プチ断食の効果的なやり方!美肌・ダイエット・便秘解消をかなえる

プチ断食の効果的なやり方!美肌・ダイエット・便秘解消をかなえる

プチ断食で腸内環境を整えれば、美肌や免疫力アップにつながるのはもちろん、ダイエットの効果も期待できます。短期間の断食だから、運動が続かなかった方や忙しい方も、手軽に取り組めます。本記事では、プチ断食の効果、やり方、注意点を腸活講師の松本 和恵先生に解説いただきます。

\教えてくれた先生/


腸活講師/ファスティングアドバイザー
松本 和恵先生

腸活で体質改善を指導する専門家として活動。腸活講座のほか、腸から始める妊活講座、添加物講座、残留農薬講座、腸内フローラ検査の解析なども行っている。ファスティングで体質改善をしたい方のサポートも実践中。

プチ断食とは?

プチ断食とは、半日だけ断食する、1週間に1日だけ断食するなど、「短期間に限定して断食すること」を指します。

「短期間であっても断食は大変そう」と考える方もいそうですが、プチ断食では、飲まず食わずの状態になるのではなく、必要最低限の糖質と十分な水分は取ります。激しいものでなければ運動もできますし、通常通り仕事もできます。

プチ断食は、肌荒れや便秘、ダイエットのほか、さまざまな不調の改善も期待できると言われていますが、どうしてそのような効果につながるのでしょうか? まずは、その点から解説していきましょう。

プチ断食が不調を改善する仕組み

なぜ、プチ断食がさまざまな不調に効果的なのか。そこには、自然治癒力と腸内環境が大きく関係しています。

●代謝(デトックス)で自然治癒力がアップする

私たちは、体のなかに「酵素」という物質を持っており、酵素は大きく2つに分けられます。食べ物を消化する酵素(消化酵素)と、内臓を動かしたり傷を治したりする酵素(代謝酵素)です。ただし、体内の酵素の量は限られているため、消化に多くを使うと、代謝に使う酵素が減ってしまいます。

特に現代人は、消化しにくい肉や油っぽいものを多く食べるため、消化にたくさんの酵素を使う傾向にあります。すると、代謝酵素が少なくなり、内臓の動きが悪くなったり、炎症が治りにくくなったりすることに……。その結果、すぐにニキビができてしまう、むくみやすくて太りやすくなる、便秘になるなど、さまざまな不調が表面化してしまうのです。

プチ断食をすると胃腸が休まる上に、その間、消化酵素を使用しなくて済みます。そのため、体の不調を治す代謝酵素が多い状態になり、ニキビや肌荒れが治ったり、腸の動きが良くなって便秘が改善したり、老廃物を出してむくみにくくなったりといった効果が見られるようになります。

つまり、代謝酵素の働きで自然治癒力が復活し、自分で自分の不調を改善していくわけです。

●全身の細胞に栄養が行き渡り、美肌に近付く

肉や油の多い食事で腸内環境が悪化すると、腸内の悪玉菌が出す有害物質が、血液に乗って全身へと送り出されてしまいます。そして、送り出された有害物質は、内臓や肌に不調をもたらします。

一方、プチ断食で内臓を休めて腸内環境を整えると、必要な栄養が血液に乗って細胞まで届けられます。そうやって細胞に栄養が行き渡ると、肌のターンオーバーがきちんと行われるため、シミ、シワ、ニキビができにくくなります。その結果、美肌に近付くわけです。

栄養が行き届いた細胞は、老廃物や毒素を排出しやすくなるため、ダイエットが成功しやすい体になるとも言われています。

プチ断食で期待できる効果

プチ断食には、以下のような効果が期待できます。

便秘が解消する

前述したように、現代食は肉中心の食事が多いため、消化する際、胃腸に多くの負担がかかっています。また、日々胃腸を働かせすぎると、消化する力が弱まって、消化が不十分になってしまいます。オーバーワークで腸の動きが悪くなると、便秘になるケースも増えてしまうでしょう。

腸内細菌の善玉菌は、腸の動きを良くする成分を作ってくれるのですが、便秘が続くと腸内環境が悪化して、その成分も作れなくなります。また、腸の動きが悪くなって便秘になると、さらに腸の動きが悪くなり、便秘が続いてしまうという悪循環に陥ります。

しかし、プチ断食の期間は、固形物を取らないため、胃腸が最低限しか動きません。胃腸が休息を取れれば、腸の動きも戻ってきます。それによって便秘が解消すれば、腸の動きを促進する成分もきちんと作れるようになるため、便秘の悪循環から抜け出すことができるでしょう。

