子どもにイライラしてしまう…感情的に怒らないために保育士が知っておきたい2つの工夫とは【ぽん先生 保育のお悩み相談室】

保育中、子どもにイライラしてしまう場面は誰にでもあると思います。保育士は“保育のプロ”ではありますが、人と人との関わりにおいて、そうした感情は避けられるものではありません。
しかし、だからといって感情に流されるがまま子どもと関わってしまっては、質の高い保育とは言えません。私たちは、どのようにイライラに対処すればよいのでしょうか。
今回は、保育中に感情的にならないために知っておきたい、2つの工夫をご紹介したいと思います。

この記事の執筆者
ぽん先生(保育士)
東京都で働く現役の保育士。自身の子育てや育休の経験を通して家庭保育の大変さを痛感し、子育て支援のための活動を始めた。「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに育児の楽しさを伝える活動を精力的に行っている。
怒りの裏には「期待」がある
そもそも、保育のなかでイライラしてしまう理由はなんでしょうか。いちばん多いのは、子どもが話を聞き入れてくれないことだと思います。
例えば、折り紙を上手に折ることができず、大泣きした子がいたとしましょう。これに対してイライラしてしまうのは、「騒がれて嫌な気分になったから」と一般的には考えると思います。つまり、「子どもの行動によって気分を害した」という考え方です。
あるいは、「泣くのではなくて、『わからないから教えて』と聞きにきてほしい」という保育士の願望が、表に出てしまう場合もあるでしょう。こちらは、保育士の期待通りに子どもが行動してくれないために、イライラしてしまうケースです。
イライラすると冷静に物事を考えられなくなるものですが、そうした場面で大事なのは一歩引いて考えることです。
一方的に「相手が悪い」と考えるのではなく、「自分の期待通りにならないから、イライラしてるんだな」と一歩引いて考える。そんな習慣がつくと、怒りに身を任せて感情的になってしまうことは減るように思います。
知っておきたい2つの対処法
ここからは、保育中にイライラしてしまったとき、どのように対処するとよいかを具体例を挙げながら解説していきましょう。
おすすめしたい対処法の1つ目は、「他の職員と代わること」です。1対1でやり取りをしていると、「相手が理解するまで何度でも教えよう」と考え方が一方的になったり、感情的になったりしがちです。それは子どもの側も同じで、2人だけでやり取りをしていると、互いに引けない状況になりやすいのです。
そんなときは、別の職員と入れ替わって子どもとの距離を開けると、気持ちを落ち着かせることができます。また、第三者の視点から「こんなことがあったんだよね」「あの先生はこんなことを伝えたかったんだと思うよ」と説明してもらうことで、子どもたちも話を聞き入れやすくなるでしょう。
保育士が1人のときに問題が起こると、「この子と2人で話したいので、少しだけクラスに入ってもらえますか?」と言いたくなるものですが、そうではなくて「私から話しても伝わらないので、少しこの子の話を聞いてもらえますか?」と職員間で連携をとってみてください。それによって解決につながるケースは、意外に多いのではないでしょうか。
2つ目は、「保育士の感情を子どもに言葉で伝えること」です。例えば、「こんなことされて、先生は今すごく怒っているんだよ」と伝えてみましょう。
実際の保育のなかでも、保育士から「それはいけないことだよ!」と叱られ、そこで初めて「これは怒られることなんだ」と子どもが気付くケースは少なくありません。感情を言葉でやり取りすれば、語気を強めなくても、子どもたちは相手の気持ちについて考えることができるのです。
変わるのは子どもではなく自分
子どもを自分の思い通りに動かそうとすると、どうしても怒りの気持ちは抑えられなくなってしまいます。しかし、イライラを表に出しても、相手をコントロールすることはできません。
「他人は変えられない」という言葉があるように、イライラを感じたときは子どもを変えようとせず、自分自身の言動を変えるように意識しましょう。
先ほどの例で言えば、折り紙を上手に折れずに大泣きした子どもに対して、「泣いていてもできないでしょう!」と言い聞かせるのも、泣きやませるための1つの方法かもしれません。しかし、「お手伝いしたいから、何をしてほしいか教えてくれる?」と声をかけてみるのもやり方の1つです。
そうやって、保育士自身が子どもの希望や期待をはっきりと認知すれば、それを達成するための代替案も考えやすくなります。相手を動かそうとする前に、まずは1つひとつの関わりを丁寧に考えてみる。そう心がければ、感情に振り回されることなく、子どもと関われるのではないでしょうか。


