保育園に行きたくない子はどうやって受け入れる?保育園が楽しくなる言葉かけとは【ぽん先生 保育のお悩み相談室】

保育園に行きたくない子はどうやって受け入れる?保育園が楽しくなる言葉かけとは【ぽん先生 保育のお悩み相談室】

新年度で保育士がぶつかる壁の1つに、保育園を嫌がる子への対応があります。「おはよう」と挨拶するだけで泣かれては、私たち保育士としても声をかけづらいものですね。

そこで今回は、受け入れで泣いてしまう子が保育園へ行きたくなる魔法のような一言をご紹介したいと思います。

保育園が嫌になる主な原因とは?

子どもたちが保育園を嫌がる主な原因はなんでしょうか。

よく聞かれる言葉としては、「楽しくないから嫌だ」といったものが挙げられます。それなら、楽しく過ごせるように保育士が配慮したら良いと考えることが多いと思いますが、「先生が楽しいから通いたい!」と思うようなクラス作りはあまりおすすめできません。なぜなら、子どもたちがクラスの一員ではなくお客さんになってしまうからです。

保育園に慣れるまでは、お客さんのような立場で通うのも悪くはないと思います。しかし、それはいつまでも続くものではありません。必ずどこかで飽きてしまうことを考えると、お客さんの立場で保育園に通うことはどこかで区切りをつけないといけないのです。

本当に子どもたちが保育園を心地よい場所だと感じられるようにするには、「クラスの中で自分が必要とされている」と感じられるようにすることが重要です。そして、それが自分の居場所を見つけるきっかけになるのです。

保育園が楽しくなる魔法のような一言

保育園を嫌がる子には、具体的にどのように関わるのが良いでしょうか。それは登園時に「今日も来てくれてありがとう」と声をかけることです。

「クラスの中で自分が必要とされている」と感じられることが重要だとお話ししました。不安な気持ちで登園する中、「今日も来てくれてありがとう」という言葉を聞くとどんな気持ちになりますか?「ありがとう」という言葉は自分が役に立った時に言われるものです。

自分が登園するだけで友達や保育士が喜んでくれることは、その子にとってクラスの一員として必要とされているように感じられます。

必要とされることの中に「私は誰かの役に立つ人間なんだ」という感覚があり、子どもを受け入れるその気持ちこそが「私はここにいて良いんだ」と安心して登園できることに繋がるのです。

ポイントは保育士や友達との関係性

感謝の気持ちを伝えることは、コミュニケーションの始まりです。

例えば、自分の居場所を見つけられずに不安な子が、泣いている友達に対して「どうしたの?大丈夫?」と手を差し伸べてあげられるでしょうか。おそらく難しいと思います。「ありがとう」と感謝してもらった子が、同じように相手にも感謝することができるのです。また、「大丈夫?」と手を差し伸べてもらった子が、同じように困っている相手に手を差し伸べられるようになります。保育士から先に子どもたちへ感謝の気持ちを伝えることで、コミュニケーションを通じて信頼関係が築かれるでしょう。

もちろん、ただ言葉で伝えれば良いのではありません。本当に心から喜んで受け入れる気持ちが大切であり、気持ち良く笑顔で話しかけていただきたいと思います。そして、その子が誰かに手を差し伸べてあげる姿を見たら、すかさず「優しくしてくれてありがとう」と声をかけてあげてください。そうやって感謝の輪を広げていくことで、誰もが安心できる繋がりの強いクラスになっていくでしょう。

保育士ライター
東京都で働く現役の保育士。 自身の子育てや育休の経験を通して家庭保育の大変さを痛感し、子育て支援のための活動を始めた。
「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに育児の楽しさを伝える活動を精力的に行っている。
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