【読み聞かせ③】絵本選びのプロ「絵本スタイリスト®」が厳選! 子どもの年代別おすすめ絵本|絵本スタイリスト® 景山聖子

【読み聞かせ③】絵本選びのプロ「絵本スタイリスト®」が厳選! 子どもの年代別おすすめ絵本|絵本スタイリスト® 景山聖子

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日々、子どもたちはどんどん成長していきます。ほんの1歳ちがうだけでその発達レベルはまったくちがうものです。そうなると、「絵本の読み聞かせ」に使うべき絵本も子どもの年齢によってちがってきます。

それぞれの年齢によって、どんな絵本を選ぶべきなのでしょうか? 保育士資格も持つ「絵本スタイリスト®」の景山聖子さんに、年齢のちがいによる絵本を選ぶ基準と、おすすめの絵本を教えてもらいました。

構成/岩川悟(合同会社スリップストリーム) 
取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人

0歳児にはオノマトペが多用されている絵本がおすす

講演活動などを通じてわたしが頻繁に聞かれる質問に、「生まれたばかりの0歳の赤ちゃんにも、絵本の読み聞かせは有効ですか?」というものがあります。結論からいうと、「YES」です。

生まれたばかりの赤ちゃんはまだ目が見えませんが、音を聞くことはできます。お腹のなかにいたときに聞いていた声だからお母さんの声を聞くと赤ちゃんは安心するということは、よく知られている話ですよね。ですから、家庭はもちろんのこと、園でも0歳児に対してたくさん読み聞かせをしてあげてほしいと思います。

もちろん、0歳の赤ちゃんはまだ言葉がわかりません。そこで、わたしからおすすめしたいのは、擬声語、擬態語、擬音語、いわゆる「オノマトペ」がふんだんに使われている絵本です。たとえば太鼓をたたく「ドンドコドン」といった音ですね。こういったオノマトペを口にすると、赤ちゃんはキャッキャッといっぱいよろこんでくれます。

0歳児に適した絵本のもうひとつの基準は、「情報量が多すぎないもの」。当然ながら赤ちゃんの理解力はまだ乏しく、受け取れる情報量に限りがあるからです。1ページに単純な大きな絵があるもので、できれば対象物を正面から描いているものがいいですね。

リンゴの絵にしても、上から見下ろしたり下から見上げたりしたような絵だと、なにを描いているのかが赤ちゃんにはわからないからです。

【0歳児へのおすすめ絵本】

『ふわふわゆびにんぎょうえほん はい どうぞ』(金の星社)
かわいい動物の指人形がついた絵本です。後ろから指を入れて人形を動かすことができます。内容的にもオノマトペでできているので、子どもの反応もすごくいいですね。また、厚みのある角がない紙を使っているので、安全面から見ても良書だと思います。

『がたん ごとん がたん ごとん』(福音館書店)
こちらは、生後8カ月など1歳に近くなった頃におすすめ。タイトルからしてオノマトペという絵本です。内容は、黒い汽車が駅でコップやスプーン、リンゴやバナナなどから「のせてくださーい」と声をかけられては「がたん ごとん がたん ごとん」と進んでいくというもの。こういった単純な繰り返しの内容も子どもは大好きです。

1〜2歳児におすすめの「イヤイヤ期対策絵本」「しつけ絵本」

続いて、1〜2歳の子どもに向いている絵本について解説しましょう。

この年代の子どもたちには、「生活」を見せることがポイントとなってきます。その理由は、ふだんから目にしているお母さんやお父さんがやっていることが気になりはじめる年代だからです。

スーパーや食卓などで目にする果物や野菜といった食材や、おにぎりやパンといった日常的なものが登場するような絵本がいいでしょう。それから、まだストーリーを理解できる年代ではありませんから、物語性が強いものはおすすめできません。

また、1〜2歳というと、イヤイヤ期がはじまりピークを迎える時期でもあります。じつは、そのイヤイヤ期の対策のための絵本も存在します。幼い子どもには、その発達段階として、絵本に描かれた架空の話を自分の実体験として受け取るという特徴があります。

そのため、イヤイヤ期の子どもと同じように、なにに対しても「やだ!」といってしまうような絵本の登場人物を通じて、子どもは自分も「やだ!」といえた気持ちになる。そうして、日常の「やだ!」が減って落ち着くようになります。

