、世界中の文学賞を席巻した『ぼくが消えないうちに』(ポプラ社/原題「The Imaginary」)。映画では、手描きアニメーションの繊細な表現力や壮大な世界観が、感動ファンタジー小説の魅力をさらに引き立てています。誰もが持っている“想像力”を題材にしつつ、「愛や希望はいつも私たちのそばにいるのだ」ということに気づかせてくれるこの映画は、毎日を一生懸命生きるすべての人にこそみてほしい、“とっておきの一本”といえるでしょう。

大切にしたい、子どもの世界を無限に広げる想像力

子どもの想像力はいつも大人を驚かせ、楽しませてくれます。子どもたちが繰り広げるイマジネーションの世界に触れていると、忘れかけていた幼いころの記憶がよみがえって、つい懐かしい気持ちになってしまう。保育士として働いていると、そんな場面に出くわすことも、少なくないのではないでしょうか。

そして、想像でつくりあげた“友だち”と一緒に遊んだことや、空想の世界で“なりたい自分”になって過ごしたことなど、記憶の片隅にある思い出を振り返っているうちに、「あれって、本当に幻だったのかな?」なんて考えてしまったりもして——。

今回ご紹介する『屋根裏のラジャー』の原作となった『ぼくが消えないうちに』は、まさにそうした“想像上の友だち”、つまり<イマジナリーフレンド>の存在を描いたイギリス発のファンタジー作品です。

<書籍情報>
『ぼくが消えないうちに』

作/A.F.ハロルド
絵/エミリー・グラヴェット
訳/こだま ともこ
ポプラ社 刊

【あらすじ】

ラジャーは、少女アマンダが想像してつくり出した親友だ。ふたりはいつも一緒に、楽しい時間をすごしていた。しかしある日突然、アマンダがいなくなり、ラジャーはひとりぼっちになってしまう。アマンダに忘れられると、ラジャーはこの世から消えてしまうというのに。さらに、子どもたちの想像力を盗む、不気味な男もあらわれて…。大切な友だちを探すため、ラジャーの旅がはじまった……!
(公式サイトより)

世界15カ国で刊行! 『ぼくが消えないうちに』が世界中で愛される理由

『ぼくが消えないうちに』を手がけたのは、詩人であり児童文学作家でもあるA.F.ハロルド。子ども時代の不安や喜びをスリリングな展開で描いた同作は、読んだ人に「想像する力」をくれる上質なファンタジーとして注目を集め、世界15カ国で刊行されています。また、イギリス文学協会賞受賞やケイト・グリーナウェイ賞、カーネギー賞など、数々の文学賞にノミネートされたほか、「ガーディアン誌」「ブックトラスト」「カーカスレビュー」といった海外の有力メディアも、こぞってその内容を絶賛しているんですよ!

日本においても、法政大学教授で翻訳家の金原瑞人さんが、同作について次のようなコメントを寄せています。

「子どものときのことなんて、みんな忘れていく。でも、子どもに忘れられていく友だちを書いたこの本を、きみはきっと忘れない」

成長するにつれて、幼いころの記憶はどんどん薄れていくもの。そうやってリアルに体験した“楽しい思い出”ですら忘れていってしまうのに、“想像でつくりあげた友だち”のことなんて、普通なら思い出すこともないでしょう。ですが、本作『ぼくが消えないうちに』を読んだ人たちの多くは、「すっかり忘れていた子どものころの“想像のお友だち”を思い出した」という感想を述べるのだそうです。

もしかすると、保育士として日々子どもの想像力に触れているみなさんも、本作を読めばなにかしら思い出すこと、感じることがあるかもしれません。そして、現実と空想がごちゃ混ぜになってしまう子どもの心理に少しでも近づくことができたら? 想像の世界を一緒に楽しむことができるのではないでしょうか。

