子どもの「やりたくない!」にはどう向き合うべき?知っておきたい関わり方を解説【ぽん先生 保育のお悩み相談室】

みなさんは、「やりたくない!」と言う子どもにどのように対応していますか。様子を見てみたり、参加するように説得してみたりと、その対応は様々だと思います。
ところが、「やりたくない!」の頻度があまりに多いと、どのように対応して良いか分からなくなってしまうものです。今回は、活動への参加を嫌がる子とどのように向き合っていくべきか解説していきたいと思います。

この記事の執筆者
ぽん先生(保育士)
東京都で働く現役の保育士。自身の子育てや育休の経験を通して家庭保育の大変さを痛感し、子育て支援のための活動を始めた。「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに育児の楽しさを伝える活動を精力的に行っている。
物事を二極化しやすい時期
「やりたくない!」という子どもたちの姿は、2歳児~4歳児クラスの保育で多く見られます。これは「物事を対比して捉える」という発達の段階と深く関係しています。
例えば、一つ発達が進むと「大好き・ちょっと好き・ちょっと嫌い・大嫌い」のように、「物事を系列で捉える」ことができるようになります。しかし、対比という二次元の世界でしか捉えられない発達の段階では、その中間の認識ができません。そのため、「できる・できない」などのような両極端な考えに陥りやすいのです。
鉄棒で前回りの練習をしている場面で考えてみます。前回りが1人ではできなくても、「保育士に補助してもらえばできる」「鉄棒の上につばめの姿勢で乗るところまではできる」など、その子によって様々なステップがあると思います。しかし、両極端な捉え方をする時期の子どもからすると保育士に援助してもらってできても、途中までできていても「僕はできないんだ」と考えてしまうのです。
これは、保育士が「ここまでできたね!」と認めるような関わりをしていたとしても、そのように捉えることは難しいのです。つまり、保育士の関わりの問題ではなく、子どもたちの発達による側面も大きく影響していると言えるでしょう。
説得するのは基本的にNG
中には、「〇〇くんならきっとできるよ」「失敗しても大丈夫だからやってみよう?」などと、説得するような関わりを大切にする方もいらっしゃると思います。しかし、これは私はあまりおすすめしていません。
無理に誘うようなかたちで説得すると、もし失敗してしまった時にどうなるでしょうか。「先生が『できそう』って言うからやったけどできなかった」「先生のせいでみんなの前で失敗をして恥ずかしかった」などと、保育士に責任を押し付けるようになってしまうからです。
そうならないためには、最終的には子ども自身が「やるのか」「やらないのか」を選んでもらう必要があると思います。つまり、「やってみようかな?」と思える関わりが必要なのです。
やってみたくなる2つの関わり方
具体的に、どのように関わると良いのでしょうか。
1つ目は、楽しそうな姿を見せることです。「やりたくない!」と思いを伝えるその時は、興味と恐怖心とまさに葛藤しています。しかし、保育士も周りの子も楽しそうに参加する姿を見ていたらどんな気持ちになるでしょうか。参加しない自分が損をしているような、そんな気持ちになると思います。遊びたくなる環境を構成するうちの一つとして、楽しそうな姿があるという人的環境はかなり重要なのです。
2つ目は、 スモールステップで活動を進めることです。例えば、「今日は前回りをします」と言ってしまうと、「前回りなんてできないよ」と両極端な考えに陥りやすくなってしまいます。しかし、活動に見通しを持つためには前回りが最終目標であることを伝えることは大切です。そこで、「今日は前回りのうち、最初のつばめの姿勢に挑戦してみようか」とスモールステップで説明を付け加えるとどうでしょうか。そのくらいであれば、できそうな気がしてきますね。
「やりたくない!」という気持ちもまた、子どもの成長の大切なプロセスです。その気持ちを尊重しながら、「これならできるかも」と小さな一歩を支えることで、子どもたちの気持ちは切り替わるのではないでしょうか。一緒に寄り添う姿勢を大切にしていただきたいと思います。