腸内環境が整う

肉を中心とした洋食やファストフードなど、糖や脂肪分が多い食事は、腸内の悪玉菌のエサになり、腸内環境の悪化につながります。

プチ断食中は、消化の良い飲み物しか取らないため、腸内に悪玉菌のエサがない状態になり、善玉菌が優勢の腸内環境をつくることができます。

美肌に近付く

細胞は血液を通じて栄養を受け取り、リンパを通じて老廃物を排出することで、健康を保っています。しかし、血液から栄養ではなく有害なものを受け取ってしまうと、老廃物も出せなくなり、細胞が炎症を起こしたり、ターンオーバーがうまくいかなくなったりします。

肌細胞も例外ではなく、有害なものや老廃物を排出できないと、ニキビやシミ、シワができてしまいます。また、ターンオーバーもうまくいかないので、それらが治るのにも時間がかかります。

プチ断食をすると、腸内環境が整い、腸からたっぷりと栄養を吸収することができます。加えて、血液に乗って栄養が全身へと運ばれるので、肌荒れの原因となる老廃物なども減り、肌が健康になります。ターンオーバーも正常に戻るため、できた肌荒れも治っていき、美肌に近付くでしょう。

ダイエット

プチ断食は期間が短いため、脂肪はさほど燃焼しませんが、ダイエットの効果は期待できます。体のなかに溜まっている老廃物が少なくなることで、代謝が上がるからです。

先ほど説明したように、プチ断食で腸内環境が整うと、栄養が全身の細胞に行き届き、老廃物が排出されます。それによって代謝も上がり、痩せやすくなるのです。老廃物がじゃまをして排出できなかった不要な水分もなくなるため、むくみの改善にもつながります。

老廃物などで炎症を起こすと、細胞が肥満化して太ってしまう場合もありますが、老廃物が少なくなればそれも解消します。

プチ断食では、「食べないから痩せる」のではなく、「代謝が上がることで、徐々に適正体重に近付いていく」のです。

デトックス

プチ断食で腸内環境が整うと、腸の動きが良くなるため、便秘の解消も期待できます。体内の老廃物は主に便や尿、汗、毛髪などを通じて排出され、その割合は便が75%と大半を占めています。つまり、タイミングよく便を出すことは、デトックスにおいてとても重要なのです。

また、プチ断食中は、胃腸だけでなく肝臓や腎臓など、普段私たちの体の解毒を行っている臓器も休息します。休息によって肝臓や腎臓の機能が回復すれば、体に溜まっていた有害金属や残留農薬、食品添加物などの排出力も高まるでしょう(ただし、すべての解毒ができるわけではありません)。

免疫力アップ

腸には免疫細胞の約70%が集まっており、免疫力と腸内環境は大きな関わりがあると言われています。

腸の状態が悪いと免疫機能がうまく働かず、ウィルスなどの外敵や、未消化のものが血液に乗って全身に運ばれてしまいます。それによって、感染症などにかかりやすくなるほか、体内をパトロールしている免疫細胞が未消化のものを異物として攻撃し、アレルギー症状が出てしまうこともあります。

プチ断食で腸内環境を整えれば、病気になりにくい体、アレルギーになりにくい体を手に入れることができるでしょう。

冷え

腸内環境が悪いと、悪玉菌の出す有害な物質や未消化のものが血液に乗ってしまいます。すると、血液がドロドロして血流が悪くなり、体が冷えてしまいます。

血液に栄養が乏しく細胞に栄養が届かないと、エネルギーを作りにくくなるため、それもまた、冷えの原因になります。つまり、プチ断食で腸内環境を整え、老廃物をきちんと排出することは、冷え対策にもなるのです。

プチ断食のやり方

プチ断食には、半日断食と週1日断食があります。以下では、それぞれのやり方や注意点を解説します。

半日断食

<用意するもの>
①以下のどれか好きなものを選択
・酵素ドリンク(メーカーの指示通りの量)
・スムージー(300~400ml)
・コールドプレスジュース(300~400ml)
・具なしみそ汁(お椀2~3杯分ほどの量)
②水

<やり方>
・前日の夕食を19時までにすませるとより効果的です。
・朝食を酵素ドリンク、スムージー、コールドプレスジュース、または具なしみそ汁に置き換えます。
・午前中のうちに、コップ2杯~3杯程度の水を飲みましょう(お茶ではなく、水が望ましいです)。
・昼食には、消化の良いものを食べましょう。

<注意点>
・スムージーやコールドプレスジュースを手作りする場合は、旬の食材を使用しましょう。
・体が冷えないように、水はできるだけ温めて飲むようにしましょう。
・半日断食は、ある程度の期間継続することで効果が高まります。

