子どもの非を認めたくない保護者が逆上!保育士が受けたひどい仕打ちとは? [ヤメエピ@保育士辞めたいエピソード]
「保育士辞めたい!」と感じる瞬間ありませんか?もう無理。。疲れた。。そんなあなたが心底共感できる話をお届け!
目にあまるしょうたくんの暴力
春から受け持った、しょうたくんの保護者のことで悩んでいます。しょうたくんは早生まれで、同じ4歳児と比べると言葉が出てくるのが遅いタイプ。本人はそれがもどかしいのか、トラブルが起きるとお友だちを突き飛ばしたり、かみついたりしてしまうことがあります。
私は、そのたびにしょうたくんと相手の子に話を聞き、何がいけなかったのかを説明した上で、仲直りを後押しするようにしていました。しょうたくんに謝ってもらうことも多いのですが、そうした場合は保護者に報告しています。
「かみつくのは理由がある」と母親が激怒
そんなある日、私はしょうたくんのお母さんに怒鳴られてしまいました。お母さんの言い分は「トラブルが起きると、謝るのはいつもしょうたばかり。かみつくのはよっぽどの理由があるはずです。向こうのお子さんにまったく非がないと言い切れるのですか?」というもの。気持ちは理解できるのですが……。
しょうたくんは、他の子に「今はおかたづけの時間だから、遊んじゃいけないんだよ」などと正論を言われたときに、言い返せなくて逆上してしまうことが多いんです。私も長年の経験から、一方だけを注意するのがよくないことはわかっています。ですから、相手の子にも必ず「もっとやさしく言ってあげればよかったよね」と伝えるようにしています。でも、暴力をふるった側に何がダメだったのかを教えるのは、当然のことだと思うんです。
しょうたくんの連絡帳には出来事を詳細に記載して、相手の子にも注意しましたというふうに書いてはいるのですが、あのときは同じようなことが続いていたせいで不信感が募っていたのでしょう。それでも、私が謝罪したことでお母さんは落ち着きを取り戻し、事態がおさまったように見えました。しかし、後日意外な行動に出たのです。
SNSでの誹謗中傷にメンタル崩壊
意外な行動というのは、SNSでの誹謗中傷です。同じ園に子どもを通わせている保護者が任意で入っているグループチャットに、しょうたくんのお母さんが「しょうたが園に悪者扱いされている」と投稿を始めたのです。そこには「さくら先生はえこひいきをしている」とも書かれていたようで、ほかの保護者から話を聞いたときは、本当にびっくりしました。その後も、しょうたくんのお母さんは「偏食なのに給食を無理に食べさせている」「さくら先生に無視された」など、毎日のように投稿を繰り返しているらしいです。
しかも、恐ろしいのは裏で悪口を言いながら、送迎で顔を合わせるときにはいたって平静なことです。ほかの保護者から伝え聞くSNSでの言動と、目の前の姿とのギャップに、私の心は傷つきました。事実を知って以来、他の保護者にも色眼鏡で見られている気がして落ち着きません。実を言うと、動悸が激しくなって出勤できなくなった日もあります。
園長に相談してみたのですが、保護者のグループチャットは園の管轄外だから対処しようがないとのこと。こちらからはチャットの内容を確認できないので、この一件が退職理由として認められるのかはわかりませんが、とにかく一刻も早く辞めたいです。
※本記事は、ほいくらし編集部の記者が取材を行い、その内容をもとに執筆した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えて構成していますご了承ください。
取材・文/木下喜子 イラスト/やましたともこ