伊藤美佳「どんな方針の園でも実践できる! モンテッソーリ教育から“子ども主体”保育のヒントを学ぶ」|イベントレポート

伊藤美佳「どんな方針の園でも実践できる! モンテッソーリ教育から“子ども主体”保育のヒントを学ぶ」|イベントレポート

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医療介護保育業界で働くみなさんへ明日からのお仕事に役立つ情報をお届けする動画コンテンツ「シゴトークLive」。各業界の専門家によるお役立ち情報を配信しています。

今回のシゴトークLiveでは、モンテッソーリ教育をベースに「輝きベビーメソッド」を開発した伊藤美佳さんをゲストとしてお招きしました。『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』『モンテッソーリ流 たった5分で「言わなくてもできる子」に変わる本』など、これまで4冊出版した書籍は累計10万部を突破。新聞やテレビをはじめ、多方面から注目を集めています。
動画前編では「保育士が意外と知らない? 子供の家庭の事情と発達の実態」、後編では「どんな方針の園でも実践できる! モンテッソーリ教育から”こども主体”保育のヒントを学ぶ」の2つのテーマでお送りしましたので、記事と合わせてぜひご覧ください。

動画撮影/シゴトークLive編集部 文/北村岳大

〈自分で考えて、自分で行動できる〉を応援する教育法

これまで2万人の子どもたちの様々な教育法を実践してきた伊藤さん。その中で、保育士が教えたことを同じように子どもたちにやらせる“一斉保育”や、子どもたちがやりたいことを重視する“自由保育”を経験したそうです。

これらはどちらもメリット、デメリットがありますが、これからの保育は両方のメリットをバランスよく取り入れ、〈自分で考えて、自分で行動できる〉を応援する教育法が、今後の未来に生き抜いていける子どもたちを育てるうえで重要だと伊藤さんは話します。

「やや心配になってしまうのは、昨今保育園に入園してくるお子さんの中には、ハイハイがきれいな形でできなかったり、歩き方が不安定だったりするケースを見かけることが多くなってきたこと。脳の神経細胞の発達に関する知見をベースに、さまざまな分野の経験を小さなうちからしておくことが重要」(伊藤美佳さん・以下「」同)

刺激を受ければ受けるほど脳の神経回路がどんどんつながっていくそうです。また昨今、便利なベビーグッズが増えてきたことがかえって子どもたちの発達にとって悪影響を与える場面も見られるようになってきたと警鐘を鳴らします。

「例えばヘッドガード。本来であれば、転んだときの痛みを知ることで次は気をつけようとしますが、ヘッドガードに守られていることにより痛い思いを経験しないので、転ばないようにするための学習が妨げられてしまいます。同様に、しつけ箸は手指の力がついていないうちに使うと、頼らないと箸を持てなくなってしまいます。こうしたベビーグッズは便利ではあるものの、過度に依存せずに上手に付き合うことが大事です」
と、話してくれました。

シゴトークLive
①:保育士が意外と知らない?子どもの家庭の事情と発達の実態

子どものイタズラを支援し、満足させることが大切

動画後編では“どんな方針の園でも実践できるモンテッソーリ教育”についてお話しいただきました。

モンテッソーリ教育とは、医師であり教育家でもあったマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法で“子どもには、自分を育てる力が備わっている”という“自己教育力”の存在を前提としたものです。教育法では、子どもたちを守っていこうとする傾向が強くなりすぎると、転ばないようにしたり、転んでもすぐに助けてあげてしまうため、自分で立ち上がる力を弱めてしまうとしています。

こうした知見を踏まえると、保護者や保育士は子どもとの関わり方についてあらためて気付かされます。そのときヒントとなるのは、私たち大人の目に「イタズラ」として映ってしまう行動の数々。例えば、ちょっと目を離した隙にティッシュを次々に引き出してしまったり、引き出しの中身を引っ張り出してしまうといった行動です。

「掴んで引っ張る運動機能を発達させたり、腕の筋肉の発達にもつながっていると紙を破いてしまう行動は、左右違う動作を覚えることにつながっているし、オモチャを投げつけてしまう行動は、肩や肘の発達にもつながっています」

こうして考えると子どもの行動が、機能を発達させることにつながっています。伊藤さんは「子どものイタズラ行動を満足させると能力が伸びる」といいます。(動画では、具体的にどのようなおもちゃが子どもの発達を支援するのかも紹介していますので、ぜひチェックしてください)

「子どもたちが“今やりたい”と思っている行動を支援するためには、子どもが何を求めているのかを察してあげることが重要です。思う存分やらせてあげると、もういいや、といつしかやらなくなる。そうした行動の〈旬〉を見逃さず、活動を支援してあげることが大切です」

動画本編では、保育園ですぐに実践できる遊び方や関わり方が具体的に紹介されるほか、動画の終盤では〈保育士あるある相談コーナー〉も。「注意しても聞いてくれない、癇癪を起こす子の対応方法」や「こどもがケンカしたときの仲裁の仕方」「子どもが言うことを聞いてくれる魔法の言葉」など、明日から使える実践的なノウハウが満載です。保育士の方はもちろん、小さなお子さんを持つすべての方に本編のご視聴をおすすめします。

シゴトークLive
②:モンテッソーリ教育 どんな園でも実践できる!?

伊藤美佳さん

【プロフィール】
伊藤美佳(いとう・みか)
(株)D・G・P代表取締役
0歳からの乳幼児親子教室「(社)輝きベビーアカデミー」代表理事
幼稚園教諭1級免許、日本モンテッソーリ協会教員免許、保育士国家資格、小学校英語教員免許、NPO法人ハートフルコミュニケーションハートフル認定コーチ、サンタフェNLP/発達心理学協会・ICNLPプラクティショナー、日本メンタルヘルス協会認定基礎心理カウンセラー。自身の子ども達がモンテッソーリ教育の幼稚園で素晴らしい成長を遂げたことに感銘を受け、日本モンテッソーリ協会認定教師の資格を取得。

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