「子連れオフィス」で働くメリット
待機児童が大きな社会問題になると同時に、保育所の整備が全国自治体の大きな課題になってきました。少しでも働き手を確保したい企業側によって、企業内保育所が量産されるなか、さらに働き手のニーズに合った「子連れオフィス」が増えています。同時に、自らが子育て中である保育士さんにとっても、働きやすさを追求した保育施設が誕生。つぎつぎと選択肢が増える今だからこそ、知っておきたい、子連れオフィスで働くメリットとは?
子連れオフィスに注目が集まるワケ
保育所のイメージが変わる利便性があります
全国各地で「企業内保育所」が広がりを見せているなか、新たな取り組みとして“保育所とオフィススペースが一体になった施設”が登場しています。「キッズスペース併設型ワークスペース」「保育所付きコワーキングスペース」など施設形態はさまざまですが、大きな特徴として“子どもと一緒に出勤しながら、子どものそばで働ける”という共通点が挙げられます。
「子連れオフィス」という施設形態は、従来の“職場と子育ての場は完全に切り離す”という発想を捨て、保護者を疲弊させがちな送り迎えのストレスからも解放することで、仕事と子育てを両立できる新しい試みとして注目されています。従来の保育園にも、在宅勤務にも当てはまらない、保育施設付きワーキングスペースの誕生により、さまざまな立場の保護者が、日々のお子さんの成長を至近距離から見守りつつ働く、という選択肢を手にしたのです。
保護者が常にそばにいる安心感
何となく求人情報を眺めているだけでは、将来性のある好待遇の職場を見つけることはできません。年収アップを狙って転職を考えるとき、絶対に注目したい3つのポイントをお教えします。
保育施設と同じ敷地内、あるいは隣接した空間内で、保護者もまた働いているという感覚は、一般の保育施設では体験できないものです。保育士の立場からすると、あるいはプレッシャーを感じる方もいることでしょう。ところが子どもの調子が悪いとき、グズったりした時などは、すぐそばの至近距離内に保護者の方がいると思うだけで、大変に心強いものです。これは企業内保育所で働く保育士ならではの感覚かも知れません。少人数なうえ、保護者との距離感も、通常の保育施設とは比較にならないほど密接になります。お子さん~保護者~保育士が至近距離内で生活するがゆえの連帯感も芽生えます。一般の保育士と比べて、保護者に感謝される機会が格段と多いことに、この職場ならではの「働きがい」を感じている保育士も多いようです。
「働くこと」「育てること」の両立にベターな方法を探る!
1990年代中盤、IT時代の到来とともに「21世紀にはパソコンと携帯電話さえあれば仕事をする場所は問われなくなり、在宅勤務がスタンダードとなる」と予測されていました。ところが結果はまったく逆。仕事の中身は変化し、ツールは進化したものの、まだ多くの企業で会社に定時出勤する基本スタイルは変化させず、残業は増え、24時間にわたり電話やメール対応に追われるなど、さらにゆとりのない社会になってしまいました。徐々に国内でも芽吹きつつあるコワーキングスペースと、そこに付属した保育施設の誕生は、変化を拒んでしまった社会システムに風穴を開ける意義があります。育児中の保護者が、安心して働くために、安定した保育システムは欠かせません。あなたの働きぶりが、さまざまなライフスタイルを可能とする、「真の働き方改革」につながるのです。
企業内保育所は企業の休日に合わせて、保育所も休みとなるため、土・日・祝日の休みが確保されることが多いためワークライフバランスが保ちやすく、その多くが通勤に便利な場所にあることも魅力です。また一般保育所では、残業や不規則労働の原因となりがちな、大規模な行事やイベントが比較的少なめというメリットもあります。少人数保育が基本のため、一人ひとりのお子さん、保護者とじっくりと向き合える点にも、大きな魅力を感じている保育士が多いようです。
子連れ通勤OKなど、子育て中の保育士にも大きなメリット
多くの保育施設が「子育ての応援団」でありたいと願っています。保育施設で働く保育士たちも、すでに「働く保護者」であったり、将来的に「保護者兼保育士」となることもあります。つまり保護者の力になりたいという想いは、自分たちの働きやすさを追求することにも通じます。多くの自治体、運営企業にとって、保育士免許を持ちつつ、現在は保育現場で働いていない「潜在保育士」の掘り起こしが重要な課題となっていることも、これら「保育士の働きやすさ」を追求する追い風となっています。
必ずしもフルタイム出勤にこだわることなく、働く側が自分の都合「働ける時間」を選んで適切なシフトを組み、通勤しやすい時間帯を選べるシステムも進化しています。システムの進化により、働く側が「時間のシニシアチブ」を握れるようになった点も大きな進化です。
自身もまた、子育て中である保育士のために、子連れ出勤が可能な保育施設も増え始めており、働く側と、子どもを預ける側と双方のために、なるべく鉄道駅に近い場所での施設展開、そうでない場合はシャトルバスでの送迎など通勤ストレスを軽減させるための工夫を怠らない運営企業も増えています。
また業務面でも保育士としてだけではなく、将来的な施設長、本部スタッフやマネジメント担当など、運営側でさまざまなキャリアパスを用意しているケースも。研修システムの内容を多岐にわたらせることで、保育士経験がない方や、ブランクが長くなってしまった潜在保育士の方でも、職場復帰しやすいシステムを整える企業も増加しています。
マイナビ保育士が、ご自身の働き方、ご都合に沿った職場を探し出し、出会える場となれたら幸いです。求人情報は毎日のように変化がありますので、小まめにサイトをチェックしつつ、ぜひお気軽にご相談ください。