さて、ここまで『ぼくが消えないうちに』について紹介してきましたが、実は本題はここから! そう、『ぼくが消えないうちに』が、2022年夏に映画『屋根裏のラジャー』として劇場公開されることになったのです。

手描きアニメーションならではの繊細なタッチが生み出す、幻想的な世界観

『屋根裏のラジャー』の主人公は、一人の少女の想像から生まれた<イマジナリフレンド>のラジャー。人間の想像が食べられてしまう世界を舞台に、ラジャーと仲間たちが、大切な人の未来と運命を懸けた“誰にも見えない戦い”に挑みます。

製作を担当したのは、『メアリと魔女の花』『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』などの作品で知られるスタジオポノックで、監督は『おもひでぽろぽろ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』といったスタジオジブリ作品で中核を担った百瀬義行さん。スタジオポノックらしさ満載の繊細な手描きアニメーションと壮大な物語が、私たちを幻想的かつスリリングな世界へと誘ってくれます。

下に掲載したティザーポスタービジュアルには、大きな木に集まってくるラジャーとイマジナリの町に暮らす仲間たちの姿が描かれていますが、このファンタジー感いっぱいの絵を見るだけでも、「どんな冒険が待っているのだろう」とわくわくしてきますよね。

なお、百瀬監督とプロデューサーの西村義明氏は本作への思いをこんなふうにコメントしています。

百瀬義行監督コメント

“想像”を具現化するのは、とても難しい作業です。「見たことがないもの」を映画で見せるという高いハードルがある一方で、だからこそ、アニメーションの表現としての面白味を感じ、挑戦の意識を持って作っています。“想像の中から生まれた少年”と聞くと、一見、窮屈な印象に思われるかもしれませんが、その少年からの目線に映るのは実に広大で開放された世界です。ラジャーと《イマジナリの町》で暮らす仲間たちは、無邪気で純粋で刹那的な存在ですが、この“想像たち”から見た世界を、閉塞感で描くのではなく、この時代を生きる私たちに力を与えてくれる、豊かな気持ちと開放感で満ちた映画にしたいと思います。

西村義明プロデューサーコメント

原作を手にしたのは『メアリと魔女の花』を作り終えた直後でした。誰もが経験したことのある人生のきらめき。愉快で、少し怖く、何より心が動きました。この文学を映画にできないだろうか。人間でも幽霊でもロボットでも動物でもない、「人間に想像された少年」の視点で私たちの今を捉える映画を作れないか。2年のあいだ考え続け、ラジャーの姿が立ち現れました。彼が伝えようとするかけがえのない何かに魅了されていきました。これは、想像の中に生きる少年ラジャーの物語です。誰にも見えない所で必死に生きる世界中の私たちの物語です。そして、あなたの横に愛も希望もいつも「いる」のだと、声高に言う映画です。百瀬義行という才能と、作品に関わる全クリエイターと共に、手描きアニメーション映画のその先を目指します。是非ご期待ください。

この夏は、個性的なキャラクターたちが織りなす、とっておきのファンタジー世界をたっぷりと楽しみましょう! そして、自分の横にも愛や希望がいつも「いる」ということを実感してみてください。

<作品情報>
『屋根裏のラジャー』

(2022年/シネスコ/105分予定)

原題「The Imaginary」
原作:A.F.ハロルド「The Imaginary」(「ぼくが消えないうちに」こだまともこ訳・ポプラ社)
監督:百瀬義行
プロデューサー:西村義明
制作:「屋根裏のラジャー」製作委員会
配給:東宝

©︎2022 Ponoc

公式HP:https://www.ponoc.jp/Rudger/

【あらすじ】
愛を失った少女は、想像の少年ラジャーを生みだした。
ふたりは、想像と現実の世界をかけめぐり、かけがえのない時間を過ごす。
しかしある日、ラジャーを狙う謎の男が現れ“想像”の世界が消えようとしていた——。
(公式サイトより引用)


文・野口 燈