泣き止まない子に大切なのは距離感だった!子どもが気持ちを切り替えられる関わり方【ぽん先生 保育のお悩み相談室】

泣き止まない子に大切なのは距離感だった!子どもが気持ちを切り替えられる関わり方【ぽん先生 保育のお悩み相談室】

皆さんは、泣く子との向き合い方で悩んだ経験はありますか。「子どもの気持ちを受け止め、寄り添い、共感してあげることが大切である」と学ぶ一方で、それを実践で上手く取り入れられている方は少ないのではないでしょうか。

どれだけ丁寧に子どもと関わったとしても、子どもが泣き止まないことはよくあるもの。そんな時、私たち保育士は子どもとどのように関わると良いのでしょうか。

今回は泣き止まない子との関わり方について解説していきたいと思います。

子どもが泣き続ける原因とは

子どもがいつまでも泣き続ける原因はなんでしょうか。それは泣くことによって自分の思いが叶うと考えていることです。

例えば「家庭では泣くと父親がいつも抱っこして話を聞いてくれる」というように、泣くことで子どもにとって嬉しいことがあるのだと考えられます。つまり、大人とのコミュニケーションを泣くことで築いているのですね。そうやって、ある人との関係で上手くいったことを保育園でも同じようにやろうとするのです。

しかし、私たちが保育する中で泣くことがコミュニケーションになるのは避けたいものです。そこで大切なのが、子どもとの距離感になります。

子どもと距離をとる時のポイント

子どもとの距離感が近過ぎると、子どもに振り回されてしまいます。泣かせないように関わると、どうしても保育士が下手に出ることになりますね。これは子どもの視点で考えると、自分の意見を押し通すのに好都合です。結果として、泣かせないように関わるとますます子どもを泣かせてしまいます。

一方で、子どもから距離を取りすぎると、「困っている私を見て!」とまた違った意味で泣くことを助長してしまいます。

程よい距離感とはどんなものでしょうか。それは「泣かずに話してくれたらいつでも聞くからね」と伝えることです。

ただし、「泣くなら聞かないからね」という伝え方は子どもを突き放す態度であり、これでは子どもから距離を取りすぎてしまいます。あくまで、「泣いていてもあなたの思いは分からない」「でも泣き止んだ時にはいつでも聞くよ」という2つの条件を丁寧に伝えることが大切です。

共感だけでは解決できない

泣いている子の気持ちに共感することは重要ですが、それだけでは子どもの抱える問題は解決されません。

子どもが、「ママに会いたい」と言ったとします。この時、子どもの気持ちに共感するのであれば、「そうなんだね、ママに会いたいんだね」と言葉をかけるでしょう。しかし、現実的にはお迎えまではママに会えません。

そこで大切なのが、「保育士に今できること」を伝えることです。

「ママは来られないけれど、先生が抱っこしてあげることはできるよ!」
「お迎えまでママには会えないけれど、代わりに好きなおもちゃを持って来ようか?」

このように、私たちにできることを代替案として提示してあげることが、子どもの気持ちに寄り添うことです。このような関わりの中で子どもたちは泣くのではなく、具体的な解決方法を見つけられるようになっていくでしょう。

保育士ライター
東京都で働く現役の保育士。 自身の子育てや育休の経験を通して家庭保育の大変さを痛感し、子育て支援のための活動を始めた。
「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに育児の楽しさを伝える活動を精力的に行っている。

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