それから、子どもがイヤイヤ期に差し掛かると、なるべく叱らないようにしたいと思いつつも、つい叱ってしまうということも増えてきます。そこで有効なのは、子どもを叱らないですむようにするための「しつけ絵本」というものです。

そういった絵本を読み聞かせすれば、子ども自身が「こういうことはやっちゃ駄目なんだな」と自然と学んでくれます。子育てに悩む親御さんがいたら、おすすめの絵本を紹介してみましょう。

【1〜2歳児へのおすすめ絵本】

『やだ!』(徳間書店)
そのままずばり、『やだ!』というタイトルのイヤイヤ期対策のための絵本です。こざるのジョジョ君が、事あるごとにお母さんを困らせるという内容。もちろん、これは絵本を通じて子ども自身が「やだ!」といえた気持ちになることを狙いとしています。もう少し年齢を重ねると、「ジョジョ君みたいにお母さんを困らせる子になっちゃ駄目だな」と、教訓として受け取ることもあるかもしれません。

『たろうのおでかけ』(福音館書店)
内容は、主人公のたろうが仲良しのまみちゃんに花とアイスクリームを届けるというものです。その道中、黄信号で道路を渡ろうとするなど、たろうが危ないことをするたびに町のおじさんたちが「だめ だめ だめ!」とたろうを叱ります。楽しいお話のなかで生活におけるルールを教えてくれる絵本です。

保育現場でたくさんの子どもたちをよろこばせる大型絵本

最後は、3〜6歳児向けの絵本です。この年代になると、ストーリーを理解できるようになりますから、物語性の強いものでも大丈夫。そういった絵本を通じて、しっかりと子どもたちの内面を育ててあげましょう。なかでも、いわゆるむかし話がおすすめ。むかしから語り継がれてきた名作には、たくさんの生き方のお手本や教訓が込められています。

ただ、そういったむかし話には、保護者などからのクレームを受けて内容を変更してしまっているものもあります。たとえば、『カチカチ山』は、本来ならおばあさんを殺した悪者のタヌキは最後にウサギに殺されてしまいます。でも、いまではタヌキはおばあさんを殺さず、改心したタヌキと一緒におじいさんとおばあさん、ウサギが和気あいあいとお餅を食べるといった内容の絵本も存在します。

でも、それではむかし話に込められた教訓の一部しか子どもに伝わらないでしょう。もちろん、悪者が殺される場面をはっきり絵に描くといった、絵として残酷な描写は避けるべきです。でも、文字表現においては、そういった場面も子どもたちが想像できるようにきちんと残しておくべきでしょう。それらの表現から、「怖い!」「こういうことをしては駄目なんだ!」というふうに子ども自身が感じることが大切なのです。

また、たくさんの子どもたちに向けて読み聞かせをする保育現場だからこそおすすめしたいのが大型絵本です。なかには高さが60cmにもなる本もありますから、まさに大迫力。子どもたちは大よろこびしてくれるはずです。

また、出版社が大型絵本にするのは、もともと名作として有名なものがほとんどであり、内容的にも良質なものが多いというのもおすすめするポイントです。

【3〜6歳児へのおすすめ絵本】

『ももたろう』(福音館書店)
いわずと知れた、日本のむかし話における名作中の名作です。とくにいまは、漫画や映画の『鬼滅の刃』が大ブームですから、鬼が登場する『ももたろう』はおすすめ。もちろん、この絵本の桃太郎は悪さを働いた鬼をしっかり退治します。古きよき勧善懲悪ストーリーが子どもたちの心に教訓を残してくれるはずです。

『ビッグブック パパ、お月さまとって!』(偕成社)
作者は『はらぺこあおむし』でも有名なエリック・カール。内容は、「お月さまを取って!」と娘にせがまれたお父さんが、長いはしごをかけて月を取りに行くというものです。ストーリー自体も素晴らしいのですが、この大型絵本のバージョンではページがダイナミックに右や左、上に下にと伸びるなどしかけ絵本のようになっています。子どもたちが大盛り上がりすること間違いなしです。

(社)JAPAN絵本よみきかせ協会 代表理事
絵本スタイリスト®
局アナからテレビ番組などのナレーターへ。一児の母になり絵本に特化。
NHK絵本朗読。保育園読み聞かせ研修多数。カルピスよみきかせ隊、
花王・パナソニック読み聞かせアドバイザー。
2021年保育士試験、実技(言語)満点で合格。

『ママが楽になる絵本レシピ31 子育ての悩みには“絵本”が効く!!』(著:景山聖子 /出版社:小学館)
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