週1日断食

<用意するもの>
①以下のどれか好きなものを選択
・酵素ドリンク(メーカーの指示通りの量)
・スムージー(300~400ml)
・コールドプレスジュース(300~400ml)
・具なし味噌汁(お椀2~3杯分ほどの量)

②水

<やり方>
・前日は、消化の良いものを普段の6、7分目量の食事にしましょう。
・1日5回ほどに分けて、酵素ドリンク、スムージー、コールドプレスジュース、または具なし味噌汁を取ります。
・水は1日2Lを小分けにして飲みます(水が望ましいですが、1杯程度ならノンカフェインのお茶でもOK)
・断食の次の日、急に元の食事に戻すと胃腸がびっくりしてしまいます。断食の前日と同じように、消化の良い食事をいつもより少なめに取りましょう。
・肉や、小麦製品は避け「まごわやさしい」に該当する食材を使ったメニューにしてください。

<注意点>
・肉、お菓子、コーヒーなどのカフェイン飲料、飴、ガム、炭酸水、たばこ、酒類はNGです。
・糖質が普段よりも体に入らないことで、体がエネルギーの消費を抑え、冷えを感じる場合があります。しっかりと冷え対策を行いましょう。
・激しい運動は、心臓に負担がかかることがあるため避けましょう。
・熱いお風呂は血圧を上げたり、頭痛を誘発したり、心臓に負担がかかることがあります。入浴の際は、心臓より低い水位でぬるめのお湯に浸かるようにしてください。
・毎週続けることで、徐々に体に変化を感じられますが、生理直前やスケジュールに無理があるときは思い切ってお休みしてください。

プチ断食の注意点

半日断食や1日断食において、強い好転反応が出ることは少ないです。ただし、体調が悪かったり、ホルモンが乱れていたりすると、以下の症状が出る可能性があります。それぞれの対策と合わせて解説しますので、実践する際には十分に注意してください。

めまい、ふらつき、手足のしびれ、冷や汗

このような低血糖の症状が出た場合は、断食に使用している飲み物を少しずつゆっくりと取ってください。1回に飲む量より少なめにします。

頭痛

断食に使用している飲み物を少量取ってください。自然塩をなめるのも良いでしょう。その後は、リラックスしてゆっくり休んでください。なお、自然塩とは、精製塩とは異なり、ミネラルが豊富に含まれる塩のことです。

下痢

断食で多く見られる好転反応です。水分をこまめに取るように心がけましょう。

発熱、吐き気、じんましん

断食を中断して医療機関にかかってください。

プチ断食を避けたほうが良い方

以下に該当する方は、プチ断食を避けたほうが良いでしょう。

・妊娠中の方
ホルモンが乱れ、妊娠継続への影響が出る可能性があります。

・授乳中の方
食事内容によっては、母乳の出が悪くなる可能性があります。また、断食と授乳により母体が栄養不足になる可能性があります。

・治療中、服薬中の方
医師の承諾を得てから行ってください。

・生理中の方
生理前~生理期間中は、ホルモンが乱れやすくなります。断食は生理後にゆっくりと行うのが望ましいでしょう。

・18歳未満の方
成長期の方は、体も脳も成長するための栄養が必要になります。1食の栄養も大切になってきますので、断食は必要ありません。

まとめ

プチ断食によって内臓を休めると、腸内環境が整い血液の質も上がるため、ゆるやかに不調を改善させることができます。また、プチ断食は、酵素ドリンクなど消化のよい飲み物で最低限の栄養を取りながら行うため、忙しい方でも無理なく続けることができるでしょう。

プチ断食を成功させるには、断食の前日や翌日の食事内容、量、ドリンクの量、水の量が重要になります。加えて、プチ断食を行う際には、記事中のNG食品を控えることや、体調の良いときに行うことなどの注意点を、きちんと守るようにしましょう。

普段の生活にプチ断食を取り入れて、便秘、肌荒れ、ダイエット、不調の改善を目指してください。

<参考文献>
「酵素ファスティングバイブル」(酵素ファスティング研究委員会 著)

腸活講師/ファスティングアドバイザー
腸活で体質改善を指導する専門家として活動。腸活講座のほか、腸から始める妊活講座、添加物講座、残留農薬講座、腸内フローラ検査の解析なども行っている。ファスティングで体質改善をしたい方のサポートも実践中。
●主な資格:日本腸活体質改善アカデミー協会®︎講師、腸内フローラ解析士、ファスティングアドバイザー、準食学士、リビングフードアドバイザー、食学オイルマイスター

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